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感染性胃腸炎は、細菌、ウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とした感染症の総称です。
夏の時期は、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、キャンピロバクターなどの細菌が原因となっていることが多く、また、秋から冬の時期は、ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスが主原因となって流行し、ピークは12月頃です。
感染性胃腸炎の定点当たり報告数は、第34週4.9人から第35週6.1人と増加しました。
高温・多湿の細菌が増えやすい状態が続いており、9月6日付けで今年度5回目の「細菌性食中毒注意報」が発令されています。
外出後や調理・食事の前、トイレの後は液体せっけんと流水でしっかりと手を洗うなど、感染予防に努めましょう。
患者の嘔吐物やふん便を処理する際には使い捨ての手袋、マスク、エプロンを着用し、処理をした後は、液体せっけんと流水で十分に手を洗いましょう。
区分 | 愛媛県 | 保健所別(各保健所の管轄市町) | |||||||
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四国中央 | 西条 | 今治 | 松山市 | 中予 | 八幡浜 | 宇和島 | |||
定点当たり患者報告数 |
35週 |
6.1人 |
3.0人 |
10.0人 |
6.4人 |
6.5人 |
3.8人 |
2.8人 |
7.0人 |
34週 |
4.9人 |
3.0人 |
11.2人 |
3.8人 |
5.0人 |
4.0人 |
2.3人 |
2.0人 |
|
33週 |
5.3人 |
6.3人 |
8.8人 |
2.2人 |
6.4人 |
5.5人 |
3.0人 |
2.5人 |
第 31 週、第32 週及び第34 週に今治、中予、四国中央及び松山市で採取された検体からカンピロバクターが2 例、下痢原性大腸菌及びノロウイルスGII が各1 例検出されました。
感染性胃腸炎に関連する病原体は、通常、冬期は主にノロウイルス、サポウイルス、ロタウイルス等のウイルス性のものが中心で、夏期は細菌性を原因としたものが主となります。
上の図は、2011年以降の県内における感染性胃腸炎の定点当たり患者報告数(折れ線グラフ)および検出ウイルス・細菌(棒グラフ)の推移を示しています。
患者は冬期に集中しており、年末年始を境に2峰性のピークを示しています。検出病原体のほとんどはウイルス性であり、晩秋から年末にかけてみられる第1の流行時期にはノロウイルスが、1月から4月にかけてはロタウイルスが多く検出され、2つのピークがそれぞれ別のウイルスによるものであることがわかります。一方、夏期はウイルス性病原体の検出数が減少し、カンピロバクターや下痢原性大腸菌などの細菌性病原体の検出数が増加しています。