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ノロウイルス感染症

ページID:0006760 更新日:2024年9月13日 印刷ページ表示

ノロウイルス感染症の特徴

(平成18年12月22日)

  • ノロウイルスとロタウイルスはともに下痢、嘔吐を主徴とする胃腸炎をおこしますが、ノロウイルスはロタウイルスに比べ、幅広い年齢層に罹患する傾向があります。
  • 秋から年末にかけてはノロウイルスが、1月から4月にかけてはロタウイルスが主に流行します。
  • ノロウイルスは、カキ等の二枚貝の生食による食中毒がよく知られていますが、わずかなウイルスが口の中に入るだけでも感染する為、ヒトからヒトへの感染力も非常に強いウイルスです。
  • 乳児期から成人まで幅広く感染します。嘔気、嘔吐、下痢が主症状で、一般に症状は軽症です。ただし、老人や免疫力の低下した乳児では重症化して死亡することもあります。
  • 保育所、幼稚園、小学校などの小児や、病院、老人ホーム、福祉施設などの成人でも集団発生がみられることがあり、注意が必要です。

ノロウイルスの電子顕微鏡写真

ノロウイルス(画像をクリックすると拡大写真が見られます)

感染経路

  • ノロウイルスの感染はほとんどが経口感染(口から体内に入り感染)であり、次のような経路があると考えられています。
    1. ウイルスに汚染された貝類を、生あるいは十分に加熱しないで食べた場合
    2. 調理台や調理器具がウイルスに汚染されていたり、ウイルスに感染した人が食品を取り扱うことにより、二次的に汚染された食品を食べた場合
    3. 感染者を看病したり、患者の吐物、便などから直接感染するヒト-ヒト間の感染

症状

  • 潜伏期間(感染から発症までの時間)は24から48時間で、主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛で、発熱は軽度です。
  • 通常、これらの症状が1から2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。
  • 感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。
  • 激しい嘔吐や下痢により急激に水分を失いますので、特に乳幼児や高齢者では脱水症状に気をつける必要があります。

治療方法

  • 現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。
  • 脱水症を防ぐため、市販のイオン飲料等で水分を補給する必要があります。
  • 飲んでも吐いてしまう場合は、早めに医療機関を受診してください。
  • 下痢止め薬は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しません。

予防方法

  • 日頃からの予防方法としては、食事前やトイレの後などにおいて、せっけんを使ってしっかりと手を洗うことが大切です。→手洗いの方法へのリンク
  • 食品中のウイルスは加熱により感染性をなくすことができます。食品の中心温度が85℃1分以上になるようにしっかり熱を通して食べましょう。
  • 下痢や嘔吐などの症状がある人は、食品を取り扱う作業を控えましょう。

二次感染を防ぐために

  • 患者の下痢便や嘔吐物には大量のウイルスが含まれていますので、その処理には十分注意する必要があります。乾燥した嘔吐物や下痢便のかけらが風に乗って舞い上がり、そばを通ったヒトが吸い込んだり、その人の体に付着し最終的に飲み込むことによって感染する場合があります。
  • 下痢の症状がなくなった後も、患者の便にはしばらくウイルスの排出が続くと考えられますので、症状が治まっても安心はできません。汚物を処理する際には使い捨ての手袋を使用し、用便後や調理前の手洗いを徹底しましょう。
  • 殺菌には熱湯あるいは0.05から0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを使用します。アルコールや逆性石鹸にはあまり殺菌効果はありません。
  • 調理器具、衣類、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。
  • 市販の塩素系漂白剤(通常は5から10%次亜塩素酸ナトリウム)なら50倍から100倍に薄めて使用します(例えば、原液10ミリリットルを1リットルの水で薄める)。
  • 汚物の処理方法
    1. 患者の便や嘔吐物を処理するときは、使い捨ての手袋とマスクを着用する。
    2. 便や嘔吐物はペーパータオル等で取り除き、ビニール袋に入れる。
    3. 残った便や嘔吐物の上にペーパータオルをかぶせ、その上から50倍から100倍に薄めた市販の塩素系漂白剤を十分浸るように注ぎ、汚染場所を広げないようにペーパータオルでよく拭く。
    4. ウイルスは乾燥すると空気中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、便や嘔吐物を乾燥させないことが重要。

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