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2025年第1週以降の発生状況を集計しています。過去の発生状況は「注目感染症(過去データ)」からご覧ください。
RSウイルス感染症は、主に2歳以下の乳幼児を中心に流行する呼吸器感染症です。2017年から2019年は秋季に報告数のピークがみられていましたが、2021年からは流行時期が早まり、初夏~夏季にピークがみられました。2025年は例年より早く、1月下旬から報告数が増加しています。
県内の定点当たり報告数は第8週1.81人から第9週2.56人と増加しました。
松山市保健所、宇和島保健所を除く地域で増加しており、西条保健所、今治保健所は他保健所に比べ多い状況です。
年齢別にみると、1~3歳が第8週36人から第9週57人と1.6倍に増加し、62.0%を占めています。
この疾患は発熱や鼻汁、咳など軽いかぜ様症状がみられますが、生後6か月未満の乳児が感染すると細気管支炎や肺炎等の重篤な症状を起こすことがあるため、乳児がいるご家庭や保育園などの集団生活では特に注意が必要です。
感染予防のため、日常的に乳児に接する方で咳等の症状がある場合はマスクを着用し可能な限り乳児との接触を避けましょう。
子どもたちが日常的に触れるドアノブ、手すり、おもちゃなどはこまめにアルコール又は塩素系の消毒剤等で消毒し、液体せっけんと流水による手洗いを励行しましょう。
乳幼児に激しい咳、痰が絡んだ咳や息苦しそうな様子がみられたら、早めに医療機関を受診してください。
【咳エチケット】
愛媛県 | 保健所 | ||||||||
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四国中央 | 西条 | 今治 | 松山市 | 中予 | 八幡浜 | 宇和島 | |||
定点当たり患者報告数 | 9週 | 2.56 | 2.33 | 3.67 | 5.20 | 1.90 | 1.75 | 2.75 | |
8週 | 1.81 | 1.00 | 3.00 | 2.60 | 2.00 | 1.50 | 1.25 | ||
7週 | 1.58 | 1.67 | 1.00 | 4.20 | 1.90 | 1.00 | 0.25 | 0.25 |
※報告がない場合は空欄となっています。
RSウイルスの感染によって発生する呼吸器感染症です。
発熱や鼻水、咳などの上気道炎症状が2、3日続いた後、肺炎症状を引き起こして重症化する場合があります。潜伏期間は4、5日であり、その後発症して1週間から10日程度症状が続きます。
生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の児がRSウイルスに少なくとも1度は感染し、その後再感染する場合もあります。新生児、乳幼児や免疫の弱った方が重症化しやすく、年長児や成人では重症化することはあまりありませんが、感染源となるので注意が必要です。
原因ウイルスが鼻やのどの分泌物に排出され、それらが付着した手指や物(ドアノブ、手すり、おもちゃなど)を介して感染する接触感染や、咳やくしゃみなどによる飛沫感染が中心です。
接触感染を防ぐため、外出後や食事の前など、液体せっけんを使用したこまめな手洗いを励行しましょう。年長児や成人は、感染しても症状が軽いため、知らないうちに乳幼児への感染源となっている場合があります。特に乳幼児がいるご家庭や、保育園などの集団生活では、手洗い、咳エチケットなどを励行してください。また、ドアノブ、手すり、おもちゃなど、手が触れる場所の消毒(アルコール消毒など)も有効です。