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JR四国のローカル線の維持・確保を求める意見書
第387回(令和6年2月)定例会
提出議案【議員提出の部】
JR四国のローカル線の維持・確保を求める意見書
主にJR各社が担う全国的な鉄道ネットワークは、国土強靱化や地方創生、国土の均衡ある発展等の観点から必要であり、鉄道事業法第1条にも「鉄道等の利用者の利益を保護するとともに、鉄道事業等の健全な発達を図り、もって公共の福祉を増進する」とあるように、全国で公平に安定して確保されるべきユニバーサルサービスの一つとしても重要な役割を担っていることから、国民にとって不可欠で重要な社会インフラとして、国において明確に位置付け、維持を図るべきである。
こうした中、JR四国等のローカル線については、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の改正により、国が再構築協議会を設置する制度が始まり、新たな支援制度が創設されるといった動きは見られるが、地方自治体の財政負担による路線の維持・確保には限界がある。また、JR各社の事業構造等を踏まえた全国的な鉄道ネットワークの方向性の議論がなく、大量輸送の観点のみで議論が進むことは、利用の少ない路線のみが存廃の対象となり、鉄道事業者から地方自治体への負担転嫁の流れが加速することとなる。
本県では、予土線、予讃線の海回り線の輸送密度が1,000人を下回り、「地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針」において、再構築協議会の対象として優先される区間とされているが、両路線とも四国の鉄道ネットワークの一部を担い、日常生活の移動や県内外からの誘客、災害発生時の輸送手段として極めて重要な路線であることから、国の交通政策の根幹として適切に維持されるべきである。
よって、国においては、JRローカル線の維持・確保を図るため、次の事項について特段の措置を講ずるよう強く要望する。
記
1 国鉄改革後の人口減少や金利低下等の情勢変化を踏まえ、まずは、国が進めた国鉄の分割民営化が地方に与えた影響や妥当性等を検証すること。
2 その上で、JR各社の経営状況、事業構造及び内部補助の考え方等を踏まえ、単なるローカル線の存廃ではなく、国の交通政策の根幹となる全国的な鉄道ネットワークのあり方について、国の責任で議論し、方向性を示すこと。
3 JR四国に対する経営支援策の更なる充実を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年3月19日
愛媛県議会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
国土交通大臣
内閣官房長官