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生涯を通じた国民皆歯科健診の実現を求める意見書
第385回(令和5年9月)定例会
提出議案【議員提出の部】
生涯を通じた国民皆歯科健診の実現を求める意見書
現在、わが国では法律で義務付けられた歯科健診として、母子保健法による1歳6か月児、3歳児に対する健診、学校保健安全法による小学校、中学校、高等学校の児童生徒に対する学校歯科健診が行われ、この年代のすべての国民が歯科健診を受診している。
一方で、成人期においては、健康増進法に基づく40、50、60、70歳の歯周疾患検診、高齢者医療確保法に基づく後期高齢者歯科健診が行われているが、その受診率は極めて低いものとなっている。また、事業所における歯科健診は、歯科特殊健康診断として有害業務に従事する労働者に限られている。
今日、多くの研究により、歯の本数と全身の健康状態、歯周病と全身疾患との関係等についての科学的な根拠が明らかになっている。人生100年時代を迎える中で健康寿命の延伸が喫緊の課題となっており、「8020運動」や「オーラルフレイル対策」の取組をさらに進めるなど、歯を含めた口腔内の健康維持が極めて重要である。
また、本県議会においても、平成22年6月に議員立法として「愛媛県歯と口腔の健康づくり推進条例」を制定し、歯と口腔の機能が全身の健康を保持増進するうえで重要な役割を果たしていることから、生涯を通じた歯の健康づくりを推進し、県民の健康の増進に取り組んでいるところであり、そのためには、ライフステージに応じた切れ目のない歯科健診の受診機会を確保する必要がある。
こうした中、令和4年6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022」において、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討を行うことが初めて盛り込まれた。
よって、本県議会は、国において国民皆歯科健診の実現に向けた具体的な検討を早期に進めるとともに、次の事項について特段の措置を講ずるよう強く要望する。
記
1 早期に国民皆歯科健診実現に向けた法改正を行うこと。
2 国民皆歯科健診の制度設計等に関する具体的な検討を進めるに当たっては、地方自治体をはじめ関係者の意見を十分に反映させるための必要な措置を講ずること。
3 国民皆歯科健診の実施に関しては、国において十分な財政措置を講ずること。
4 国民皆歯科健診の実現と合わせて、国民に対して歯と口腔の健康づくり及び歯科健診の重要性についての啓発や健診受診後の定期的な歯科受診の勧奨を行うなど、歯科疾患の発症や再発、重症化予防のための総合的な取組を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年10月4日
愛媛県議会
提出先
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
内閣官房長官