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森林・林業基本計画の推進並びに林野関係予算の確保及び拡充を求める意見書

ページID:0014126 更新日:2023年11月14日 印刷ページ表示

第381回(令和4年12月)定例会

提出議案【議員提出の部】

森林・林業基本計画の推進並びに林野関係予算の確保及び拡充を求める意見書

 我が国の森林は、国土の7割を占め、国土保全、水源のかん養、地球温暖化防止等多面的な機能を有しており、国民全体に様々な恩恵をもたらしているが、これらの機能を十全に果たすためには、間伐などの森林整備を着実に実施することが必要となっている。

 特に、近年、地球温暖化の影響により、局地的な豪雨や豪雪、大型台風等が発生し、全国各地で甚大な被害が頻発している中、森林整備の推進による国土強靭化を図ることが喫緊の課題であることや、「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けた森林整備や木材利用分野での施策の拡充を図るためにも、林野関連予算を確保及び拡充することが強く求められており、さらに、森林環境譲与税については、令和5年度税改正要望事項として、「森林吸収源対策を一層推進するための森林環境譲与税に係る所要の見直しの検討」が要望されたことも踏まえ、これまでの森林施策では対応できなかった奥地等の森林整備を着実に進展させるため、税の趣旨に基づく使途やその実態に応じた譲与基準への見直しを行うことも必要である。

 また、昨年来のいわゆるウッドショックによる影響に加え、今般の円安やロシアによるウクライナ侵略など、木材需給の不透明さが増している状況にある中、経済安全保障の観点からも、海外情勢の影響を受けにくい木材の需給構造を早急に構築することが必要となっている。

 森林整備を進めていくことは、国土保全などの森林の公益的機能の発揮のみならず、山村地域を中心とする雇用や所得の拡大による地方創生や経済安全保障にも大きく貢献するものである。

 よって、国においては、現下の厳しい経済情勢等を踏まえ、森林・林業基本計画のさらなる推進並びに林野関係予算の確保及び拡充を図るため、次の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。

 

  1. 森林・林業基本計画に掲げる施策の具体化を図るために必要な予算の確保、拡充に取り組むこと。
     特に、間伐や主伐後の再造林、林道等の路網整備や病虫獣害対策のほか、「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けた森林整備をはじめとする森林分野での施策や、災害から国民の生命及び財産を守るため、荒廃山地の復旧対策をはじめ、山腹崩壊・流木・土石流対策等の事前防災・減災に向けた治山分野での施策の拡充に取り組むこと。
     さらに、これらの対策を着実に実施するため、事業の円滑な発注及び施工体制の確保に向けて取り組むこと。
  2. 木材製品の供給力強化に向けた木材加工流通施設の整備などの生産基盤の整備のほか、製材やCLT等の木材利用の促進による国産材の需要拡大など、国産材の安定的かつ持続的な供給体制の強化のため、木材利用の拡大を図る木材産業の競争力強化や都市等の建築物における新たな木材需要の創出に向け、川上から川下までを通した総合的な対策を強力に推進すること。
  3. 伐採から再造林・保育に至る収支をプラス転換するとともに若者や女性、高齢者等にも働きやすく安全で魅力ある「新しい林業」の実現に向け、異分野の知見や技術、人材を活用しながら、新たな技術の導入による経営モデルの構築、エリートツリー等の生産拡大、ICT・レーザー計測等の活用による森林情報の精度向上・高度利用、遠隔操作・自動操作機械や木質新素材の開発・実証、さらには、地域一体となって林業活動にデジタル技術をフル活用する取組を支援するなど、林業のDX化を推進すること。
  4. 森林資源の循環利用確立のための主伐後の確実な再造林に向け、再造林に対する公的補助の拡充、苗木の安定供給体制の確立などに取り組むこと。
  5. 森林環境譲与税については、これまでの森林施策では対応できなかった奥地等の森林整備を着実に進展させるため、税の趣旨に基づく使途とすることや、譲与基準の見直しに取り組むこと。
  6. 森林経営管理制度による市町の森林整備を促進するため、市町の林業部門担当職員の確保・育成を図る仕組みを確立するとともに、森林整備施策等を担う林業事業体の新規立ち上げへの支援や育成、高等学校等における人材育成やデジタル技術を含む多様な技術の習得等に対する支援、林業労働者の確保や育成、就業条件改善に向けた対策の強化、林業労働者の所得の向上、労働安全対策の強化など、森林経営管理法や森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に係る附帯決議の具体化に向け、必要な対策に取り組むこと。
  7. 我が国全体が人口減少時代に突入する中、森林の管理や利活用が適切に実施されるよう、「関係人口」や「交流人口」の拡大に向けた森林空間利用等の創出、地域住民やNPO、自伐林家等の多様な主体による森林管理活動への支援、バイオマス資源の有効活用、特用林産物の生産振興支援等、山村振興対策の充実を図るとともに、山村振興法の基本理念、附帯決議に基づき、山村地域において雇用の拡大・改善を行う企業に対する支援措置等、具体的施策に取り組むこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年12月16日
 愛媛県議会
提出先
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣
 農林水産大臣
 国土交通大臣
 環境大臣
 内閣官房長官

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