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新たな過疎対策法の制定に関する意見書
第369回(令和2年6月)定例会
提出議案【議員提出の部】
新たな過疎対策法の制定に関する意見書
過疎対策については、昭和45年に「過疎地域対策緊急措置法」を制定して以来、4次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策事業が実施され、本県においても、県土の6割を占める過疎地域における生活環境の整備、産業の振興など一定の成果を上げたところである。
しかしながら、人口減少と少子高齢化は、特に過疎地域において顕著であり、本県においても、平成30年度に実施した集落実態調査結果によると、集落の平均高齢化率が48.6パーセントで5年間に6パーセント増加したほか、14集落が無人化するなど、地域の担い手不足や、集落機能の低下に加え、集落の維持そのものが困難となりつつあるほか、耕作放棄地の拡大、森林の荒廃、農林水産業をはじめとする地域産業の衰退、公共交通の廃止・縮小、情報通信格差、医師等の不足など極めて深刻な状況に直面している。
一方で、過疎地域は、都市部にはない豊かな自然や、それぞれが独自の歴史・文化を有し、都市に対する食料・水・エネルギーの供給、国土・自然環境の保全、いやしの場の提供、災害の防止、森林による地球温暖化の防止などに多大な貢献をしている。
過疎地域が果たしているこのような多面的・公益的機能は国民共有の財産であり、そこに暮らす住民によって長年にわたり支えられてきたものである。
現行の「過疎地域自立促進特別措置法」は令和3年3月末をもって失効することとなるが、過疎地域が有する機能を今後も維持していくためには、引き続き、過疎地域の活性化に向けた総合的かつ積極的な対策が必要である。
よって、国においては、次の事項について措置されるよう強く要望する。
記
- 新たな過疎対策法を制定すること。その際、現行法第33条に規定するいわゆる「みなし過疎」と「一部過疎」を含めた現行過疎地域を継続して指定対象とするとともに、過疎地域の指定要件及び指定単位については、過疎地域の特性を的確に反映したものとすること。
- 過疎地域における地域社会や住民の生活に必要なサービスを行うための財源を安定的に確保するため、過疎対策事業債及び各種支援制度の維持・拡充を図り、財政基盤を強化すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年7月7日
愛媛県議会
提出先
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
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