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北朝鮮のミサイル発射及び核実験に対し断固たる措置をとるとともに、国民の生命を守り、安全の確保を求める意見書
第352回(平成29年9月)定例会
提出議案【議員提出の部】
北朝鮮のミサイル発射及び核実験に対し断固たる措置をとるとともに、国民の生命を守り、安全の確保を求める意見書
去る8月29日午前5時58分ごろ、北朝鮮は、弾道ミサイルを発射した。発射された弾道ミサイルは、北海道上空を通過し、北海道襟裳岬の東約1,180キロメートルの太平洋上に落下したものと推定されている。
事前に予告もなく、航空機、船舶等の安全の確保もなされないまま発射されたことは、我が国の国土・国民に対するこれまでにない深刻かつ重大な脅威を与える蛮行であり、断じて許すことはできない。
また、こうした行為は、「弾道ミサイル技術を使ったすべての発射」を禁じた国連安全保障理事会決議第2371号の安保理決議に違反し、国際社会の平和と安全を著しく損なうものである。
この発射に加えて、北朝鮮は、今後も太平洋に向けた弾道ミサイル発射を続ける方針を表明している。このような、我が国上空通過を常態化させるかのごとき意思表示は、我が国の主権をないがしろにする侮辱的行為である。
さらに、9月3日には、国際社会の反対を顧みることなく、爆発規模が過去最大と見られる6回目の核実験を強行し、「国家核武力を完成させる目標の達成に向けた契機になる」として、核・ミサイル開発を放棄する意思がないことを国際社会に見せつけ、我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威が現実のものとなっている。
このように、他国の主権や国際社会の平和と安全を軽視し、手前勝手な愚挙を際限なく繰り返す北朝鮮に対し、本県議会は、厳重に抗議するものである。
これまでも、我が国及び国際社会は、北朝鮮に対し、再三にわたり、関連の国連安全保障理事会決議を完全に順守し、核実験や弾道ミサイルの発射等の挑発行為を行わないよう繰り返し要求してきた。
しかしながら、北朝鮮は、昨年、2度の核実験に加え20発を超えるミサイルを発射し、本年は、既に10回以上のミサイル発射を繰り返し強行した上で、今回のミサイル発射や核実験という暴挙に及んだものであり、こうした事態は、国土・国民の安全確保の観点から極めて深刻な問題で、国民の不安は増大する一方である。
よって、国においては、次の事項について万全の措置を講じるよう強く要望する。
記
- 北朝鮮に対して、国際社会との緊密な連携のもと、これまでの国連安全保障理事会決議に基づく制裁措置の完全なる履行はもとより、我が国として、断固たる厳しい措置をとるなど毅然とした態度で臨み、今後、このような暴挙が決して繰り返されることのないよう、早急な解決に向けた実効ある措置を講じること。
- 国民の生命と安全を守るため、関係省庁が一丸となって、ミサイル発射に関する情報の迅速な連絡体制を構築し、国民に対して的確な情報提供を行うこと。
- 万が一、被害が発生した場合には、速やかに対策を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成29年9月5日
愛媛県議会
提出先
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
外務大臣
防衛大臣
内閣官房長官