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農業委員会制度・組織改革への慎重な対応を求める意見書
第337回(平成26年6月)定例会
提出議案【議員提出の部】
農業委員会制度・組織改革への慎重な対応を求める意見書
政府は、6月24日に「日本再興戦略」及び「規制改革実施計画」を閣議決定し、「農林水産業・地域の活力創造プラン」の改訂を決定しました。
同プランには、規制改革会議等で検討が進められてきた農協、農業委員会、農業生産法人要件の3つの見直しが「農業の成長産業化に向けた改革」として盛り込まれております。その内容は、経済効率性に主眼が置かれ、必ずしも地方の農業・農村の実態を十分に把握されているとは言い難いものであります。
特に農業委員会の改革では、規制改革会議の第2次答申にも明記された選挙制度の廃止、県農業会議・全国農業会議所制度の見直し、意見の公表・行政庁への建議などの法律業務からの除外等が盛り込まれており、このことは、農業・農村の現場を熟知し、地域の信頼を得て日々活動に邁進する農業委員の中に大きな不安感が広がっているだけではなく、地域農業の維持・発展や、今後求められる農地の確保・集約、有効利用にも多大な影響を及ぼすことが懸念されます。
また、農業生産法人要件の見直しは、一般の株式会社の農地取得に途を開くもので、従来から懸念されている農地保全の観点から、地域に根ざして活動する認定農業者等の担い手の農業経営が維持されるよう十分な議論が必要であります。
よって、政府は真に農業者の所得が向上し、農業・農村が活性化されるよう次の事項について農業・農村現場の実態を踏まえて慎重に検討し、対応されるよう強く求めるものであります。
記
- 農業委員会制度・組織改革については、農業委員会の役割・機能が十全に発揮できるよう
(1)「公選制」と同様の仕組みによる地域の農業者の「代表制」の確保|
(2)「農業委員会等に関する法律」に基づく市町村農業委員会、都道府県農業会議、全国農業会議所の制度によるネットワークの強化
(3)現行法で法定化されている「意見の公表、行政庁への建議」等の機能の維持に留意すること。 - 農地制度については、平成21年度の農地法等の抜本改正並びに昨年成立した農地中間管理事業法を踏まえ、地域の貴重な資源である農地の秩序ある利用推進が図られるようにすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成26年7月9日
愛媛県議会
提出先
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
農林水産大臣
内閣官房長官
内閣府特命担当大臣(規制改革)