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森林・林業・木材産業の振興を求める意見書
第337回(平成26年6月)定例会
提出議案【議員提出の部】
森林・林業・木材産業の振興を求める意見書
森林は、国土の3分の2を占めており、林産物の供給はもとより、水源かん養、山地災害の防止等の多面的な機能の発揮を通じ、国民生活に恩恵をもたらすことから、その適正な管理を支える林業・木材産業の重要性が高まっている。
これまで、間伐による森林整備と県産材の利用促進を中心に対策を講じてきたが、間伐主体では県産材の生産量は伸び悩み、近年は横ばい傾向となっている。
一方、県内民有林の人工林資源の85%が標準伐期齢を超えるまでに成熟し、利用可能となっており、その有効活用が求められるとともに、県内の木材加工業の規模拡大や木質バイオマス利用の高まりにより、県産材の安定供給体制の整備が急務となっている。
このため本県では、県産材を増産することで関連産業の振興を図り、林業を成長産業につなげる「林業躍進プロジェクト」を平成26年度から開始し、主伐の計画的な導入を図り生産量の拡大を目指しているところである。
このプロジェクトでは、主伐後の植栽や下刈、獣害対策、担い手の確保・育成、原木流通形態の改善、CLT(直交集成板)等に対応した木材加工の高度化・販売促進など、様々な課題に取り組んでおり、これらの目標を達成するためには、再造林など森林所有者負担の軽減や、森林整備加速化・林業再生基金事業の拡充・強化による川上から川下に至る関連産業の振興を図ることが重要である。
よって、国においては、森林の有する多面的機能の発揮や、林業の持続的かつ健全な発展の必要性を踏まえ、森林・林業・木材産業の一層の振興を図るため、次の事項を実施するよう強く要望する。
記
- 森林の適正な保全と再生を図るため、再造林に係る国の補助率を引き上げ、植栽や下刈、獣害対策等の更新に関する森林所有者負担を軽減すること。
- 平成26年度で対策を終了する森林整備加速化・林業再生基金事業を拡充・強化するなど、新たな予算を措置し、林業・木材産業の体制整備を図ること。
- 木材の新規用途として期待されているCLT工法の一般化と普及を促進するため、基準強度制定や構造告示の新設、耐火性能の評価など建築基準法関連の法整備を早期に実現するとともに、木材利用ポイント制度の拡充・延長など、公共施設や民間住宅における木材利用を一層促進すること。
- 地球温暖化対策のための税の使途に森林吸収源対策を位置づけ、森林整備や木材利用の拡大等に必要な財源を確保すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成26年7月9日
愛媛県議会
提出先
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣
内閣官房長官