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森林整備加速化・林業再生事業の拡充延長を求める意見書
第323回(平成23年6月)定例会
提出議案【議員提出の部】
森林整備加速化・林業再生事業の拡充延長を求める意見書
我が国の森林は、戦後造成してきた人工林が利用期を迎えつつあり、この資源を活用して森林・林業の再生を図ることが、疲弊した地方の再生を図り、持続可能な循環型社会を構築する鍵と言える。
しかしながら、森林・林業・木材産業を取り巻く状況は依然厳しく、先人の方々の努力により築かれてきたこの森林は、木材価格の低迷等のため利用されず放置され、このままでは林業の再生が実現しないばかりか、森林の荒廃を招き、水源かん養、国土保全、地球温暖化防止等の森林の公益的機能の発揮に支障を及ぼすことが懸念される事態となっている。
このような中、平成21年度に創設された3年間の基金事業である「森林整備加速化・林業再生事業」を活用して、川上から川下に至る関係者が一体となって、意識改革や創意工夫を図りつつ森林・林業再生に向けた取組みを鋭意進めてきており、間伐推進と加工利用施設整備を一体的に進めることにより県産材の生産量や製品加工量が増加傾向となってきたところである。
今後さらに、このような取組みを定着させるためには、国が進める「森林・林業再生プラン」に基づき、川上から川下に至る関係者が連携して、施業の集約化、路網整備、機械化等による搬出間伐の推進、国産材の安定供給体制の構築、木材加工流通の構造改革、木材利用拡大を継続していくことが必要である。
また、震災を契機とした新たなエネルギー政策も模索されており、再生可能な資源である木質バイオマスのエネルギー利用を促進していくことが重要となっており、このためにも森林・林業の再生が必要となっている。
しかしながら、同事業は平成23年度で終了することとなっており、森林・林業の再生に向けた改革の途についたばかりの今、このまま事業が終了すれば、これまでの取組みが立ち消えとなることが危惧されている。
森林・林業の再生を図るためには、川上と川下の連携を図り、総合的に施策を展開していく必要があり、弾力的かつ機動的な取組みを可能とするこの基金事業は、今後とも不可欠な事業である。
よって、国においては、現下の経済情勢を踏まえ、次の事項について特段の措置を講じるよう強く要望する。
記
- 平成23年度補正予算の編成に当たって、基金事業である「森林整備加速化・林業再生事業」の拡充延長と、森林・林業の再生に必要な安定的な財源を確保すること。
以上地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年7月8日
愛媛県議会
提出先
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
農林水産大臣