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真の地域活性化に資する高速道路料金制度の確立を求める意見書
第323回(平成23年6月)定例会
提出議案【議員提出の部】
真の地域活性化に資する高速道路料金制度の確立を求める意見書
高速道路料金については、平成21年3月からの休日上限1,000円割引制度や平成22年6月からの高速道路無料化社会実験などが実施され、本県においても、観光面や物流面で大きな効果があったものの、高速道路と競合する内航フェリーの減便や廃止、鉄道やバス等公共交通機関利用者の大幅な減少などの弊害も生じたところである。
ところが、去る6月20日からは、東日本大震災の復興財源の捻出を目的として、休日上限1,000円割引制度が廃止、無料化社会実験が一時凍結され、また、本年2月に、国土交通省が発表した「高速道路の当面の新たな料金割引案」の実施も中止になった。
その結果、他の高速道路と比べ極めて割高で、四国への関所とも揶揄される本州四国連絡高速道路料金は是正されないまま、併せて、休日上限1,000円割引などの影響による各公共交通機関の疲弊が遺産として残ることになり、本県を含む四国においては、地域産業や観光に大きな打撃を受け、地域間格差が拡大することが懸念されている。
また、しまなみ海道(西瀬戸自動車道)は、沿線住民にとって、う回路のない生活道路であるが、代替交通機関である内航フェリーの減便・廃止が続いたこともあり、地元の不安は大きい。
今回の高速道路料金施策の大幅な変更は、被災地の復興のため、止むを得ないものがあるものの、単に制度を旧に復すのではなく、これまでの社会実験などの地域社会に与えた影響などを十分に検証し、地域間格差の解消に努めなければならない。
よって、国においては、以下の点に十分配慮し、地域間格差を解消して、真の地域活性化に資する高速道路料金制度の確立をするよう強く要望する。
記
- これまでの社会実験等の効果、弊害等十分に検証し、真の地域活性化に資する高速道路の料金体系を確立すること。 なお、その際は、フェリー、鉄道、バスなどの公共交通機関にも配慮した総合的な交通体系を構築し、適切な施策を構じること。
- 本州四国連絡高速道路については、出資金を追加しないことを前提に、他の高速道路と同様の料金制度とすること。 なお、しまなみ海道を生活道路として利用する沿線住民に対して、通行料金割引制度等の導入を行うこと。
- しまなみ海道原付・自転車道において、利便性向上とサイクリング振興による地域活性化を図るため、自転車等軽車両通行料金の無料化を実現すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年7月8日
愛媛県議会
提出先
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
国家戦略担当大臣