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清流肱川の正常な機能を維持するために必要な流量(正常流量)の確保を求める意見書
第317回(平成22年6月)定例会
提出議案【議員提出の部】
清流肱川の正常な機能を維持するために必要な流量(正常流量)の確保を求める意見書
現在の肱川水系河川整備計画は、肱川の安全・安心の確保と清流の復活を図る最適な手法として、流域全体の総意により選択をした計画であるが、山鳥坂ダムは、今後新たな評価軸に沿った検証の対象となるダムに区分され、事業が一時凍結された状況にある。
近年の肱川における流量を10年毎の平均で見ると、その年間流量は約12億トンと、観測の始まった昭和35年頃と現在も大きく変化していないが、平水流量は減少傾向にあり、昭和35年当時に比べ、約25パーセントの減となっている。この要因の一つに洪水と渇水が両極端に頻発していることが考えられ、平成21年には、梅雨時期の渇水という約40年ぶりの異常渇水が発生したところである。
肱川における安定した水は、古くから農業用水をはじめ、水道用水や工業用水の利水、豊かな河川環境から生まれるアユや鵜飼など流域住民にとって必要不可欠なものである。
よって、国におかれては、山鳥坂ダムの検証に当たっては、流域の特性や実情に配慮し、流域住民の声を聴くとともに、現在の河川整備計画に謳われた治水対策と合わせた正常流量の確保を図るよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年6月18日
愛媛県議会
<提出先>
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、国土交通大臣、国家戦略担当