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特集
平成17年版
特集 地球温暖化防止フェスティバル~みんなの地球を考えよう~
今日の大きな環境問題のひとつに「地球温暖化」があります。温暖化の原因の一つと考えられている二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するためには、京都議定書に基づき国際的な取組を展開していくほか、私たちも、ライフスタイルを見直し、身近なところからCO2を減らす工夫をしていかなければなりません。
そこで、平成17年10月22日(土曜日)・23日(日曜日)の2日間、県生涯学習センターとえひめエコ・ハウスを会場に「地球温暖化防止フェスティバル~みんなの地球を考えよう~」を開催し、こどもエコクラブの活動事例発表や記念講演、自治体・企業・NPO団体の取組事例展示などを通して温暖化防止について啓発を行いました。(主催:愛媛県地球温暖化防止活動促進センター・愛媛新聞社、共催:愛媛県・愛媛県教育委員会ほか)
こどもエコ劇場(愛媛県生涯学習センター)
オープニングセレモニー
松山少年少女合唱団の皆さんによる合唱「この地球のどこかで」に合わせて開幕しました。
続いて、立川涼フェスティバル実行委員長(愛媛県環境創造センター所長)が開会あいさつを行いました。
こどもエコクラブ活動事例発表
(1) イオン新居浜チアーズクラブ(新居浜市)
イオン新居浜チアーズクラブは、新居浜市内のいろいろな学校の友だちが集まって、月に一度、環境美化活動や現地での学習会などの環境活動を行っています。
この日は、地元の新居浜市を流れる国領川にすむ動植物などの自然環境について、発表しました。
(2) 堀江小学校エコクラブ(松山市)
堀江小学校エコクラブは、4年生全員がメンバーとなっています。総合的な学習の時間などを使って、環境について楽しく勉強をしています。この日は、1学期から続けてきた、学校の近くを流れる川に生息するホタルやいろいろな生物の観察結果について発表しました。
(3) 福中こどもエコクラブ(愛南町)
福中こどもエコクラブは、全校生徒がメンバーになっています。人数は34 人と少ないですが、一人一役をモットーにして活動しています。この日は、エコクラブが生徒会活動や総合的な学習の時間と連動しながら活動してきた内容について発表しました。
地球温暖化ミニミニ講座
~身近な地球温暖化対策 家庭でできる6つのアクション 10 の取り組み~
県環境政策課地球環境係長が講師となり、私たちの身近な生活の中で実行できる温暖化防止のためのアクションが紹介されました。(1)冷房は28℃に設定しよう、(2)蛇口はこまめにしめよう、(3)アイドリングをなくそう、(4)エコ製品を選んで買おう、(5)過剰包装を断ろう、(6)コンセントをこまめに抜こう、という6つのアクションとそれを実行するための10 の取組方法について、具体例による分かりやすい説明を行いました。
ごみを減らすアイデアコンテスト及び環境啓発ポスターコンクール表彰式
ごみを減らすアイデアコンテストは、子どもの頃からごみのことについてよく考え、周りの人と一緒にごみを減らす工夫をしてもらうために、今年はじめて県下の小学校4年生を対象にアイデアを募集しました(応募総数652点)。
また、環境啓発ポスターは、次代を担う小中高校生に環境への関心と環境保全についての理解と認識を深めてもらうために、実施したものです(応募総数370点)。
入賞者全員の作品を会場に展示するとともに、ごみを減らすアイデアコンテストの入賞者10 名と環境啓発ポスターコンクールの各部門金賞の3名に対して、ステージ上で表彰状が渡されました。
笑いの中で考える環境問題
環境漫才師 林家ライス・カレー子さんに、身近な環境問題をテーマに漫才を披露していただきました。お二人は、牛乳などの飲物や食物をそのまま捨てると魚が住めるようになるには膨大な量の水が必要になってしまい大きな環境への負荷になることや、昨年ノーベル平和賞を受賞したケニアのマータイ環境副大臣の「もったいない」の精神で食べ物や着る物など身の回りの物を大事に使えば、環境への負荷は今よりずっと小さくなることなどを紹介し、笑いの中で環境にやさしい生活の大切さを私たちに教えてくれました。
こども環境なんでも相談
会場の小・中学生から地球温暖化に関する質問を受け付け、ステージでは立川涼 愛媛県環境創造センター所長、室岡学県環境政策課地球環境係長、環境漫才師の林家ライス・カレー子さんから回答をいただきました。質問は、なぜペットボトルはキャップ、ラベル、本体の3つに分別してリサイクルに出さなければならないのでしょうか、といった身近な環境・リサイクルに関する疑問・質問が出され、それらに対して順番に分かりやすく回答をしていただきました。
記念講演 マンガで考える「環境問題とライフスタイル」
フェスティバル2日目の10 月23 日(日曜日)には、高月紘 石川県立大学教授・京都大学名誉教授から、「マンガで考える『環境問題とライフスタイル』」と題して記念講演をいただきました。
高月先生は、大学で教鞭を執る傍ら、京エコロジーセンター館長として京都市の環境活動・リサイクル問題に関わっておられるとともに、漫画家としても活動をされており、環境問題を題材にしたマンガも数多く発表されています。今回の講演の中でも、随所に先生のマンガが取り入れられ、環境問題のポイントや取組について、平易なマンガで分かりやすく説明していただきました。
企画・展示
10 月22 日、23 日の2日間にわたり、両会場において、環境問題やリサイクルに関するさまざまな企画や展示が行われました。
環境まんが展
記念講演をいただいた高月先生も所属する「地球環境を守る漫画家の会」の漫画家の皆さんの環境まんがが展示されました。会場には、高月先生を始め、石ノ森章太郎さん、里中満智子さん、ちばてつやさん、馬場のぼるさん、やなせたかしさんなど著名な漫画家の作品を数多く展示し、来場者の関心を集めていました。
植物によるCO2吸収実験装置の展示
愛知県で開催された「愛・地球博」で人気を集めた、植物によるCO2吸収実験装置が特別展示されました。
この装置は、透明な半球形のアクリル板の中にCO2を吸収する植物が置かれていて、植物に光を当てたり、アクリル板の外から人間が息を吹き込むと、普通では見ることができない、植物がCO2を吸収する様子が目に見えるというもので、来場者の人気を集めていました。
こどもエコクラブ壁新聞
こどもエコクラブは、環境省が応援する、小・中学生ならだれでも参加できる環境活動クラブです。県内でも、小・中学校併せて55クラブ、約1,400 人が参加しています。
フェスティバルでは、県内外のこどもエコクラブの皆さんが作った壁新聞が展示され、日頃の活動の成果が紹介されました。
山→川→海の展示と体験
山から川、海と私たちの生活とのつながりを擬似体験を通じて学びました。NPO 法人による山と川の展示では、愛リバーの取組みが写真で展示されました。
また、海の展示では、国土交通省四国地方整備局松山港湾空港工事事務所が船での海面清掃をラジコンで体験するコーナーを開設し、たくさんの子どもたちが、目を輝かせて挑戦しました。
新エネルギー(自然エネルギー)の体験
太陽光発電、太陽熱、風力発電、水力発電について模型を使っての説明を受けながら、子どもたち自身が動かしてみました。
バッテリーカーを改造した手作りのソーラーカーには、子どもたちが試乗して楽しみました。
エコ工作体験
使用済みのペットボトルで苗用のポットをつくり、えひめこどもの城で拾ったどんぐりを植える「どんぐりポットづくり」と、アルミシートを折り紙にして船体をつくり、アルミパイプ・ろうそくを使い蒸気の力で船を動かす「ポンポン蒸気船づくり」のエコ工作に、たくさんの子どもたちが参加しました。
このほか、今回のフェスティバルは、自治体や企業、NPO法人など総数56団体・個人に出展していただき、会場は終日賑わっていました。