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平成13年版
知事あいさつ
環境白書の刊行にあたって
21世紀が幕を開けましたが、さわやかな環境と安心で快適な生活を楽しめる「愛媛」を創造していくためには、その基盤となる豊かな環境を守り、次の世代へ引き継いでいくことが最も重要な課題の一つとなっています。
しかしながら、私たちはこれまで豊かさを求め、利便性や快適性を追求するあまり、環境への負荷を増大させてきました。その結果、今日の環境問題は、従来の産業型の公害問題から、私たちの日常生活に深く関わる生活排水による水質汚濁や大量に排出される廃棄物などによる都市・生活型の問題や、地球温暖化等の地球的規模の環境問題へと広がりを見せております。
このような問題を解決していくためには、私たち一人一人が豊かさについて再度考え直して、人と自然が共生し、限りある資源を有効活用するなど、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる「循環型社会」を構築していくことが重要になっております。
県におきましては、「共に創ろう誇れる愛媛」を基本理念に、環境先進県を目指す中で、「えひめ環境保全指針」や「愛媛県環境基本条例」、「えひめ循環型社会推進計画」に基づき、環境にやさしい愛媛づくりに懸命に取り組むとともに、環境創造センターの設立をはじめ、水質浄化技術や小型焼却炉ダイオキシン類簡易削減技術の試験研究、環境ビジネスの育成などの環境創造プロジェクトを推進しております。
また、「愛媛県地球温暖化防止実行計画」の策定、ダイオキシン類分析体制の整備や廃棄物の不法投棄の巡回監視を行うとともに、「県版レッドデータブック」の作成、並びに環境ISOの認証取得に向けた取り組みを開始するなど、環境施策を積極的に推進しております。
この白書は、本県が抱えている多種多様な環境問題について、平成12年度における現状と対策を取りまとめたものです。
本書が県民の皆様に広く活用され、環境問題や環境行政に対する理解と認識を深め、環境の保全と創造のための具体的な行動への一助となりますよう念願いたしますとともに、積極的な御意見、御提言を賜れば幸いに存じます。
平成13年12月
愛媛県知事 加戸 守行