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平成14年版

ページID:0007882 更新日:2018年3月26日 印刷ページ表示

平成14年版

概要版(平成14年版)

概要(あらまし)

本県における環境の状況は、公害防止対策や自然環境保全対策の推進により、全般的に良好な状況を保っている。これは、企業等による技術革新やその普及、国や県・市町村による規制、県民の環境保全活動への取組など、様々な人の努力によるものである。

しかし一方で、生活排水による水質汚濁や、廃棄物の排出量の増加など、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済行動を背景にした環境悪化や資源の枯渇問題が大きな課題となっている。

また、地球の温暖化、オゾン層の破壊等の地球的規模の環境問題の発生、さらに、ダイオキシン類、環境ホルモン等の有害化学物質による人の健康への影響がクローズアップされるなど、環境を取り巻く現状は、ますます複雑多様化している。

このような中、県においては、「愛媛県環境基本条例」や「えひめ環境保全指針」、「えひめ循環型社会推進計画」などに基づき、環境保全施策の総合的かつ計画的な推進を図っている。

平成13年度は、県内の循環型社会づくりのための廃棄物の適正処理体制の整備、リサイクルを進める環境ビジネスの育成支援や、「えひめエコランド構想」の策定、水質浄化技術や小型焼却炉ダイオキシン類簡易削減技術(えひめ方式)の開発、土壌中のダイオキシン類の分解技術の開発研究など環境先進県を目指して、環境創造プロジェクトを推進した。

また、県内の脱温暖化社会づくりを目指し「愛媛県地球温暖化防止指針」の策定、環境ISOの認証取得のための取組みをするとともに、自然と人間との共生を目指す「レッドデータブック」の作成、(財)愛媛の森林基金による、放置森林の公的管理による整備等を行う森林管理システムの構築など、環境にやさしい愛媛づくりに取組んだ。

1.環境先進県を目指して

(1) 愛媛県発のエコ技術の創造(新規)

環境創造のための先進的技術及び施策並びに微生物等の自然の浄化能力を活用した自然環境再生の検討・研究等を総合的かつ計画的に実施するため、平成12年4月に「愛媛県環境創造センター」を設立するとともに、「環境創造プロジェクトチーム」を設置し新たな施策展開に取組んでいる。

平成13年度は、微生物等を活用した水質浄化技術や小型焼却炉ダイオキシン類簡易削減技術(えひめ方式)の開発を行うとともに、土壌中のダイオキシン類の分解技術の開発を開始するなどの施策に取組んだ。

(2) 地球環境対策の推進

  • 【1】 愛媛県地球温暖化防止指針(新規)
    地球温暖化対策の推進に関する法律第4条において規定された「温室効果ガスの排出の抑制等のための施策の推進」という地方公共団体の責務に基づき、これを計画的に実施するため、平成14年3月に「愛媛県地球温暖化防止指針」を策定し、県民、事業者、行政の役割分担と連携をもとに、温室効果ガスの削減目標、各主体の役割と行動方針、目標達成に向けた主要施策などを規定し、地球温暖化対策を推進していくこととした。
  • 【2】 愛媛県地球温暖化防止実行計画
    県機関における地球温暖化対策を計画的、総合的に推進するため、「愛媛県環境保全率先行動計画」を地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく「温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する計画」として改訂し、すべての県機関を対象に、平成13年3月に「愛媛県地球温暖化防止実行計画」を策定した。
    この計画では、実施機関を各試験研究機関や県立病院、県立学校、警察署などすべての県機関に広げるとともに、温室効果ガスの削減目標を設定し、地球温暖化防止の観点から幅広い取組みを実施することとした。
  • 【3】 愛媛県地域新エネルギービジョン(新規)
    国において、地球温暖化防止対策やエネルギーの安定供給等に向けて、省エネルギーの推進や新エネルギーの導入など各般の施策を推進しており、このような中、本県においても、平成14年3月に、自然環境の保全とエネルギーの安定供給に寄与するため、県民・事業者・行政がそれぞれの立場で新エネルギーの積極的導入を図る際の指針として、新エネルギーの動向、導入効果や意義、2010年度の導入目標値などを示した「愛媛県地域新エネルギービジョン」を策定した。

(3) 資源循環型社会の構築

  • 【1】 えひめ循環型社会推進計画
    大量生産、大量消費、大量廃棄の社会経済システムを見直し、環境への負荷を軽減し、資源を有効に活用することにより、廃棄物の減量化とリサイクルを進める循環型社会の構築を図るため、平成12年3月に「えひめ循環型社会推進計画」を策定した。
    この計画では、循環型社会構築の課題を解決するための基本方針を、発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再資源化(リサイクル)、適正処理(プロパー・ディスポーザル)に置き、生産、流通、消費の各段階における3Rの認識と実践、発生した廃棄物に対する適正処理に重点を置いた循環型社会の形成に取り組むこととしている。
    計画の具体的な推進方策としては、当面5年間を循環型社会への移行期間とし、目標年次の平成16年度には、リサイクル率を、一般廃棄物では現状の 8.2%を18.4%に、産業廃棄物では26.1%を37.1%とする目標値を設定した。
  • 【2】 愛媛県廃棄物処理計画(新規)
    経済の発展や産業構造の変化に伴う生産・消費活動の拡大やライフスタイルの多様化により、近年の廃棄物処理は、排出量の高水準での推移、最終処分場の立地難、ダイオキシン類に代表される有害化学物質への不安、不法投棄の増大など様々な問題を抱えている。
    県においても、ごみ排出量の増大、適正な処理施設の確保難は深刻な問題となっており、総合的かつ計画的な施策の推進を図ることが求められている。
    このような状況のもとで、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律第5条の3第1項」の規定に基づき、「愛媛県廃棄物処理計画」を平成14年3月に策定した。
    なお、本計画の対象期間は、平成13年度から平成17年度までの5カ年間とし、平成17年度を計画目標年度としている。

(4) 瀬戸内海環境対策の推進

  • 【1】 瀬戸内海の環境の保全に関する愛媛県計画(見直し)
    瀬戸内海の環境保全に係る施策を、総合的かつ計画的に進めるため、国が策定した「瀬戸内海環境保全基本計画」に基づき、昭和56年7月、「瀬戸内海の環境の保全に関する愛媛県計画」を策定し、各種の施策を講じてきた。平成12年12月には国において基本計画の大幅な見直しが行われたことを受け、平成14年7月、愛媛県計画を改訂し、海砂利採取に当たっての環境保全に対する配慮、埋立てに当たっての環境保全に対する配慮等の施策を講じている。
  • 【2】 化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量に係る総量削減計画(見直し)
    昭和55年度から、瀬戸内海区域を対象に瀬戸内海に流入する生活排水、工場排水、畜産排水等すべてを対象に汚濁負荷量を一定以下に削減しようとする水質総量規制制度を導入しており、平成14年7月に平成16年度を目標とする第5次の化学的酸素要求量に係る総量削減計画を改訂するとともに、新たに窒素及びりんを規制対象に追加した。

(5) 県民参加型環境教育・学習の推進

今日の環境問題に対応するためには、県民一人一人が日常生活と環境との関係について理解と認識を深め、環境に配慮した責任ある行動をとることが不可欠と考えられる。

このため、県民が自主的に環境学習に取組む際の支援制度として「環境マイスター派遣制度」の創設、環境関連の実務者等により高度な知識を取得してもらうための「えひめ環境大学」の開催、県民総参加による「クリーン愛媛運動」の展開、環境保全意識の高揚を図るため一般県民を対象にした「環境の世紀を拓く-循環型ゼロエミッション社会への出発-」フェア、「国際地球市民シンポジウム」の開催、また、小・中学生を対象にした「自然観察会」や「環境月間ポスターコンクール」、高等学校における「高等学校環境教育推進事業」の実施など、家庭、学校、地域など多様な場で、それぞれの年齢階層に応じた環境教育・環境学習を推進し、学習機会の拡充、多様な環境情報の収集と提供、環境保全意識の高揚に努めている。

2.生活環境の保全

(1) 大気環境

人の健康を保護する上で維持することが望ましい基準として、環境基本法等に基づき、二酸化硫黄、一酸化炭素、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、光化学オキシダント、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン及びダイオキシン類の10物質について環境基準が定められている。

平成13年度の大気常時測定局における測定結果は、二酸化硫黄、一酸化炭素及び二酸化窒素については、前年度に引き続き、すべての測定局で環境基準を達成している。しかし、浮遊粒子状物質については、33測定局中11局で2日連続して環境基準値を超えた時期があり、環境基準達成率は67%である。光化学オキシダントについては、前年度と同様、すべての測定局で環境基準値を超えた時間があったが、光化学スモッグ注意報の発令は1日もなかった。

また、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン及びダイオキシン類については、前年度に引き続いて、すべての地点で環境基準を達成している。

(2) 水環境

水に係る環境基準は、環境基本法等に基づき、人の健康の保護に関する項目(健康項目)と生活環境の保全に関する項目(生活環境項目)について定められている。健康項目に関する環境基準は、すべての公共用水域に一律に適用され、かつ、直ちに達成・維持されるよう努めるものとされている。一方、生活環境項目に関する環境基準は、公共用水域について利水目的に応じて水域類型が指定され、それぞれの水域類型ごとに基準値及び達成期間が設定されている。

平成13年度の公共用水域の測定結果は、健康項目(26項目)については、前年度に引き続いて河川(35地点)、湖沼(2地点)及び海域(32地点)のすべての地点で環境基準を達成している。生活環境項目については、代表的な水質指標であるBOD(河川に適用)及びCOD(湖沼及び海域に適用)について、県内の54水域のうち42水域で環境基準を達成(達成率78%:前年度89%)している。全窒素及び全燐は、全ての海域で環境基準を達成した。(前年度:全窒素・全燐ともに100%)。

平成13年度の地下水の水質測定結果については、定期モニタリング地点61地点のうち、テトラクロロエチレン5地点、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素10地点、ふっ素1地点で環境基準を超過していた。

また、概況調査においては、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が11地点、ふっ素が2地点、砒素・ほう素が各1地点で環境基準を超過していた。

平成13年度のゴルフ場からの排出水中農薬の検査結果は、前年度に引き続いて環境省の暫定指針値を超過したものはない。

平成14年度の県内の主な水浴場(28箇所)の水質調査結果は、シーズン前、シーズン中ともにすべての海水浴場が遊泳可能であった。

(3) 騒音

騒音に係る環境基準は、環境基本法に基づき、一般居住環境騒音、自動車騒音及び航空機騒音等について、都市計画法に基づく用途地域の指定などの地域の土地利用状況に応じて地域の類型が指定され、時間帯によって区分されている。本県では、12市6町について、環境基準の類型指定が行われている。

平成13年度の騒音調査結果は、一般地域については、59地点のうち42地点で昼夜間ともに環境基準を達成している(達成率71%)(前年度:達成率60%)。自動車騒音(道路に面する地域)については、環境基準の達成状況の評価が従来の測定点における騒音レベルによる「点的評価」から、道路沿道の住居等における騒音レベルを推計する「面的評価」に変更された。このため、平成13年度は県内の道路交通センサス区間のうち40区間で「面的評価」を実施した。このうち、昼夜間ともに環境基準を100%達成したのは24区間であり、また、住家等の全戸数7,517戸のうち、7,153戸が環境基準を達成している(達成率95%)。「点的評価」では、41地点のうち20地点が昼夜ともに環境基準値を満足している(達成率49%)。

また、松山空港周辺の航空機騒音の調査結果は、前年度に引き続きすべての地点(4地点)において、すべての時間帯で環境基準を達成している。

(4) 振動

振動については、環境基準の定めはないが、振動規制法により、工場・事業場及び建設作業による振動に対して規制が行われている。本県では、10市5町について規制地域の指定、規制基準や道路管理者等への要請限度の設定を行うとともに、各市町が道路交通振動の調査を実施している。

平成13年度の道路交通振動の調査結果は、前年度に引き続いてすべての地点(23地点)で要請限度を達成している。

(5) 悪臭

悪臭については、悪臭防止法により、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素などの22物質を特定悪臭物質として、工場・事業場から発生するにおいに対して規制が行われている。本県では、悪臭が発生するおそれのある工場が立地している6市2町について規制地域の指定や規制基準の設定を行い、悪臭の発生が予想される主要な事業場等に対し、各市町が立入検査を実施している。

平成13年度は、松山市を除く10事業場について107件の悪臭物質の測定が行われたが、2事業場(前年度0)で基準値を超過していた。

(6) 土壌環境

土壌の汚染に係る環境基準は、カドミウム、ジクロロメタン、ダイオキシン類など28物質が設定されており、県では、事業者、土地所有者等に対して、設備増設等に伴う土地改変の機会をとらえて汚染状況の的確な把握と適切な対策の実施を指導している。

農用地の土壌汚染については、農用地を対象に72地点の定点を設置し、毎年18地点でカドミウム、銅、ひ素の特定有害物質及び管理基準が定められている亜鉛の濃度を測定している。

平成13年度の調査結果は、カドミウム、銅、ひ素、亜鉛ともに基準値以下であった。

(7) 環境放射能

原子力発電所の設置、運転に伴う放射性物質の放出規制は、原子炉等規制法で定められており、更に指針により施設周辺の公衆の受ける線量目標値を、実効線量として年間0.05mSv以下とするよう定められ、設計、運転管理されている。

本県では、伊方発電所周辺にモニタリングステーション等を設置し、環境放射線のテレメータによる常時監視を行ってきたが、平成13年度からは、東海村ウラン加工施設臨界事故及び環境放射線モニタリング指針の改訂を踏まえ、モニタリングポスト5局の増設等により放射線監視体制を強化している。平成13年度の環境放射線等調査結果は、県モニタリングステーション1か所及び県モニタリングポスト7か所における空間放射線の線量率の1時間平均値が9~54nGy(ナノク゛レイ)/時、30地点の積算線量(TLD)が年間336~566μGy(マイクロク゛レイ)、土壌、農水産物等の環境試料中の放射能レベルについても、これまでの測定値と同程度で、発電所からの影響は認められなかった。

また、放射性物質の放出管理状況に基づく線量の評価結果は、年間0.029μSv(マイクロシーヘ゛ルト)であり、安全協定の努力目標値7μSvを下回っていた。

なお、監視用の機器については、計画的に最新の機器に更新するとともに、平成13年度には、シミュレーション式ガンマ線分析システム及びエヌ・エー・アイシンチレーションスペクトロメータの新規整備により、緊急時のモニタリング強化を図るとともに、放射能測定機器等の更新整備を行った。

(8) 有害化学物質

  • 【1】 ダイオキシン問題
    ダイオキシン類は、燃焼過程や化学物質の合成過程で意図せずに生成される化学物質であり、極めて強い毒性があり、分解されにくいため、微量の排出によって、大きな影響を及ぼす恐れがある。このため平成11年7月にダイオキシン類対策特別措置法が公布され、耐容1日摂取量(ヒトが一生涯にわたり摂取しても健康に対する有害な影響が現れないと判断される1日あたりの摂取量)、大気、水質、土壌の環境基準や、施設からの排出規制基準などが定められた。また、平成14年9月から、底質の環境基準が新たに適用された(150pg-TEQ/g)。
    県では、愛媛県立衛生環境研究所に測定施設を整備し、ダイオキシン類の検査・監視体制の充実を図るとともに、小型焼却炉ダイオキシン類簡易削減技術を開発し、「えひめ方式」として普及促進を図っている。また、土壌中のダイオキシン類の分解技術についても開発研究を行っている。
    平成13年度のダイオキシン類の調査結果は、大気については、伊予三島市、新居浜市、今治市、八幡浜市、宇和島市、小松町で調査を実施したが、いずれの地点も環境基準を達成していた。水質及び底質については、金生川等、河川等6地点及び伊予三島・川之江海域等10地点で調査を実施したが、いずれも環境基準を達成していた。地下水については、20市町村で調査したが、すべて環境基準を達成していた。土壌については今治市等33市町村39地点で調査を実施したが、いずれの地点も環境基準を達成していた。
    また、廃棄物焼却炉等の特定施設の設置者は、ダイオキシン類対策特別措置法に基づき、排出ガス、排出水等のダイオキシン類を年1回測定し、知事へ報告することとされているが、平成13年度は、すべての施設において、排出基準内であった。
  • 【2】 環境ホルモン問題
    外因性内分泌撹乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)は、その働きや健康への影響について、科学的に未解明な点が多く、その対策が緊急の課題となっていることから、国では、平成10年度から関係省庁が一体となり、人や生物への影響調査、全国の河川や海域での実態把握等に取組んでいる。
    平成13年度は、環境省と国土交通省において、河川、海域、地下水、底質の調査が実施された。その結果、環境省の調査において、水質から2,4-ジクロロフェノール等の4物質が、底質から有機スズ化合物等の7物質が、国土交通省の調査において、ビスフェノールA等の3物質が検出されている。
    これらの物質は、内分泌撹乱作用の有無やその程度が明らかになっておらず、環境上の基準も定められていないことから、健康への影響等環境保全上の評価を行うには、今後、更に科学的知見の集積に努めていく必要があり、県としても国の調査に協力して実態把握に努めることとしている。

(9) 地球環境問題

近年、人類の生存基盤を脅かす問題として地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨などの地球的規模の環境問題が生じている。この地球環境問題は、従来の地域的、国内的な取組みだけでは対応が困難な問題であり、国際的な取組みが必要とされるものである。

県では、地球温暖化については平成8年3月に「愛媛県地球温暖化対策地域推進計画」、平成13年3月には「愛媛県地球温暖化防止実行計画」の策定を行うとともに、平成14年3月には「愛媛県地球温暖化防止指針」を策定し、平成22年(2010年)において県内の温室効果ガス排出量を平成2年(1990年)比で概ね6.0%削減する目標を掲げ、県民や事業者、市町村などの理解と協力を得ながら、着実に地球温暖化対策を推進していくこととしている。

また、オゾン層保護対策については、平成13年12月から施行された「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収破壊法)」に基づき、家電製品、業務用冷凍空調機器、カーエアコンの関係事業者に対するフロン回収・破壊の必要性の普及啓発に努めるとともに、第一種特定製品(業務用冷凍空調機器)及び第二種特定製品(カーエアコン)に係るフロン類回収業者等の登録等、法の適正施行に努め、フロン類の回収促進に努めている。

さらに、酸性雨については、平成2年から本格的に調査を開始し、実態把握に努めている。

(10) 公害の苦情処理

本県の13年度における公害苦情受理件数は、948件であり、前年度(809件)に比べて139件(17%)増加した。

公害の種類別では、大気汚染が421件(44.4%)と最も多く、次いで騒音が126件(13.3%)、悪臭が117件(12.3%)、水質汚濁が103件(10.9%)、振動が10件(1.1%)、土壌汚染が1件(0.1%)となっており、典型7公害以外の公害(廃棄物不法投棄、害虫発生、動物の死骸放置、ふん・尿など)が170件(17.9%)となっている。
これを、前年度と比較すると、大気汚染が93件、騒音が24件、水質汚濁が16件増加しており、悪臭は37件減少している。

3.廃棄物の適正な処理・資源循環型社会の推進

(1) 一般廃棄物

本県のごみ・し尿処理施設整備状況は、平成13年度末時点では、ごみ焼却施設34施設( 2,052トン/日)、リサイクルプラザ・センター5施設(98トン/日)、し尿処理施設24施設( 1,591kl/日)、コミュニティ・プラント11施設が整備されている。

平成13年度のごみの年間総排出量は、約64.6万トン(前年度約64.8万トン)で、そのうち71.8%が焼却処理(前年度71.8%)、 9.0%が埋立処分(前年度 7.6%)されている。また、資源化量は約 6.8万トン(前年度約 6.9万トン)で、これに集団回収量を加えたリサイクル率は13.1%(前年度12.9%)となっている。

平成13年度の一般廃棄物焼却施設のダイオキシン類濃度測定結果は、市町村のごみ焼却施設からのダイオキシン類排出濃度は、0.00~34ng/N立方メートル、平均値 4.84ng/N立方メートル(前年度 5.44ng/N立方メートル)であり、平成8年度に比べると約4分の1になっている。民間設置のごみ焼却施設からのダイオキシン類排出濃度は、0.12~6.7ng/N立方メートル、平均値1.99ng/N立方メートルであり、緊急削減対策を必要とする施設(80ng/N立方メートル超)はない。

(2) 産業廃棄物

県内における産業廃棄物は、年間約 970万トンの大量かつ多様な性状のものが排出されており、これらの適正処理を徹底し、不法投棄等の不適正処理に起因する水質汚濁、大気汚染、土壌汚染、悪臭といった二次公害を防止し、生活環境の保全を図る必要がある。本県では、県内における産業廃棄物処理の実態や将来予測、県の講ずべき施策など、本県の産業廃棄物処理の基本的方向を示す第4次愛媛県産業廃棄物処理計画に基づき、県民一体となった適正処理の推進に努めている。特に年間 1,000トン以上の多量排出事業者に対しては、産業廃棄物処理計画の作成を指示し、適正処理の確保や資源化・減量化を推進するなどして、資源化率、減量化率の向上に努めている。

(3) ごみの減量化及びリサイクルの推進

一般廃棄物の容積比で6割を占める容器包装廃棄物の排出抑制、分別収集と再商品化の促進を図るため、市町村では、計画に基づいて容器包装廃棄物の分別収集に取り組んでいる。

平成13年度におけるびん、缶、ペットボトルなどの分別収集の状況は、計画量33,600トンに対し、収集量33,800トン、約101%の達成率となっている。

(4) 資源循環優良モデル認定制度(新規)

県内で生産される優良なリサイクル製品5製品、廃棄物の発生抑制や再資源化等に積極的に取組み、環境面や経済面で大きな成果をあげている6事業所やリサイクル製品の需要拡大を実践している4店舗等を選定・認定し、広く普及啓発をする「資源循環優良モデル認定制度」を創設するとともに、認定一覧のパンフレットを作成し、市町村等へ配布した。

(5) エコタウン構想の策定(新規)

民間の自主的な取り組みとして(社)愛媛県産業廃棄物協会が取りまとめたリサイクル事業団地構想の調査結果を踏まえ、国のエコタウン事業の導入により一層の具体化を図るため、愛媛県エコタウン構想検討委員会を設置し【1】ゼロ・エミッションを目指した地域循環システムの構築、【2】新技術・新システムを用いた全国のモデルとなるリサイクル、【3】雇用の創出、地域活性化への貢献を基本コンセプトに「えひめエコランド構想」を策定した。

4.自然と人とが共生する環境の保全と創造

本県は、温暖な気候に恵まれ、多島美を誇る瀬戸内海や、西日本最高峰の石鎚山、リアス式海岸の宇和海などの優れた自然景観や豊富な動植物に恵まれている。これらの貴重な自然を保護し、適正な利用を図るために、国立公園2、国定公園1、県立自然公園7の計10か所の自然公園、自然環境保全地域3、自然海浜保全地区23、鳥獣保護区58を指定(設定)し、環境省、市町村及び愛媛県自然保護協会並びに自然保護指導員及び鳥獣保護員等と一体となって、自然環境や生態系の保全等に努めている。

平成11年度からは、4か年計画で、県内の自然生態系を保全し、野生動植物の多様性を確保していくため、絶滅の恐れのある県内野生動植物をリストアップし、その希少性の評価、生息・分布状況を明らかにする「県版レッドデータブック」を作成している。

また、自然保護思想の普及啓発を図るため、県民参加のもと「えひめ自然に親しむ集い」や「親子愛鳥教室」等を実施した。

さらに、森林を適正に管理し、森林の持つ公益的機能を高度かつ持続的に発揮させることを目的に、核となる(財)愛媛の森林基金の森林整備法人認定等執行体制の整備等を行い、新たな森林管理システムの構築を図った。

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