本文
(平成23年12月26日更新)
手足口病、ヘルパンギーナの流行は終息しました。咽頭結膜熱(プール熱)は大きな流行もなく、低い発生レベルのまま推移しました。
今シーズンは全国的に大流行し、県内でも過去20年で最大の流行規模となりました。例年、4月から9月にかけて、流行地域を移動しながら3~4カ月間流行しますが、今シーズンは6月、7月の2ヶ月間で県内全域がほぼ同時に流行し、大きな流行となりました。7月上旬の第27週に定点当たり31.0人と流行のピークを迎え、昨年のピーク時(第20週 10.2人)の約3倍に達しました。8月に一旦減少しましたが、9月以降は中予、八幡浜地区、宇和島地区、四国中央地区と地域が入れ替わりながら流行し、12月までだらだらと患者発生が続きました。
第1週から第50週までの保健所別の定点当たり累積報告数は、宇和島地区228.3人、松山市208.6人、松山地区203.3人、八幡浜地区198.8人、四国中央地区194人、西条地区145.8人、今治地区140.8人となり、中南予で大きな流行となりました。
手足口病と診断された患者から検出された病原体は、5月から7月はコクサッキーウイルスA6型(CA6)が10件、8月から10月はCA16が5件検出されており、6月から7月にかけての大流行時の主な病因はCA6でしたが、8月以降はCA16に代わり流行が続いたと考えられます。医療機関からの情報では、7月までは典型的な手足口病の症状と比べて発疹や口内炎がひどく、高熱が出る例が多かったものの、8月以降は症状が軽くなり、通常の手足口病の症状を示す例に変わってきた、とのコメントが多く寄せられました。
手足口病は、通常CA16、エンテロウイルス71型(EV71)、CA10などのエンテロウイルスが主原因となり、これらのウイルスが毎年入れ替わりながら流行します。CA6は、通常ヘルパンギーナの起因病原体として知られており、手足口病患者から検出されることもありますが、今年のように手足口病の主原因となることは初めてです。
今シーズンは6月から7月にかけての第1ピークと、9月を中心とした第2ピークの2回流行ピークがみられ、例年より流行時期が長く続きました。
県全体では、第27週(7月上旬)に定点当たり5.5人と流行のピークに達しました。また、第1週から第50週までの保健所別の定点当たり累積報告数は、松山市73.2人、今治地区57人、松山地区39.3人、八幡浜地区38.5人、宇和島地区34.5人、四国中央地区32.3人、西条地区31.5人となりました。宇和島地区では第2ピークにあたる増加はみられませんでしたが、他の地区では第1、第2ピークともに報告数が増加し、県内全域がほぼ同様の推移を示しました。
今シーズンは、県内各地で散発的な発生が続き、大きな流行は発生しませんでした。
県全体では、第30週(7月下旬)に定点当たり0.9人と最高値となりましたが、発生レベルの低い状態で推移しました。また、第1週から第50週までの保健所別の定点当たり累積報告数は、松山市32.4人、今治地区20.4人、松山地区16.8人、西条地区9.3人、八幡浜地区9.3人ですが、四国中央地区3人、宇和島地区1.8人は少数例の発生にとどまりました。