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外来生物の調査
アライグマやセアカゴケグモなど、県内での被害又は生息域の拡大が懸念されている外来生物の生息状況調査や、市町等が実施する防除支援を行います。
- 愛媛県生物多様性センターの外来種対応状況(2017年度)[PDFファイル/298KB]
- 愛媛県生物多様性センターの外来種対応状況(2018年度)[PDFファイル/260KB]
- 愛媛県生物多様性センターの外来種対応状況(2019年度)[PDFファイル/377KB]
- 愛媛県生物多様性センターの外来種対応状況(2020年度)[PDFファイル/257KB]
改訂版「えひめの外来生物」完成しました!
生物多様性センターでは、愛媛県で侵入を警戒している、または問題となっている特定外来生物(下記参照)を中心に取りまとめたパンフレットを作成しました。参考にしてください。
移転に伴い、パンフレットに記載している住所が変更になっています。メールアドレスは変更ありません。
現在の住所 〒791-0211 愛媛県東温市見奈良1545番地4 電話089-948-9678 Fax089-948-9677
- 表紙[PDFファイル/1.94MB]
- 外来生物について[PDFファイル/2.19MB]
- 愛媛県の特定外来生物[PDFファイル/2.02MB]
- アライグマ[PDFファイル/2.18MB]
- ヒアリ・アカカミアリ[PDFファイル/1.69MB]
- セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモ[PDFファイル/1.81MB]
- 外来カメ類[PDFファイル/1.77MB]
- みんなが出来ること[PDFファイル/1.68MB]

外来生物とは?
外来生物とは、元々生息していなかった地域から人間によって持ち込まれた生き物です。愛玩や食用目的で海外から持ち込まれたものに加えて、船舶等に付着して非意図的に持ち込まれた生き物も含まれます。日本国内に元々生息していた生き物であっても、異なる地域に生息している生き物は遺伝的に異なるものも多く、地域固有種となっています。元の生息地以外に持ち込まれた生き物も外来生物です。愛媛県では、「愛媛県野生動植物の多様性の保全に関する条例」に基づき、外来生物のうち、下記の特定外来生物を除く種で、愛媛県において野生動植物の生息又は生育に著しい影響を及ぼし、又は及ぼす恐れのある種を侵略的外来生物として公開しています(愛媛県野生動植物の多様性の保全に関する条例に基づく侵略的外来生物の公表について)。
※日本には外来生物が2,000種以上生息しているといわれていますが、農作物や家畜、ペットのように人の役に立っている外来種も多く、全てが問題になっているわけではありません。
特定外来生物とは?
外来生物のうち、海外から持ち込まれ、日本の生態系などに悪影響を与えたり、または影響を与える可能性が高い種について「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」によって特定外来生物に指定しています。
【外来生物法における特定外来生物の扱いで原則禁止されている事】
〇飼育・栽培すること 〇保管・運搬すること 〇輸入・販売・譲渡すること 〇野外に放つこと
特定外来生物「ナガエツルノゲイトウ」の調査について
ナガエツルノゲイトウは、南米原産の多年草で主に水辺生育する抽水~湿生植物です。再生力が強く、刈払い機等での機械除草の断片からも拡散して増殖します。駆除が困難なことから世界各地で問題となっており、国内の生態系に影響を与える可能性が高いことから、特定外来生物に指定されています 。令和5年12月に環境調査会社、令和6年1月に県内植物研究者から本種にかかる情報提供を受けて、生物多様性センターが現地調査した結果、今治市猿子川流域、西条市新川流域で定着が確認されました。
- ナガエツルノゲイトウ注意喚起資料(生物多様性センター作成) [PDFファイル/826KB]
- ナガエツルノゲイトウ駆除マニュアル(農林水産省、環境省、農業・食品産業技術総合研究機構) [PDFファイル/2.8MB]
ナガエツルノゲイトウの特徴
- 対生の葉
- 種子はつけない。
- 水草だが、陸域でも生育可能。
- 白い直径1月2日cm程度の丸い花
- 水上にある茎は容易に千切れて、繁殖可能。
ナガエツルノゲイトウ対策
1.監視体制
ナガエツルノゲイトウが確認されたら、同じ水系の上流に位置するため池や、用水路、河川に生育場所がある可能性があります。市町を横断した流域単位での対策が必要になる場合もあります。
2.抜き取り等による駆除(河川、水路等)
- 生育初期の対策が効果的です。
- 県内の河川環境の多くが水量の増減が激しく流速も早めです。地上部の生育と比較して根域が発達している場合も多いため注意が必要です。
- 刈払い機等での駆除は、発生源となる残渣の回収が困難で、拡散を助長することから行わないで下さい。
- 抜き取り時に容易に茎が千切れることから、ネット等で回収して下流域への拡散を防止します。
- 抜き取った植物体は周囲に拡散しないように処理します。
- 駆除に用いた道具や機械類は洗浄し、発生源とならないようにしましょう。
3.除草剤による防除(農耕地に限る)
- 水田内、畦畔で本種に登録のある除草剤を使用します。
特定外来生物「ヒアリ」の調査について
ヒアリ(Solenopsis invicta)は、特定外来生物に指定された南米原産のアリです。平成29年7月10日に三島川之江港、松山港、新居浜港、今治港の県内4か所の港湾において、ベイトトラップ(誘引わな)を用いた侵入確認調査を関係機関が連携して実施しました。平成30年からは、三島川之江港、松山港、今治港は環境省がモニタリング調査を実施しており、生物多様性センターは新居浜市と合同で新居浜港のモニタリング調査を2回/年の頻度で実施しています。
四国中央市と新居浜市、松山市におけるアカカミアリの確認について
平成29年7月26日に四国中央市、平成30年6月2日と令和2年7月16日に新居浜市、令和2年7月16日に松山市において、特定外来生物アカカミアリが確認されました。アカカミアリは、ヒアリと同じくトフシアリ属のアリです。ヒアリに比べると毒は弱いですが、刺されると非常に激しい痛みを覚え、水疱(すいほう)状に腫れます。アカカミアリ発見後に実施したトラップ調査や目視調査においても分散個体は確認されていません。当該地域周辺に定着し繁殖している可能性は低いと考えられますが、念のためよく似たアリがいた場合は素手で触らないようにして下さい。アカカミアリは硫黄島に定着、その他沖縄県等で確認記録がありますが、本州・四国での確認は平成29年以降です。


アカカミアリ(愛媛県生物多様性センター撮影)
ヒアリやアカカミアリの生態
ヒアリは、赤茶色の小型のアリで、体長は2.5ミリから6.0ミリと大きさにバラつきがあり、農耕地や公園など開放的な草地・裸地に土で直径25~60センチ、高さ15~50センチのアリ塚(巣)を作ります。南米中部原産のアリですが、現在では中国をはじめ環太平洋諸国に定着しており、一度定着すると根絶が困難なことから、早期発見、早期駆除が重要です。
アカカミアリはアメリカ合衆国南部~中米原産のアリで、ヒアリと外見上は類似していますが、大型の働きアリは頭部が肥大することが特徴です。ヒアリと比べると毒は弱いと言われていますが、ヒアリ同様アルカロイド系の毒で刺されると激しい痛みを伴います。
ヒアリやアカカミアリの見分け方
ヒアリやアカカミアリかどうかは、専門家が顕微鏡を使って観察しなければ判断できませんが、ヒアリやアカカミアリの疑い種については、以下の特徴を観察することによって大まかに判断できます。
(1)肉眼での観察
- 赤茶色のアリで体表にツヤがある。
- 働きアリの大きさが2.5mm~6.0mmといろいろな大きさのアリが混在する。
- 胸部にトゲが無く、華奢な体型
- 働きアリに頭部が肥大した個体が混在する(アカカミアリ)。
(2)顕微鏡での観察
- 触角は10節でこん棒部分は2節(写真1)
- 腹柄節は2節(写真2)
- 後胸にトゲが無い(写真2)


参考となる資料
よく目にする在来アリとヒアリの肉眼でわかる違い[PDFファイル/53KB](兵庫県立人と自然の博物館 橋本佳明主任研究員提供)
ヒアリやアカカミアリと間違えやすいアリの見分け方1[PDFファイル/79KB](兵庫県立人と自然の博物館 橋本佳明主任研究員提供)
ヒアリやアカカミアリと間違えやすいアリの見分け方2[PDFファイル/73KB](兵庫県立人と自然の博物館 橋本佳明主任研究員提供)
もし、ヒアリやアカカミアリを見つけたら?
- 生きた個体を素手で触らないで下さい。
- 市販のアリ用殺虫剤で駆除が可能です。
熱湯を直接かけるのも有効ですが、火傷に注意して下さい。 - 万が一、ヒアリと疑われるような個体を見つけた場合は、速やかに発見した場所の市役所、町役場
または、愛媛県生物多様性センター(Tel089-948-9678)にご連絡下さい。
もし、ヒアリやアカカミアリに刺されたら?
ヒアリやアカカミアリの毒に対する反応は人によって大きく異なります。刺された直後20~30分程度は安静にして、体調に変化がないか注意しましょう。なお、急激に容体が変化する場合は、すぐに病院に行きましょう。
- 症状
軽度:刺された瞬間は熱いと感じるような激しい痛みがあります。やがて刺された痕が痒くなり、その後膿が出ます。
中度:刺されてから数分~数10分後に、刺された部分を中心に腫れが広がり、部分的または全身に痒みを伴う発疹(じんましん)がでることがあります。
重度:数分から数十分の間に息苦しさ、声がれ、激しい動悸やめまいなどを起こし、進行すると意識を失う。これらの症状が出た場合は、重度のアレルギー反応である「アナフィラキシーショック」である可能性が高く、処置が遅れると生命の危険を伴います。 - 対処方法
刺された直後:20~30分程度は安静にし、体調の変化がないか注意して下さい。
容体が急変した場合:体質によっては、重度の症状となる場合があります。容体が急変した時は、すぐに医療機関(救急受入のある病院が望ましい)を受診して下さい。その際、「アリに刺されたこと」「アナフィラキシーの可能性があること」を伝え、すぐに治療を受けてください。
現在までの県内の確認状況(ヒアリ・アカカミアリ)
参考資料:ストップ・ザ・ヒアリ(環境省)[PDFファイル/1.95MB]
特定外来生物「アルゼンチンアリ」の調査について
アルゼンチンアリは南米原産のアリで、物資の移動に伴って非意図的に世界各地に分布を拡げています。平成5年7月に広島県廿日市市で初めて確認されました(アジア初)。現在、西日本を中心に分布が拡大しています。四国では徳島県(平成22年)、高知県(令和5年)で確認されています。
令和5年7月24日、新居浜市と生物多様性センターが実施しているヒアリ類を対象としたモニタリング調査で、アルゼンチンアリの特徴を有している働きアリ19頭が確認されました。 翌25日に発見箇所付近を中心に再調査を実施し、新たに働きアリ65頭を捕獲。同年7月27日に確認箇所を中心にベイト殺虫剤(フィプロニル剤)を設置し、効果測定のために誘引トラップを用いたモニタリングと、周辺分布の確認調査を実施しています。初確認以降、令和6年6月まで確認されませんでしたが、令和6年9月の調査でアルゼンチンアリが捕獲されたことから警戒を強めています。令和7年度は4月に同一場所で確認されたものの、5月以降確認されていません(令和8年6月時点)。
特定外来生物「セアカゴケグモ」の調査について
平成26年1月に南宇和郡愛南町で初確認され、県下で散発的に確認されていた特定外来生物「セアカゴケグモ」が、令和元年8月26日、新居浜市垣生において複数のメス成虫と卵のうが確認されました。同年10月1日に同一地点において愛媛県では初確認となる特定外来生物「ハイイロゴケグモ」も確認されています。ハイイロゴケグモはメス成虫1頭のみで卵のうは確認されていません。生物多様性センターは新居浜市と合同で定期的なモニタリング調査を行っています。また、同年10月17日、松山市西垣生町においても複数のメスと卵のうが確認されたことから、松山市と合同で定期的なモニタリング調査を行っています。
令和3年11月24日、今治市大新田町において複数のメスと卵のうが確認されたことを受けて、今治市と協力して研修会の実施等を行っています。令和6年度以降東予、中予地域を中心に確認地点数が急増していますので警戒が必要です。
特定外来生物「カミツキガメ」の調査について
平成16年頃から断続的に遺棄個体が県内で確認されていた特定外来生物「カミツキガメ」ですが、平成30年、今治市において同一地点で複数の個体が確認されました。生物多様性センターは、今治市と合同で定期的なモニタリング調査を行っています。
特定外来生物「ミステリークレイフィッシュ」の調査について
令和7年6月から8月にかけて、愛媛県の松原泉でミステリークレイフィッシュが複数確認されました。本種は単為生殖で急速に個体数を増加させる可能性があり、生態系への影響が懸念されていますが、国内での生態情報は限定されています。生物多様性センターでは令和7年9月から定期的な捕獲調査を行っています。また、捕獲個体の一部は環境省の許可を受けて飼養して試験に用いています。
ミステリークレイフィッシュとは?
1990年代中盤にドイツのペット業界で流通していた個体から世界で初めて報告された単為生殖を行うザリガニです(Scholtz et al. 2003)。本種は生態系に与える影響が強いことから「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」により、2020年に特定外来生物に指定されましたが、指定前はペットとして販売されていたことから、松原泉以外でも生息している可能性があります。ただ、アメリカザリガニと混同されている可能性があり、現時点で松原泉以外の県内生息情報は確認されていません。
ミステリークレイフィッシュとアメリカザリガニの見分け方
アメリカザリガニは一般的に「赤いザリガニ」のイメージがありますが、野外で捕獲される個体には様々な体色が確認されています。写真のようにミステリークレイフィッシュと混同されてしまうような体色のアメリカザリガニもいるため、注意が必要です。なお、二ホンザリガニは北海道と東北の一部の県に生息する在来種で、愛媛県には分布していません。

ミステリークレイフィッシュ捕獲個体のサイズ構成、繁殖特性の解析
野外捕獲されたミステリークレイフィッシュを用いて繁殖特性、性成熟到達時期、野外での生息状況について調査しています。
(注)特定外来生物は外来生物法により生きたままの運搬や飼育が原則禁止となっています。運搬および室内試験は特定外来生物の飼養等許可申請(許可番号25000038)を経て実施しました。
試験(1) 野外調査
目的:野外における生息動態を明らかにする。
主な調査内容
●定期的な捕獲調査(令和7年9月~)
●頭胸甲長から個体群を複数のサイズ群に分割ほか
試験(2) 室内試験
目的:成長速度や繁殖特性を明らかにする。
主な調査内容
●産卵数と頭胸甲長の関係
●孵化迄日数調査
●再抱卵迄日数調査ほか
令和7年度の主な調査結果(一部令和8年度実績含む)
野外調査結果
令和7年8月下旬から翌年4月にかけて19回の捕獲調査を実施し、709尾(頭胸甲長約2~34mm)が捕獲されました(参考:令和7年度実績:691尾(令和7年5月31日~令和8年3月26日)通報個体含む)。捕獲調査では捕獲個体数、調査人数および調査時間を記録し、単位努力量当たり捕獲数(catch per unit effort:CPUE)を算出しました。CPUEは調査を開始した9月以降12月まで上昇し、1月以降は低下しました。捕獲個体のサイズを計測したところ、12月までは2~3グループに分離されました。なお、野外捕獲調査では令和7年10月および、令和8年3月に抱卵個体が複数捕獲されました。
室内試験結果
野外で捕獲された個体のうち、56尾を120日間飼育したところ、51尾の抱卵が確認されました。さらに100日間飼育を継続したところ、2回目抱卵までの最短日数は57日、再抱卵率は66.7%でしたので、条件が良ければ野外で2回/年の産卵個体が一定数存在する可能性があります。抱卵個体の最小サイズは体長3cm程度で、県内に広く分布するアメリカザリガニと比較して、かなり小型の個体であっても産卵可能であることが明らかになりました。孵化迄日数は約18日で、孵化まで親個体に明確な採餌行動は観察されませんでした。孵化個体の一部を飼育したところ、孵化後100日前後で一部の個体が抱卵し、現在も試験を継続しています。









