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アルゼンチンアリに注意!!
南米原産のアルゼンチンアリは、屋内に侵入して日常生活に支障をきたすなど不快害虫として地域住民に被害を及ぼすとともに、侵入・定着している地域では在来のアリ類をほぼ駆逐してしまうなど生態系への影響が懸念されており、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」に基づく「特定外来生物」に指定されています。
国内では平成5年に広島県で初めて発見され、当初は港の周辺など海外との接点がある場所から徐々に分布を拡大していましたが、近年では物資などに随伴して移動し、遠隔地でも続々と定着が確認され始めています。今回、愛媛県内で初めて新居浜市において確認されました。
アルゼンチンアリの生態について
- 体長は約2.5 mm、体色は淡黒褐色。働きアリの活動温度帯は5~35℃である。
- 多女王制で大きなコロニーを形成し、繁殖力が強い。女王アリの産卵能力は日に60卵。主に分巣によって分布を拡大する。
新居浜市で確認された個体
生息場所
- 複数の女王アリをもつ巣がいくつも集合した大きなコロニーを作ります。海外では、数km以上にわたるコロニーの観察例があります。
- 地面を深く掘って巣を作るというよりは、ブロックやプランターなどと地面の隙間、コンクリートの割れ目など、既にある隙間などを利用することが多いです。
- 家屋によく侵入します。1mmの隙間があれば、働きアリは侵入できます。アルゼンチンアリが定着した地域では、家屋の中に大量のアリが行き来する状態となってしまい、大きな精神的苦痛を抱く方も多くいます。
- 海外では、果樹園などで発生し、農作物に被害を及ぼした事例もあります。
懸念される影響
(1)侵略アリとしての生態系への被害
競争力が強く、本種が侵入すると在来アリ等の他の節足動物等が減少する。
(2)不快害虫としての被害
家屋侵入等による食べ物等への群がり、寝具に潜り込んで咬むことでの不快感を生じ、日常生活に支障をきたす。
※アルゼンチンアリは毒性がなく、噛まれても人体・健康に直接的な影響はない。
(3)農業害虫としての被害
国内での被害は明らかになっていないが、海外では農作物の芽、蕾、花などを傷つけたり、熟した果実等の盗み取ったりするなどの被害報告がある。また、農業害虫であるアブラムシやカイガラムシ類を天敵から守ることにより、農作物被害を助長するという報告もある。
駆除方法
- 基本的には、殺虫剤などで防除をすることになります。アリそのものに殺虫剤をかけるだけでは、あまり効果がありません。アリの通り道などに「ベイト剤」と呼ばれる餌状の殺虫剤をしかけたり、巣となっていそうな隙間に殺虫剤を噴霧するなどが効果的です。
- また、各戸がばらばらに防除をするのではなく、町内会や自治会単位など、地域で一斉に駆除を行うことが、もっと効果的です。
もし、発見した場合は・・・
アルゼンチンアリと疑わしいアリを発見した場合は、
- 愛媛県生物多様性センター(089-948-9678)
- 愛媛県自然保護課(089-912-2365)
- 発見場所の市町担当課
まで連絡をお願いします。