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伊方原発に関する知事メッセージ(令和7年)
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令和7年1月29日 | 原子力規制委員会と地元関係者との意見交換の開催結果について |
原子力規制委員会と地元関係者との意見交換の開催結果について
1月24日、伊方発電所に関して、原子力規制委員会の山中委員長、伴(ばん)委員および長崎委員の3名と、地元関係者との意見交換が行われ、私も出席しましたので、ご報告します。
山中委員長は、国会会期中のため、テレビ会議システムによる参加となりましたが、伴委員および長崎委員は、伊方発電所を訪問された上で、意見交換に臨まれました。
意見交換において、私からは、愛媛県では、伊方発電所について、絶対に事故を起こさせないとの強い決意の下、四国電力に対し、国の基準を上回る電源対策やさらなる揺れ対策、地元住民への説明、そして、緊急時作業スペースの確保等、県独自にアディショナルな8項目を要請してきたところであり、特に、伊方発電所で発生した正常状態以外の全ての事象について、県および伊方町への報告を求め、その内容を県が公表する「えひめ方式」により、隠し事は絶対にないような体制を構築してきたと発言しました。
さらに、万が一の事態に備える防災対策についても、全国初となる複数のドローンの自律運航による情報収集体制を構築するなど、最新の技術を積極的に取り入れながら、訓練による検証と改善を積み重ねてさらなる充実・強化に取り組んでいることを説明しました。
その上で次の5点について原子力規制委員会に求めました。
- 能登半島地震の知見を始め、引き続き、科学的・技術的知見に基づき基準を不断に見直すこと、また、高経年化等も含めて厳正な審査を行うとともに、国民に分かりやすい言葉で丁寧に説明すること
- 厳格な原子力規制検査を通じて、しっかりと監視・指導するとともに、事業者による安全文化の醸成に向けた自主的かつ継続的な取り組みが適切に行われているか確認すること
- 本年7月に運用が開始される乾式貯蔵施設の合理的な安全性や一時的な保管であることについて、分かりやすく説明するほか、六ヶ所再処理工場の審査を厳格に進めること
- 複合災害時における屋内退避の運用など避難等防護措置の考え方について、能登半島地震を受けた検討結果を踏まえ、原子力災害対策指針へ適切に反映し実効性の向上を図るとともに、具体的かつ分かりやすく示し、住民の安心感の醸成に努めること
- 最新技術を活用したドローンの最適な運用体制の構築等の防災力強化や、統合原子力防災ネットワークシステムに係るデジタル技術を活用した災害対応力の強化に向けた最新の通信機器導入について支援すること
これに対し、山中委員長等からは、次のとおり返答がありました。
- 継続的な安全性向上は不断の努力を行っているところであり、能登半島地震で新たな知見が得られて必要と判断した場合には、バックフィット制度も活用し、一層の安全性向上を図っていく
- 高経年化対策について、原子炉圧力容器の中性子脆化(ぜいか)やコンクリート劣化等の重要な6項目は慎重に審査して認可したところであり、検査の中でしっかり確認するとともに、分かりやすく説明していく
- トラブルについて、四国電力の改善の取り組みは規制委員会としても、日常の規制検査の中でも監視を続けるほか、安全文化の醸成に向けた活動について、注視している
- 乾式貯蔵は、一時的な保管ということで確認している。使用済燃料ピットで保管するよりもリスクの小さい保管方法であり、この点について住民に分かりやすく説明したい。六ヶ所再処理工場については、安全第一で審査を進めていく
- 屋内退避は放射線防護上、有効な手段であるが、退避期間や解除について、原子力規制委員会で検討を進めているところであり、立地道県の意見も踏まえて最終的な報告書にまとめたい
- 愛媛県でのドローンの活用に感銘を受けており、このような取り組みが全国的に進むよう努力していく。統合原子力防災ネットワークは緊急時の情報共有として重要なものであり、システム更新に当たっての実質的な支援を行っていく
このほか、山中委員長、伴委員および長崎委員には、出席者からのさまざまな意見・要望に対して、一つ一つ丁寧に回答いただき、地元自治体にとっても大変有意義な意見交換となりました。
なお、四国電力宮本社長からは、各自治体の意見を受け、高経年化や乾式貯蔵施設の安全性などを住民の皆さんに分かりやすく説明することの重要性や、伊方発電所関係者の安全文化を醸成するために教育・訓練の大切さを再認識したところであり、今後もしっかりと伊方発電所の安全性を高めていく等の発言がありました。
県としては、引き続き、安全対策に終わりはないとの考えの下、四国電力や国に対して、さらなる安全性の向上を求め続けていくとともに、万が一の事態に備え、防災対策の一層の充実・強化に全力で取り組んでまいります。
また、今後とも、伊方発電所に係る取り組みについて、知事メッセージ等を通じ、広く皆様に対して、丁寧な説明や情報提供に努めてまいります。今後とも、伊方発電所に係る取り組みについて、知事メッセージ等を通じ、広く皆様に対して、丁寧な説明や情報提供に努めてまいります。
令和7年1月29日
愛媛県知事 中村 時広