コバノホソベリミズゴケ
Sphagnum junghunianum subsp. pseudomolle 【 セン類:ミズゴケ科 】
愛媛県カテゴリー
準絶滅危惧(NT)
環境省カテゴリー
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種の特徴 | 植物体は白緑色から黄緑色。茎は直立し、高さ10〜20㎝、密生して大きな塊になり、しばしば径1m以上に達する。茎の葉は三角形、長さ約1.3㎜、枝の葉は舟形で、先端部の縁は反曲する。枝の葉の巨大で空虚な細胞(透明細胞)の腹側には孔がない。これが本種の特徴である。 |
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分 布 | 県内:新居浜市東平・住友の森、石鎚山系、砥部町仙波ヶ嶽、小田深山、滑床。 県外:本州(新潟県、関東、中部、近畿)、四国、九州(屋久島まで);台湾、中国大陸、ヒマラヤ、インドネシア。 |
生息状況 選定理由 |
熱帯系のミズゴケ属で、岩壁から垂れ下がって群生する。ミズゴケ属の大部分の種は北方系で、湿原に生育するものが多いのに、本種の生態は特異である。県内では中央構造線に沿う結晶片岩地帯に分布していることが多いが、酸性を好むので面河渓や滑床の花崗岩地帯にもある。東赤石山など超塩基性岩類の地域には欠如している。場所によっては、大群落をなしているが、森林伐採や園芸用の採取の危険性がある。 |
特記事項 | 本種の分布は、1956年に、鈴木兵二博士によって発表され、ソハヤキ型分布から新潟県に隔離分布するというコウヤマキの分布に似ていたため、前川文夫博士が、1957年に、「コウヤマキ型の分布」を提唱するきっかけとなった。本種は第三紀中新世以降の古い遺存植物と見なされる。 |
地方名 | --- |
撮影者:---執筆者: 関 太郎