アブラボテ
Tanakia limbata (Temminck and Schlegel)【 コイ目 コイ科 】
愛媛県カテゴリー
情報不足(DD)
環境省カテゴリー
準絶滅危惧(NT)
種の特徴 | 全長7㎝。ヤリタナゴに似るが体高がやや高い。体色は黒みがかり、縦帯はない。婚姻色の出た雄は全体に緑色がかった暗色となり、背・臀鰭に幅広い橙色縦帯が出て縁辺は黒く縁取られる。また、吻端に1個の白い瘤状の追星ができる。雌の産卵管は暗色。やや流れのある転石の小河川や水路を好み、春から初夏にマツカサガイ、ドブガイなどに産卵する。 |
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分 布 | 県内:松山平野下流域。 県外:濃尾平野以西の本州、香川県、宮崎県を除く九州、壱岐、五島列島、対馬。 |
生息状況 選定理由 |
1979年に初めて重信川で2個体が確認され、現在では松前町の河川や、重信川中流域、周辺の湧水池に見られる。ミトコンドリア遺伝子の解析によると、上記生息地で採集された個体はいずれも有明海に注ぐ河川の個体群と同一の遺伝子型を持つため、人為移植に由来する可能性が高い。この移植アブラボテと在来のヤリタナゴとの間で交雑が生じており、さらなる放流および生息地間での個体の移動を避け、既に拡がった集団については適正に管理する必要がある。在来系統が存在する可能性もあり、確認が必要である。 |
特記事項 | --- |
地方名 | たなご(混称) |
撮影者:清水孝昭執筆者: 畑 啓生・松葉成生・井上幹生