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サトイモ疫病対策に関する情報
サトイモ疫病の発生について
2015年に本県のサトイモの主要産地で、葉に赤褐色の大型斑点、茎にシミ状斑点を示す症状が確認され、サトイモ疫病と診断した。本病は、発生し始めると急激にまん延し、甚大な被害を発生させるため、早期発見・早期防除が重要である。
本病の特徴
病原菌:Phytophthora colocasiae
- 本菌は、べと病菌やピシウム菌と同様の卵菌類に属し、サトイモ属にのみ感染する。
- 本菌は、10~35℃で生育し、発病適温は27~30℃である。
- 鞭毛を持つ遊走子が水中を泳ぎ、感染する(水媒伝染)。
- 葉では比較的大きな褐色楕円形の輪紋病斑が発生する。葉柄では初めにシミ状の黒褐色斑が見られ、病斑が拡大するとその部分から折れて葉が垂れ下がる。
- 本病によるイモの直接的な腐敗は少ないが、早期の発病による茎葉の消失はイモの肥大に影響を及ぼし、大きな減収を招く。
- 高温(25℃以上)で連続した降雨(梅雨後期、秋雨、台風の接近による強風雨など)で発病しやすい。
- 第一次感染源は、土壌中の残渣や種芋の可能性が高く、第二次伝染は、葉や茎の病斑上に形成される遊走子の風雨による飛散や畝間の水を介しての伝染と推察される。
- 本県で栽培されている主要品種(愛媛農試V2号、赤芽、媛かぐや)、他県では石川早生で発病を確認している。
Phytophthora colocasiae
葉の病斑
葉柄の病斑
葉柄の病斑からの折損
防除対策について
- 圃場をこまめに観察し、葉や葉柄の病徴の有無を確認する。特に発病は中位葉から下位葉で多く認められ、圃場の周辺箇所からの発病が多いため注意する。
- 発病葉などは早急に除去し、圃場外へ持ち出す。
- ペンコゼブ水和剤またはジーファイン水和剤による定期的な予防散布を行い、発病が認められた場合には発病葉等を除去し、直ちにダイナモ顆粒水和剤、次いでアミスター20フロアブルを散布する。なお、サトイモの茎葉は水をはじきやすく薬剤が付着しにくいため、展着剤を必ず加用する。
防除体系については「サトイモ疫病の薬剤防除について」[PDFファイル/216KB]をご覧ください。