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玉川ダムの概要
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関連情報
玉川ダムの概要
蒼社川と流域の概要
蒼社川は高縄山系白潰(標高1,159メートル)に源を発し、途中今治市玉川町内で、支川木地川と合流し、今治市内を貫流して瀬戸内海に注ぐ流域面積102.8平方キロメートル、流路延長22.6キロメートルの二級河川です。
藩政時代に現在の河川堤防は完成しましたが、その後数多くの洪水による被害を受け、抜本的な治水対策が強く求められていました。また、今治市は、タオル製造を主体とした繊維工業が盛んで、急速な発展に伴い都市人口の急増による水不足が大きな課題となっていました。
一方、蒼社川により灌漑されている水田も、干ばつ時には表流水のみでは不足するため、溜池あるいは地下揚水によって補給を行っていましたが、その量も限界に達しており十分に補えない状況でありました。
この対策として、県は、洪水による被害を軽減するとともに、農業用水の補給を行いさらに上水道用水と工業用水を確保して、民生の安定及び産業発展に寄与し東予新産業都市の一環として当地域の大きな発展を期待するため玉川ダムを建設したのです。
玉川ダムの概要
玉川ダムは、治水(洪水調節)と利水としての農業用水(不特定かんがい)、上水道用水及び工業用水の4つの目的を持った多目的ダムとして、県が昭和39年4月に調査を開始し、昭和41年4月に着手しました。昭和43年6月には、本体工事に着手し、昭和46年3月に完成したものであり、同年4月から愛媛県東予地方局玉川ダム管理事務所が管理しています。
(1)ダムの諸元
(2)洪水調節
【計画高水量】
ダム地点:毎秒390立方メートル
基準地点(高橋):毎秒900立方メートル(50年確率)
【洪水調節量】
玉川ダム地点における計画高水量(最大流入量) 毎秒390 立方メートルのうち毎秒200立方メートルを洪水調節によりダムに貯留して、毎秒190立方メートルをダムから流下し、下流基準地点(高橋)の計画高水量毎秒900立方メートルを毎秒700 立方メートルに低減することにより、下流域の水害を軽減します。
(3)農業用水(不特定かんがい)
干ばつ時における農業用水の補給を行うため、複式取水塔により表流水を取水しダムから流下させます。
対象区域:今治市
かんがい面積:1,300ヘクタール
かんがい日数:117日(6月6日~9月30日)
(4)都市用水(上水道用水・工業用水)
蒼社川筋の今治市玉川町三反地の都市用取水堰(玉川取水堰)にて取水し、今治市小泉の市制50年記念公園に隣接する小泉浄水場までの約6.1キロメートルを内径1,200ミリメートルの導水管で導水しています。
その後、上水道用水と工業用水に分配し、上水道用水は浄化設備を経て今治地域へ日量40,000立方メートルを供給しています。また、工業用水は、配水池を経て今治市の各工場へ日量60,000立方メートルを供給しています。
(5)事前放流について
玉川ダムでは、関係利水者の御理解のもと、大雨が予測された場合に利水目的でためているダムの水を放流して貯水能力を高め洪水の危険性を減らす、「事前放流」の運用を、令和2年9月1日から開始しています。