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愛顔のえひめ(令和5年8月号)
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知って、めぐって、未来へつなごう!「愛媛のたなだん」(棚田・段畑)
癒やしの風景「たなだん」の多面的な機能を知ろう
美しき日本の原風景
皆さんは「棚田」「段畑」を見たことがありますか?山の斜面や谷間の傾斜地に階段状につくられた水田が棚田、畑が段畑(段々畑)と呼ばれています。多くが先人たちにより開墾されたもので、日本の原風景ともいえる美しい景観とともに、その土地の伝統文化を私たちに伝えてくれます。
棚田地域は農産物をつくるだけではなく、多面的な機能を持っていることはご存知でしょうか?棚田が健全に手入れされることで自然環境の保全や洪水の防止につながったり、雨などを地面に染み込ませて地下水として蓄えたりして、都市住民の生活環境の保全に一役買っているのです。そこで令和元年、「棚田地域振興法」が施行され、国を挙げて棚田地域の振興と将来への継承が推進されています。
HP「愛媛のたなだん」開設
愛媛県では、より多くの方々に県内の棚田・段畑を知ってもらおうと、HP「愛媛のたなだん」を開設。県内20地区の“たなだん”の情報を発信しています。心が洗われるような美しい風景写真や動画も掲載していますので、視聴するだけで癒やされます。棚田・段畑から受けている恩恵を知り、どのように守っていくかを考える機会となりますので、ぜひアクセスしてみてください。
愛媛のたなだん(えひめの棚田・段畑サポーター)<外部リンク>
心癒やす風景を撮って残そうフォトコンテスト開催!
写真映えスポットとして人気
農業が営まれることにより、作物や農地、家屋、水辺の生物たちが一体となって美しい風景をつくる“たなだん”。最近はフォトスポットとしても人気で、四季折々に棚田・段畑めぐりを楽しむ人も増えています。また、一部の棚田・段畑では、情報をコンパクトにまとめた「棚田カード」や「棚田ガイド」を無料配布していますので、集めるのもおすすめです(配布場所はHPで紹介)。
愛媛県では、より多くの方に棚田・段畑の魅力に触れていただくため、上記の13地区を対象にした『「愛媛のたなだん」フォトコンテスト2023』を開催。たくさんのご応募をお待ちしています!
棚田・段畑を知ること、訪れること、写真や記憶に残すことは、その地で耕作している生産者たちの励みとなり、里山を守ることにつながります。後世まで残したい、美しい愛媛の“たなだん”をみんなで守りましょう。
※棚田・段畑は基本的に生活の場であって、観光地ではありません。訪れる際のマナーについてもHPに掲載していますので、確認のうえ、ご訪問ください。
食べて、登録して、応援しよう
農産品・農産加工品を販売
収穫された農産品や加工品の購入ができる販売店等が近くにある棚田・段畑もあります。収穫期などもチェックして、応援の意味も込めて購入して味わってみましょう。
オーナー制度に登録しよう
あらかじめ申し込みを行うことで、農作業体験や生産品を受け取れるオーナー制度。棚田・段畑を守っていくためのさまざまなサポートや現地のイベントなどに、あなたも参加してみませんか?
TOPICS-1:「愛媛のたなだん」フォトコンテスト2023
愛媛県内の棚田・段畑の季節ごとに変化する映える写真、棚田の新しい発見に結びつくような写真を募集。上記の13地区の棚田・段畑で撮影したもの(風景、建築物・建造物、一次産品、製品、催事、生活および人物等)、令和5年に撮影したものに限ります。
- 募集期間:8月1日(火曜日)~10月31日(火曜日)
- 撮影期間:5月1日(月曜日)~10月31日(火曜日)
- 賞品:最優秀賞1点に棚田米2kg(1袋)、さといも2kg(1袋)、みかんジュース1L(1本)、ほか優秀賞、各棚田・段畑賞に賞品あり
詳細、応募フォームはコチラ!<外部リンク>
TOPICS-2:「愛媛・南予の柑橘農業システム」世界農業遺産認定に再挑戦!
南予地域の段畑で行われている伝統的なかんきつ栽培は200年続く歴史や景観が高く評価され、日本農業遺産に認定されています。協議会では、さらにその魅力を世界に向けて発信するため、世界農業遺産認定を目指して挑戦中です。皆さんの応援をお願いします。
活動の様子は協議会Instagramからご覧ください。
詳細は「愛媛県南予地域農業遺産協議会•Instagram写真と動画」!<外部リンク>
愛媛の美しい棚田・段畑を見に来ませんか?
[注目ビト]
樫谷(かしだに)の棚田(大洲市)農家
城本 誠一(しろもと せいいち)さん
標高約500mの大洲市戒川(かいかわ)地区にあり、「天空のかくれ里」とも呼ばれる樫谷の棚田。城本さんは12年前に帰郷し、先祖代々守ってきた棚田でコシヒカリを栽培しています。なるべく化学肥料を使わない農法を手がけ、高地ならではの朝晩の寒暖差の激しさからツヤと甘みのあるお米が収穫できるそう。訪れた6月下旬の棚田にはオタマジャクシが元気に泳いでいました。
たくさんの恩恵をもたらす棚田を後世へ残したい
樫谷(かしだに)の棚田(大洲市)はすり鉢状の地形となっており、立体的で奥行きのある景観が特徴。土地に合わせて開墾しているため、田んぼ1枚の面積が小さくて曲線が多いという、昔ながらの形で残っている全国でも珍しい棚田です。農作業は自然が相手だから大変なことも多いのですが、この美しい眺めに日々癒やされ、やりがいを感じています。5月上旬から6月上旬にかけて田植えし、9月初旬には稲刈り。稲の成長に合わせて生活サイクルがあり、祭りを行い、先人たちが切り拓いた土地の恵みに感謝しながら暮らしています。
棚田の風景は一度失ってしまうと、いくらお金をかけても取り戻せません。棚田は生物の多様性を守ったり、自然のダムとして貯水機能を持っていたりと、たくさんの恩恵をもたらしてくれます。だからこそ現代を生きる私たちが保全していかねばならないのですが、高齢化が進み、とても厳しい状況と言わざるを得ません。だから皆さん、棚田のことを知って、見に来て、美しさを感じてください。それが棚田を守ることにつながります。また、樫谷ではオーナー制度を取り入れていますので、田植えや稲刈りなど農作業体験もできます。こうして、次の世代へ美しい棚田を引き継いでいけたらと思います。
- 問い合わせ:農地整備課
- 電話:089-912-2545
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