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訪問販売など特定の取引について、一定期間内であれば理由を問わず、消費者が一方的に申込みの撤回または契約の解除ができる制度です。
訪問や電話などで突然に受ける業者の巧妙な勧誘により、よく考えずに契約してしまうことがあります。契約が不慣れな消費者に対して、冷静に考える期間を与えて、申込みの撤回または契約の解除ができることにしたものです。
すべての取引でクーリング・オフができるわけではありません。自分から店に行ったり、広告を見て電話やインターネットで申し込んだ場合には、通常クーリング・オフはできません。
クーリング・オフができるのは次の場合に限られます。
いずれの場合も、契約書面にクーリング・オフのことが書かれているので確認しましょう。
クーリング・オフができる期間は、取引内容によって異なります。
書面の記載内容に不備がある場合は、所定の日数を過ぎていてもクーリング・オフできる場合があります。また、事業者が嘘を言ったり、脅したりしてクーリング・オフを妨害したときは、クーリング・オフ期間が延長されます。
もし、クーリング・オフ制度が適用されない場合でも、独自の返品規定を定めている事業者もありますので確認してみましょう。
クーリング・オフについては、特定商取引に関する法律(特定商取引法)をはじめとして、各種法律に定めがあります。
取引内容(根拠条文) |
適用対象 |
期間 |
---|---|---|
訪問販売(特定商取引法第9条) |
店舗や営業所外での契約 |
8日間 |
電話勧誘販売(特定商取引法第24条) |
事業者から電話で勧誘を受けた契約 |
8日間 |
連鎖販売取引(特定商取引法第40条) |
いわゆる「マルチ商法」による取引。店舗契約を含む。 |
20日間 |
特定継続的役務提供(特定商取引法第48条) |
一定期間を超え、かつ契約金額が5万円を超えるエステ・美容医療・語学教室・家庭教師・学習塾・パソコン教室・結婚相手紹介サービスの継続的契約(7業種)。店舗契約を含む。 |
8日間 |
業務提供誘引販売取引(特定商取引法第58条) |
いわゆる「内職商法」による取引。店舗契約を含む。 |
20日間 |
訪問購入(特定商取引法第58条の14) | 消費者の自宅等を訪問し、消費者から物品を買い取る契約。いわゆる「押し買い」。 | 8日間 |
取引内容(根拠条文) |
適用対象 |
期間 |
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個別クレジット契約(割賦販売法第35条の3の10~第35条の3の11) |
訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供の契約に伴う個別クレジット契約 | 8日間 |
連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引の契約に伴う個別クレジット契約 | 20日間 | |
保険契約(保険業法第309条) | 店舗外での契約期間1年を超える生命保険・損害保険等の契約 | 8日間 |
投資顧問契約(金融商品取引法第37条の6) | 金融商品取引業者との投資顧問契約 | 10日間 |
有料老人ホーム等の入居契約(老人福祉法第14条の4、第29条) |
3か月間 | |
宅地建物取引(宅地建物取引業法第37条の2) |
店舗外での宅地建物の取引であって、宅地建物取引業者が売主となる契約 |
8日間 |
預託等取引(預託法第7条) | すべての物品及び特定権利の3か月以上の取引 | 14日間 |
不動産特定共同事業契約(不動産特定共同事業法第26条) |
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8日間 |
ゴルフ会員権契約(ゴルフ会員契約適正化法第12条) |
50万円以上の新規販売契約 | 8日間 |
その他の法令にもクーリング・オフ制度が定められていたり、上記取引であっても条件によってはクーリング・オフできない場合もありますので、不明な点があれば相談窓口にお問合せください。
販売業者への契約解除通知例
クレジット会社への契約解除通知例
はがきの裏面については、次の様式をダウンロードして必要な箇所を書き足し、プリントアウトしてご利用ください。
電磁的記録の例として、電子メールのほか、USBメモリ等の記録媒体や事業者がウェブサイトに設けるクーリング・オフ専用フォーム等により通知を行う場合が挙げられます。また、FAXを用いたクーリング・オフも可能です。
契約書面を確認し、電磁的記録によるクーリング・オフの具体的方法が記載されている場合、その記載に沿って通知しましょう。通知後は、送信したメールや、ウェブサイト上のフォーム画面のスクリーンショット等を保存しておきましょう。
通知の記録(ハガキのコピー、電子メール等のデータ、フォーム画面のスクリーンショット等)や契約書等の関係書類は、少なくとも5年間保管しましょう。
消費者契約法では、不当な勧誘による契約の取消しを規定しています。詳しくは消費者庁ウェブサイト「消費者契約法」<外部リンク>をご覧ください。