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愛媛県若年者就職支援センター(ジョブカフェ愛work)開設20周年記念式典知事あいさつ
日時:令和6年10月16日(水曜日)13時30分
場所:ANAクラウンプラザホテル松山
県内の若年者の就職支援をするために平成16年に開設されましたジョブカフェ愛workが20周年の大きな節目を迎えられました。
その歴史の中で、本当に大勢の皆さんの就職支援に実績を上げられた関係者すべての皆様に心から敬意を表させていただきたいと思います。
現在日本の国全体が少子高齢化、人口減少という非常に大きな課題に直面をしています。
ご案内のとおり、現在、約1億2,000万人の人口が、このまま何もしなければ、40年、50年経つと、8,000万人にまで減少すると言われております。
愛媛県でも、ピーク時154万人であった人口が、現在は128万人ぐらいになっており、何も手を打たなければ、県内人口は2060年には78万人になることが予測されています。
これは、東京以外はほとんど同じ状況でありますけれども、現在愛媛県では、こうした問題に対応するために、四つの視点で対策を打っている最中でございます。
一つには、そもそもの出生率を上げるためにはどうしたらいいのか。現状の若い人たちの動向を把握する中で、結婚支援、子育て支援、さまざまな施策を展開しておりますけれども、答えがない分野でありますから、ともかく効果があるのではないかということを、すべて行うというような形でやっている最中でございます。
残念ながら、昨年1年間で生まれた子どもさんの人数が日本全体で73万人と、過去最低でございました。僕らの少し上の年代が一番多いときで年間270万の赤ちゃんが国内で生まれていたことを考えると、73万人というのは衝撃的な人数だと思います。
ただ、少子化の原因を分析すると、機会がないから、なかなかめぐり合わせがないという声もありますので、結婚支援等々も重要な柱となっています。
もう一つの道筋というのは、県外から県内に来ていただく人たちを増やすということです。抜本的な改革にはなりませんけれども、地方では取り組む必要があると思っています。
さらに、もう一つは、県内から県外に流出する人口をどう食いとめるか。そして四つ目が、外国人材にどう来ていただく仕掛けを作るか。
この四つの方向性で政策を打っているところなのですが、流入人口については、8年前の平成27年度に、1年間で愛媛県に移住してこられる方が270人ぐらいでありました。市町とも連携しながら、ITも駆使して、さまざまな取り組みを行っています。その結果、昨年度、1年間に、愛媛県に移住された方が8年前の約270人から7,254人まで増えました。これは非常にプラスの要因ではあるのですが、それ以上に流出しており、特に若年女性の流出が最も多いという実態があります。
こうした中、人口流出を食い止めるために、このジョブカフェ愛workの存在は極めて大きいと思っております。
県が実施したアンケートで、都会にもともと行きたいと思われていた方は別として、多くの方が自分の行きたいと思う企業の存在を知らないという声が圧倒的に多かったです。それから二つ目は、女性のキャリア制度、あるいは子育て支援に理解のある職場が見つからなかった。この二つが非常に多くを占めていることが明らかになりました。
今、県も取り組んでおりますが、職場環境の改善をしなければ、選ばれない企業となり、人材が確保できないということを経済界に呼び掛けています。また、若い人たちに働きやすい環境づくりに取り組んでいる企業の存在を知ってもらいたいとの思いから、ひめボス宣言事業所認証制度を創設し、積極的にPRに努めているところです。
また中学生には、ジョブチャレンジU-15、高校生には、ソーシャルチャレンジ for High Schoolという事業を通じて、地元にこんな企業があるということを、多感な青年期に知ってもらうような工夫もしているところでございます。
もうありとあらゆることを総動員しなければなりません。
ジョブカフェ愛workにおかれましても、県の進める事業とも連動していただきながら、県内にこんな良い職場があるということを伝える役割を一層果たしていただくことで、引き続き、県内に人材をとどめることにご貢献を賜りますようお願い申し上げます。
県としましては、センター設立20周年を契機に、皆様との連携をさらに進化させ、愛媛県の発展に向かって全力を尽くしていきたいと思いますので、今後ともお力添えを賜りますようお願い申し上げまして、あいさつといたします。
どうもありがとうございました。