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第1回松山空港将来構想検討会知事あいさつ
日時:令和6年7月18日(木曜日)14時30分
場所:県庁議事堂 農林水産・建設委員会室
今日は第1回の会議ということになりますけれども、大学の先生方をはじめ、関係するいろいろな分野の方々にお集まりいただきました。お忙しい時間を割いていただきましたことに心からお礼を申し上げます。
大ざっぱに今日に至るまでの経緯を私の方からお話しさせていただきたいと思います。
四国愛媛県の地理的な条件としては、橋は架かっていますけれども、本州から見れば島という位置付けになるのかもしれません。そういったこともあって、東京圏域あるいは大阪圏域に行く場合は、手段も限定されておりまして、特に新幹線が四国には来ていませんから、おのずから移動手段は飛行機を利用することが歴史的に続いてまいりました。
そのようなことから、空港の年間利用者数は、中四国では第1位となっております。コロナ前には、ピーク時300万人を超えていたという時期もありましたけれども、ご案内のとおりコロナ禍によって100万人を切るというような年もありました。ここ最近復活してまいりまして、現在、国内は7路線で一日当たり35便、海外路線はコロナ禍でゼロになってしまっていましたが、7月時点で、3路線で週17便、9月からさらに2便増えますので、週19便という状況になってきています。
県の仕事をいただきときにふと感じたのは、空港に「らしさ」が足りないのではないかというような感想でありました。例えば、沖縄に行けば那覇空港には独特の雰囲気があります。また青森空港に降り立てば、リンゴだらけ、まさに産品を活用したいろいろな趣向が凝らされているというようなことを見て、空港、空ビルにも「らしさ」を考えたらどうかということで、例えば、蛇口をひねったらみかんジュースが出るモニュメントを作ったらどうかとか、お土産にはかんきつのジュースをより積極的に売り出してはどうかとか、空ビルもそれを受けてさまざまな改革に取り組んでいただいています。
このような中、数年前に空港の運営のあり方というのが、果たしてこのままでいいのだろうかと考えた時期がありました。ただ、松山空港の場合は、滑走路の500メートルぐらいが、今すぐの問題ではないのですけれども、長い目で見ると、地盤沈下対策の工事が必要になってくる。この時点では、その責任を誰が担っていくのかということが明確になっていなかったので、そういっためどがつくまでは、このまま頑張ろうというようなことで、今日に至っている状況でございます。
このことも、いろいろなやり方があるというような状況になっております。これが1点であります。
そしてもう1点は、コロナ禍明けの路線開拓のために、昨年から台湾、韓国のソウルや釜山、ベトナムのチャーター便等、いろいろなことをやっているのですけれども、正直言って、私も含めて、県の職員が路線開拓の交渉もやっている状況であります。
そして、ご案内のとおり、コロナ禍明けで人手がなかなか足りない、新規の開拓をしてもグラハン(グランドハンドリング)の人材が確保できない、このことも直接いろいろなところに電話をかけたりする、県庁案件になっている実態でございます。
今、これで何とかしているのですけども、果たして将来、このままでいいのだろうかというようなことも、考える機会になってまいりました。
また、コロナ前に、ちょうどタイミングはよかったのですけれども、国際線は将来増やしていくという観点で、国際線ターミナルビル構想を考えた。さらに、便数に比べてスポットの数が圧倒的に不足しているということで、スポットの増設を国に働き掛けたところ、これ非常にうまくいきまして、スポットの増設が完了しました。
そして先般、国際線ターミナルビルも第一期工事が完成し、新たにオープンいたしました。
この後、第二期工事も含めて、国にもご協力をいただけることとなっております。またバイオカートを導入しなければ、待ち時間が非常に長くなってしまい、海外から来られた方々にご満足いただけないのではないかと思っていましたが、これは本当に国に早くやっていただきまして、2月に法務大臣に要望をしましたら、翌月には機械を送っていただきまして、この7月から運用を開始したところであります。
このことにより、待ち時間の大幅な減少が図られるなど、この段階でやれることは全てやってきたつもりでありますが、こうしたことを受けて、先ほど申し上げましたように、将来長い目で見て、空港運営のあり方がこのままでいいのかどうなのか、議論すべきタイミングが来たというふうに判断しております。
結論は全く出ていません。
何がいいかも分かりません。
こうして皆さん、それぞれ経験のある方々にお集まりいただきまして、知恵を絞って、この状況を踏まえた上で、将来どのようにあるべきかを議論し、本当に良いゴールが見えてくることを、心から期待をさせていただきたいと思います。
どうぞ、各先生方、取りまとめの方、よろしくお願い申し上げたいと思います。どうか、将来を考えた議論を活発にしていただきますことを、心からお願い申し上げまして、あいさつとさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。