本文
令和7年度ひめボス宣言事業所アワード知事あいさつ
日時:令和8年2月6日(金曜日)13時30分
場所:ANAクラウンプラザホテル松山
令和7年度ひめボス宣言事業所アワードに大勢の皆さんにご出席をいただき、誠にありがとうございます。
先週、早く出すべきだという判断の下、現在の人口から、今後愛媛県内がどう推移していくか、いわば最悪のケーススタディなのですけれども、今の流れを延長して、何もしなかったらどうなるかというシミュレーションを公表いたしました。
4年ほど前にも発表したことがあったのですが、いろいろと環境が変化し、さらに悪くなっている状況でございます。全国の東京以外の道府県は、ほぼどこも同じように減少をしている状況にあります。
本県の人口は、1985年の153万人を境に減少傾向が続き、現在の県内人口が約126万人でありますけれども、先週公表したシミュレーションでは、このまま何もしないで推移していくと、2060年には、約65.6万人になってしまうという大変厳しい内容となっております。
4年前に2060年の推計人口を約78.4万人で発表していますから、約13万人さらに悪くなっています。どうしてそうなったかというのは、読み間違いが二つありました。
一つは、コロナ禍の3年間の間に、働き方が随分と変わり、家にいながら、リモートワークで働ける環境が整いました。何も都会に住まなくても、場所を選ばず、どこでも仕事ができる働き方が浸透することで、実際、東京から地方への人の流れが強く生み出された時期がありました。業種や職種をしっかり見定めれば、地方で働ける環境がその後も拡大していくのではないかという読みがありましたが、これが完全に真逆になって、コロナ禍が明けてから、また東京一極集中が始まったのが、マイナス要因の一つであります。
そしてもう一つは、コロナ禍の際に、若い人たちを含めて、家で過ごす生活が続きました。学校等にも行けないことから、人とのリアルな出会いが極端に減少し、このことが、婚姻数が減る、子どもさんの出生数が減るということにつながっていきました。その後、コロナ禍が明けたら、さあいよいよ解放された、人と会おう、みんなで出会う機会を増やそう、そのような流れができて、婚姻数は増えて、子どもの数もある程度戻ってくるのではないかという読みが当時ありましたが、実際には戻ってきませんでした。
確かに外には出るようになったのですが、婚姻数も出生数もコロナ禍の時から、さらに減少しているというデータが出てきたので、改めてその数字を反映したらどうなるかという推計を出したのが、先週公表した内容となります。
こういう数字は、これまでの行政では、隠したりするケースもあったのではないかと思いますが、正確な情報を皆さんに届けることによって、問題を共有し、みんなで解決策を模索していくという時代に入っていると思います。
今後、国勢調査のデータも出てきますので、市町ごとの推計数字も発表することで、そこで問題を共有いただければと思っていますが、これを解決するにはどうしたらいいのかということに思いをはせますと、おおよそなのですが、四つの方法があると思います。
一つは、出生数を増やす取り組みのさらなる強化。ただ、これが非常に難問であると感じています。結婚や子どもを育てるということは、個人の価値観、生き方にも関係してきますから、これをやれば確実に増えていくという政策がありません。だからもう、できることは、こんなことやったら効果があるのではないだろうかということを、考えついたものを全部やっていくしかない。そうしたことから、愛媛県では、婚活事業をやって、出会う機会を創出し、確率を上げるために、ビッグデータを活用してマッチングをする、あるいはメタバース空間で出会いのきっかけを作る。いろいろなことを考えながら取り組みを進めています。実はこの県の婚活事業、2万組を超えるカップルの成立につなげるなど、かなり成功しており、全国からも問い合わせが来ています。また、愛媛県ならではの施策としては、県内紙おむつメーカーと協力をしながら、県内20市町どこに住んでも、2人目以降のお子さんについて、県内メーカーが作る紙おむつ約1年分の購入を支援するなど、あの手この手の子育て支援策を展開しているところであります。今後も、子育て支援の充実に全力を挙げてまいります。
二つ目は流入人口をどう増やすかということでありますが、一番メインとなるものは、移住施策でございます。これ、結構うまくいっていまして、平成27年度のデータを見ると、1年間に、愛媛県に全国から移住された方が270人ぐらいでした。その後、市町との連携による移住支援体制の構築、東京・大阪に移住コンシェルジュを設置してのきめ細かな情報提供、365日AIチャットボットを使った相談体制の確立など、あの手この手を使ってやってみたら、効果が上がってきました。270人程度であった移住者数は、昨年度は約7,000人にまで増え、現在、移住者数は全国トップクラスになっています。しかし、この政策は、競争でもあります。競争が激しくなってくると、なかなかこれ以上に伸びていくということは難しいと思っていますが、これからも移住者の確保に努めてまいります。
そして三つ目、流出人口をどう食い止めるか。東京で仕事をしたいという気持ちは分かりますし、これは止められません。しかし、何となく、愛媛県で働きたい場所が見つからなかったから、都会に行こうかな、そういう人たちがたくさんいるということも分かっています。東京に行くと、確かに恵まれた環境が待っているかもしれませんが、実は生活するのは大変であります。東京で、生産性の高い仕事にたどり着けた方は一部の方で、多数の方は一部の方を下支えするような生活をせざるをえない。これは給料がある程度高くても、生活費も非常に高いので、可処分所得が少ない。さらに、生活の面では、安い家賃のところに住まないといけないので、通勤時間が長くなる。人生の時間は限られていますから、これが積み上がると、膨大な時間が通勤時間で消費され、自由になる時間、いわゆる可処分時間が少なくなってしまう。こうしたことからも、愛媛で豊かに暮らす幸せを多くの皆さんに感じていただければと思っております。
そして四つ目の施策は、しっかりとしたルートを構築した外国人材の確保であります。
この四つの視点でいろいろ対策を講じておりますが、このひめボス宣言事業所認証制度は、流出人口を食い止めるという観点で、皆様に呼びかけさせていただきました。県の分析では、県外への転出超過が一番多い層が20歳から24歳の女性となっています。また、アンケート調査の結果を見ますと、もちろんただ単に都会に行きたいという声もあるのですが、多いのは働いてみたいなという会社が県内で見つからなかった。これは、見つからなかったのではなくて、知らなかったというのが正解だと思います。そのため、どれだけ魅力的な事業所、働く場所があるかを知らせていく、それが県の大きな役割であると考え、中学生に職場体験機会を提供する「えひめジョブチャレンジU-15」、高校生に地域社会と連携した課題解決に取り組んでもらう「ソーシャルチャレンジfor High School」、そして大学生等に県内企業での就労と地元アクティビティをセットで体験いただく「キャリアチャレンジfor College」、こうしたメニューで、県内企業の魅力を知ってもらうための事業展開を行っています。
そして、アンケートでもう一つ出てきたのが、子育て支援や女性のキャリア制度がしっかりしている職場が見つからなかったという声が寄せられました。働きやすい職場、こうしたものにしっかりと取り組まないと、選ばれない時代、経営者がそういう方針で運営しないと、人材が確保できない時代に突入していると思います。この解決策として考えたのが、この「ひめボス宣言事業所認証制度」でありました。
最初は何をやろうとしているのか分かりにくかったこともあったかもしれませんが、県の職員も各事業所や経済団体の皆様に直接説明に回らせていただきました。その熱意が伝わって、多くの皆様が手を上げはじめてくださいました。
現在、ひめボス認証を取得していただいた会社は、県内で900社を超えたところでございます。そして、さらにその上の、男性育児休業取得率100%等のかなり高い目標を達成されたスーパープレミアム認証企業も33社に増えてきています。
私の役割は、県内企業のPRであります。今年度も県内の大学で講演をしてきました。その中で、こんな事業所ありますよ。東・中・南予、こんな魅力的な働く場がありますよ。企業がありますよ。愛媛にいながらも、全国、そして世界を視野に入れている会社もありますよ。そしてその中に、このひめボス認証制度を取得した会社というのは、経営者、会社が働き方改革にちゃんと向き合っている熱心な会社の証ですよということをPRしてまいりました。
このような背景から誕生した制度でありますので、今後とも皆さんと連携して、どこよりも働きやすく・働きがいのある職場が多い愛媛県を目指して頑張っていきたいと思いますので、お力添えをよろしくお願い申し上げまして、あいさつといたします。
今日はどうぞよろしくお願いいたします。
