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知事に寄せられた提言(7年5月)
令和7年5月の主な提言
1 南海トラフ巨大地震シュミレーションの実践案
提言
先日、私は小学生の娘と映画を観に行き、最先端の4Dxという体験型シアターで座席が前後左右上下に動き、水や風香り、フラッシュが飛び交うビックリな体験をしました。その時思ったのが「あっ、30年前の阪神大震災の時と似てる」でした。あの時、初めて経験した大地震に思考停止状態になりましたが、今回の映画では自分の体の制御ができない揺れの中で「キャーキャー」と慌てる娘に笑顔で「大丈夫だよ」と言える余裕が自分にありました。一度揺れを経験すると慣れる?のでしょうか。今年4月に国が南海トラフ巨大地震の被害想定死者数を29万8千人に上ると公表されました。もしもの時が現実に起ころうとしている今、平常心で行動できるよう実践的なトレーニングの1つとして『4Dxによる南海トラフ巨大地震シミュレーション』を愛媛から全国に発信して頂けないでしょうか?そしてトラウマにならないよう心理士の方にご協力して頂きながら、小中高生に体験してもらい、自助・共助のリーダーとして大人をリードしてくれるような「防災士リーダー」を育成して一人でも多くの命が救われるようにしていきたいです。
回答
災害発生時に落ち着いて迅速に避難行動をとるためには、あらかじめ、ハザードマップ等からどのような状況になると想定されるか知った上で、訓練等を通じて経験を積むことが重要であることから、県では、防災フェアにおいて、3Dモデルで現実に限りなく近い風景を映し出せるVr技術を活用した津波避難の疑似体験ブースを設けるほか、強い地震の揺れを体験できる起震車を県内各地の防災イベントに派遣することに加え、今年度中にVr災害体験用ヘッドマウントディスプレイを導入し、地震、津波、風水害、火災等多様な災害を臨場感のあるVr空間で体験してもらうなど、災害について知り、体験していただく機会の更なる提供に努めてまいります。
さらに、現在、県の地震被害想定の見直し作業を進めており、御提案の趣旨も踏まえながら、県民の皆様が南海トラフ巨大地震を正しく恐れ、備えを進めることができるような啓発資料の作成等にも取り組んでまいります。
また、県では特に発災直後に重要である自助・共助を担うことのできる人材として防災士の養成を推進しております。小中高生の防災士も続々と誕生しているところであり、地域の将来を担う子供たちが防災知識を習得することにより、家庭内や地域での波及効果も期待しております。