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平成29年度新規採用職員辞令交付式知事あいさつ
日時:平成29年4月3日(月曜日) 10時00分
場所:県庁本館4階 正庁
難関を突破しまして愛媛県の職員となられました皆さん、ようこそ愛媛県庁へ。県庁全員を代表して、皆さんの新しい出発を心から歓迎させていただきたいと思います。
今日は皆さん、どんな仕事、職場が待っているんだろうか、そしてまた、どういうふうにやらなければいけないんだろうか、そうした期待と不安が入り混じったような心境であろうと思いますけども、何事もスタートはそういうものだと思います。とてもやりがいのある仕事が待っていると思いますので、その点は安心して、また優しい先輩たちもきめ細かく指導してくれると思いますから、思う存分皆さんの能力を発揮すべく自己啓発に励んでいただきたいと思います。
今日から皆さんは、地方公務員になります。我々は、県民のため、そしてまた愛媛県のために尽くしていくという公僕の立場であります。通常の民間会社より、使命感を一層強く持たなければなりませんし、また、社会の目も特別厳しいものになろうかと思います。例えば、あまり良い例ではありませんけれども、交通事故を起こしてもですね、通常だったら、そう大きくニュースになることもない事故も、公務員の場合はそうはいきません。ですから、仕事を離れた私生活の面でも健全な生活を心掛けていただきたいというふうに思います。
また、今の時代というのは、公務員、そして地方公共団体のあり方というものが、大きく変貌する時期になっています。これまではどちらかといえば、霞ヶ関に集中している国の機関がさまざまな政策メニューを作り、そして地方公共団体はその中から選択をし、実施に移していく、というのが主たる仕事の本質でありました。一言でいうならばメニュー選択型の行政体というのが、その実態であったというふうに思います。しかし、国にもはやそのような余裕は、財政的にもなくなってしまいました。ということは、地方それぞれが知恵と工夫を絞って生き残っていかなければならない時代を迎えたということであります。こうした時代にありましては、地方公務員はメニュー選択型の行政をやっているだけでは済まなくなるということは、自明の理でありまして、我々の今のテーマは、政策立案型の行政体へ脱皮をするということを標榜しています。そのためには、常に感性を磨き、教養を高め、そして、幅広い分野、皆さん専門分野の方もいらっしゃると思いますけど、専門分野だけでなく、幅広い情報や知識というのを常に習得し、その中から自分の仕事に持ち込めるような新たな提案をどんどんしていただくような、そんな若い力を求めています。ぜひ皆さんの若いパワーを思う存分県庁の中で発揮していただきたいと思います。
そうした中で、最も基本になることは、言うまでもないことでありますが、あいさつをしっかりするということであります。しっかりとしたあいさつができなければ、人間的な信頼というものを得ることができないというのは間違いありません。配属された部署で誰よりも大きな声であいさつができる、まずはそんなところから気を配っていただきたいと思います。
そしてまた、配属された職場での仕事が、想像していたものと違うなというふうに感じることもあるかもしれません。しかし、県庁の仕事に無意味なものは一切ないということをぜひ覚えておいていただきたいと思います。これは参考になるかどうか分かりませんが、僕は、総合商社が社会人としての第一歩でありました。自分の当時の夢というのが、世界を股にかけて時差や言語や文化の壁を超えてビジネスをするという、そういったイメージで会社の門をたたきました。しかし配属されたのは、国内のガソリンスタンドでの販売の仕事でありました。当時、自分はこういう仕事をするために入ったのではないのにというような思いがどこかにあったに違いありません。しかし、無意味な仕事は一つもないという観点でその仕事を見つめ直すと、大変良い機会になるなということを自覚するようになりました。いきなり貿易の仕事に入った場合は、あまりにもスケールが大きいがために、パーツとしての仕事しか経験することができません。しかし、国内の小さな仕事であれば、ビジネスという最初から最後までの全てのチャートを経験できる、いわば、ビジネスの基本が学べるというのがこの部署の魅力だということに思いが至った瞬間、がぜん仕事が楽しくなりました。それがやがてステップアップして、貿易へとつながっていくことを経験しました。皆さんには、いかなることだろうと一つ一つに意味があって、そしてそれをただ単に受け身で受け止めるだけではなく、改善や改革に着手することによって面白さが出てくるということ、それは全部、気の持ちようであるということをぜひ知っていただきたいと思います。
これからさまざまなフィールドが待っていると思います。愛媛県は特に今、外に打って出るということを積極的に行っている自治体であります。部署によっては、全国そしてまた海外にフィールドを広げる職員もいます。そしてまたチャレンジをすることによって評価される仕組みも出来上がっています。そういう自治体であるということを念頭に置いて、今日から第一歩を踏み出していただきたいと思います。
繰り返し申し上げますけども、ぜひしっかりとしたあいさつからスタートしてください。皆さんが一日も早く戦力になって、愛媛県のために、そして県民のために尽力していただける日が来ることを心待ちにしています。大いに期待をしていますので頑張ってください。