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平成28年仕事始め式知事あいさつ

ページID:0010979 更新日:2016年1月13日 印刷ページ表示

日時:平成28年1月4日(月曜日)10時

場所:県庁第二別館6階大会議室

 

 

 皆さん、明けましておめでとうございます。

 年末から正月にかけて、非常に穏やかな天候が続きましたが、皆さんそれぞれ英気を養う期間になったのではないかと思います。とりわけ昨年の後半は、伊方原発の問題がありました。また、ジャンルは全く異なりますけれども、「ゆるキャラ®グランプリ」でのみきゃんへの応援も、ちょうど3カ月間ぐらい重なる時期に集中しました。いずれも、いろいろな問題はありましたが、本当に職員のチームワークよろしく、乗り越えてきたのではないかと思います。ただ、伊方原発に関しましては、正しく恐れていただくという観点からすれば、まだまだ情報の発信をこれからも丁寧に丁寧に行っていく必要があると思います。全ての県職員が、愛媛県の県としての決断がどのようなステップを踏んで、何がポイントになっているかについて、基本的なことを把握し、不安を抱える、あるいは、まだまだ情報が届いていない県民の皆さんにその話をしっかりと伝える役割を果たしていただきたいと思います。

 また、「ゆるキャラ®グランプリ」も、なぜこんなことをするんだろうというようなことを感じた方もあったかもしれません。しかし、これはあくまでも、愛媛県のPR強化のため、そしてまた、その「ゆるキャラ®グランプリ」を通じて県民の皆さんがつながっていくという、県民のコミュニケーションを強くしていくため、そういったいろんな役割があったと思います。そうした中で、本当に良い成績を収めたなと、これは本当に、今後の愛媛県のPRに必ずつながっていくのではないかと思います。

 さて、今年はですね、さまざまな課題があると思いますけれども、基本的には一昨年の就任時に掲げた基本的な政策。一つ目に防災・減災対策。これはもう県民の命を守るという最大の課題であります。それぞれのセクションにおいて、いろいろなテーマがあると思いますけれども、目標は今後10年間で、想定される死者数を8割減少させるというふうなところに持っていくためのアクションプランを作っておりますので、これを忠実に行っていくことが大事であります。同時に、先ほどの原発も含めて、万一に備えた避難体制の整備や、また、普段からこうした準備をやっておけばですね、いざというときに必ずや人命の救助率も高まるわけでありますから、そうした訓練の積み重ね、こういったことを重点的に考えながら進めていきたいと思います。

 また、二つ目の大きな柱というのは、少子高齢化を踏まえた人口減少対策であります。これは本当に由々しきテーマであり、日本全体の課題であります。人口が減少する社会において、成長していくというのは極めて困難であります。市場が縮小し、そして社会保障のシステムの存続が危ぶまれる、ちょっと想像できないような事態が襲ってくる可能性もあります。この人口減少にどう対応していくのか、これは一つには、出生率の回復、そして人口流出の抑制、さらには人口流入の促進。この三つの観点から進めていかなければなりません。これをやれば間違いないというマニュアルはないだけに、その都度、その都度、計画は立てておりますけれども、新たな視点があれば、臨機応変に対応していくことも重要です。人口減少は、中・長期的に見ても最大の、大きな大きなテーマであるということは皆さんの中に認識を強めておいていただきたいと思います。

 そして三つ目の課題が、地域経済の活性化であります。福祉をいくら充実させたくても、教育をいくら向上させたくても、地域の経済が元気でなければ、それを達成することはできません。地域の経済が元気であれば、そこに雇用は発生します。そしてまた、収入も上がります。企業の売上の増加にもつながり、そしてそれが設備投資にも回っていく。そこから税収という効果があって初めて、福祉の充実や、教育の向上に結び付けられるということを考えた場合、地域経済の活性化は、常に追い求めていかなければならない課題であります。これまでの経験則に基づくやり方だけでは、通用しない時代に入ってきました。それは、国際化の進展もそうでありますし、また、消費者ニーズの変化というのも著しいものがありますから、こちらもですね、これまでにないような発想で取り組みを進めていかなければなりません。もちろん、愛媛県は企業ではないですけれども、総合商社の感覚を持って県庁職員全員が営業マンたれ、という呼び掛けをしています。その1人1人のふるさと愛に基づく情報発信というものが、これまた、地域経済の活性化にも極めて重要な役割を果たすと考えております。そして、実際の需要をつくり出す、ここに徹底的に今年もこだわっていきたいと思います。いくら金融緩和・財政出動を進めても、それは、あくまでもカンフル剤的な経済刺激策でしかありません。本当に離陸させるには、実際の需要である実需をつくっていかなければ、浮上しないわけでありますから、このカンフル剤効果があるうちに、それができるか否かによって、県、そして日本の将来も決まってきます。今年はそういった意味でも重要な年であると考えています。また、需要面からいえば、東京オリンピックぐらいまでは、何らかの形でキープはできるのかもしれませんが、その先の見通しは全く立っていないというのが日本の現状であろうと思います。そろそろ長期的な視野というものも含めて、経済政策がどうあるべきなのかということも考えていく段階を迎えようとしていますので、愛媛県では営業と、そしてまた、県外から人に来ていただくという消費刺激策。この実需というものを追い求めるにはどうすれば良いのか、また新たなる発想というのも必要になってくると感じております。

 そして今年は、大きな取り組みとしては、いくつかありますけれども、早速3月から11月にかけ、「えひめいやしの南予博2016」というロングランイベントが始まります。加戸前知事の時代に、南予の西南地域を舞台にした町並博が開催されました。そして4年前には、宇和島圏域を中心にした、いやし博が開催されました。これは別々に開催されたわけでありますが、南予は一体的なフィールドとして捉えたほうがメニューも豊富になりますし、また、訪れる方々に大きな魅力を発信できるのではないかと考えます。特に南予は、中予や東予とまた違ったキャラクターを持っております。山、里、海の自然、そして南予独特の温かい人情に基づくおもてなしの素晴らしさ、そしてまた、豊富な食材を生かした食文化、さらには、それぞれの地域に伝わる伝統文化、こうしたものをどう磨き込んでつなぎ合わせていくのか。それぞれ南予の市町ごとに特色がありますから、大いに主人公である地域住民の皆さんをサポートする形で、この南予の活性化に結び付けるようなロングランイベントにしていきたいと思いますので、積極的な関わりを持っていただきますようお願いします。

 また、秋には、東予地域で2年前に行ったしまなみ海道のサイクリング大会を開催します。前回は、31の国と地域から7,300人の参加を得て開催しましたが、それをきっかけとして、しまなみ海道は風景がガラリと変わりました。現在では、週末には海外からも含め、大勢のサイクリストが押し寄せるような地域になってきました。あのクラスの大会は4年に1回やるのが精一杯でありますけれども、「次はいつやるのか」という問い合わせも殺到しています。その要望に応える形で、今年は4000人ぐらいの、半分程度の規模ですが、再び高速道路を開放する「瀬戸内しまなみ海道・国際サイクリング大会」の開催を予定しており、次なるステップアップに結び付けていきたいと思います。とりわけ、サイクリングを切り口とした新たな観光手法というのは、県全域に今、広がり始めています。市町の協力、合意の下に創設した昨年11月の「愛媛サイクリングの日」には、県内全市町で自転車関連イベントを実施したところであり、ほぼ県全域にわたってサイクリングイベントが展開されるようにもなってきました。また、ハードの整備も急ピッチで進んでいます。サイクリングコース26コースへのブルーラインの敷設、「えひめFreeWi-Fi」のスポット拡充、さらにはサポートするサイクルオアシスのネットワーク化、そしてまた、海外のサイクリストに迷わずに走ってもらうための案内標識など、ハード面での充実も図っているところであり、また、インターネットを通じた情報発信も大きなテーマであります。

 そして、中予では、11月5日、6日の2日間にわたり、「ゆるキャラ®グランプリ2016」の決戦投票大会を開催します。2日間で5万人を超えるぐらいの集客を見込めるイベントになろうかと思いますが、それぞれ地域ごとに実需の創出につながるようなイベント展開、そしてまた、それが目標ではなく、次のステップへの足掛かりとなるような実効性のあるイベント展開。こうしたことを通じて、地域の活性化に結び付けていきたいと思います。

 そしていよいよ、来年は、えひめ国体の本番を迎える年になります。今年はそのプレの年になりますので、それぞれの競技ごとに全国大会や、西日本大会など、たくさんの大会が愛媛県で開催される予定になっています。これも全て関わることによって本番の国体への準備につながってきます。特に、えひめ国体からは久しぶりに民泊の受け入れを実施する運びとなっております。こうしたことも含めて、これらの大会も丁寧に対応する必要がありますので、その点もよろしくお願いします。

 4月からは、国体事務局もかなり人数を増やして、いよいよ本番に向けての準備を加速させていく予定です。まず一つ目は、それぞれの種目がしっかりと運営できるような設備の充実であります。特に、問題になっていたプールにつきましては、松山市の土地を借りて、そこに仮設のプールを設置し、そしてまたそれを無駄にしないために、終わった後は、内子町にそれを渡すということで決着をみたわけですが、プールをはじめとするそれぞれの施設について、市町と協力し、万全の態勢で本番を迎えたいと思います。

 そして二つ目は、天皇杯・皇后杯獲得を目指し、選手の強化をしっかりとサポートしていくことであります。昨日は、スポーツ関係者の皆さんの年賀交歓会がありましたけれども、やはり、昨年はあの競技が相当得点を取ったんで、今年はうちががんばりますよっていう、良い刺激となった会でした。昨年、天皇杯の順位は、前年の21位から13位へ浮上しています。10位との得点差はほとんどありませんから、実質10位ぐらいまでは来ていると。ただ、その先とはまだかなりの開きがあります。ジュニアの強化、有望選手の獲得、そして指導者の配置。こうしたことを通じて、天皇杯・皇后杯獲得に向けて、選手の強化を行っていきたいと思います。

 そして、国体の三つ目の重要な課題は、受け入れ態勢の充実であります。多くのボランティアの方々の協力なしには、大会を運営することはできません。障害者の全国大会も含めて、本当に大勢の皆さんの協力がなければ成り立たないわけでありますから、その呼び掛けも県が行っていかなければなりません。皆さんが気持ちよく国体に参加をする、そして、楽しむ、充実させる、そういう空気をつくっていくことがこの1年の目標の一つにも加わると思います。スポーツには、する楽しさ、見る楽しさ、応援する楽しさ、支援する楽しさ、さまざまな角度があると思いますけれども、まさにえひめ国体はこの四つの要素を全て集約して、県民みんなでつながって盛り上げていく大きな大きなイベントだと思いますので、国体を来年に控えている重要な年であるという認識も、皆さんそれぞれが部署に関係なく持っていただきますようお願いします。

 1年というのは、瞬く間に過ぎていきます。1日1日を大切にしながら、それぞれの課題を持って今年もチームワークよろしく、この県庁のマンパワーを持ってすれば、乗り越えられない課題はないと思いますので、皆さんと一緒にがんばっていくことをお誓いしまして、年頭に当たっての挨拶とします。

 今年もどうぞよろしくお願いします。


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