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平成26年仕事始め式知事あいさつ

ページID:0010952 更新日:2014年1月16日 印刷ページ表示

日時:平成26年1月6日(月曜日) 10時

場所:県庁第二別館6階 大会議室

 

 

 皆さん新年あけましておめでとうございます。

 今年は1月1日から比較的穏やかな天候のもとで新年を迎えたと思いますけれども、それぞれ皆さん家族でゆっくりされたり、あるいは旅行へ行かれたり、英気を養う期間になったんではないかと思います。この天候のように今年は晴れやかな、そして穏やかな、そして飛躍できるそんな1年にできたらと思いますので、また力を合わせてがんばっていきたいと思います。

 少しだけ課題を整理していきたいと思いますけれども、ともかく昨年は、実需の追求にこだわる1年といたしました。国のカンフル剤的な経済政策が展開される中で、これを身のあるものにするためには実需をつくり出すことにかかっているというところから、この追求をテーマに掲げてきたわけでありますけれども、それぞれ皆さん、その言葉を受け止めて、一人の職員として、あるいは組織として、さまざまな政策提言、そしてまた展開にまい進していただきました。

 とりわけ、この経済政策というのは全ての根幹でありますから、経済の活性化があってこそ雇用も発生する、あるいは税収も上がってくる。その税収をもって福祉、教育の充実へとつながっていく。こういった関わり合いがその中にありますから、ぜひ今年1年も、さらなる実需の追求というものを一人一人が受け止めて、日々の仕事に向き合っていただきたいと思います。

 実需の創出につきましては、愛媛県の誇る中小企業の高い技術力をすご技データベースという事業に乗せて、全国そしてアジアへの展開を図ってきましたが、こうしたビジネスの創出は、多少時間のかかることでもありますけれども、種まきが実を結ぶ段階を迎えてまいりました。個々の企業の報告を聞いておりますと、正規の成約につながった案件が出てきたところであり、その技術というものを新しいジャンルにつなぎ合わせることによって、地域経済の活性化に結び付くことを実感したところです。

 愛媛県は何といっても基幹産業は一次産業でありますから、これにつきましては、ブランド化の追求、そして販売戦略の展開。また、先ほどのものづくりと一次産業と観光を合わせた営業本部の展開というものをスクラムを組みながら進めてきましたが、営業実績は新規成約件数も大幅に伸びておりまして、1年半で20億円の新規ビジネスの創出につながったところです。将来的にはやはりこれを50億、100億と、あくまでも高い目標を掲げながら、それは取りも直さず最終的には愛媛県の財政にも寄与しますし、愛媛県の未来を切り開いていくことにもつながるということを、ぜひ受け止めていただきたいと思っております。

 一方で、未知なる課題も山積しています。その一つが少子高齢化社会の到来に向けてさまざまな制度変更というものを余儀なくされている時代を迎えたことです。国におきましても、この超高齢社会を乗り切るための社会保障制度の全面的な抜本改革、これは着手せざるを得ない段階を迎えようとしていますので、大幅な変動があるかもしれません。県庁、ダイレクトで言えば国民健康保険の取り扱いなどもその一つの例でありますけれども、いわばマニュアルのない、しかも経験のない、超高齢社会への対応については、大きな大きなテーマになってきますので、その中で地方はどうあるべきなのかということを常に念頭に置きながら、国の動向に向き合っていく必要性が高まってきているようにも思います。ぜひそういった知恵を結集していただきたいと思います。

 また、今年はエネルギーの問題も焦点となると思います。御案内のとおり、愛媛県には伊方原子力発電所がありますけれども、これにつきましては当初掲げた方向性、基準というものをしっかりと守りながら、ぶれない姿勢で進んでいくことが大切だと思います。すなわち、それはエネルギー政策をつかさどる国の方針がいかなるものなのかという確認、そして電力事業者の姿勢がいかなるものであるかという追求、そしてそれらを受けて県民の意見というものを、もちろんこれは片方に集約されることはないと思いますけれども、それらを総合的に勘案しながらどうすべきかということを考えていく年でもあろうかと思います。現段階では国の方針がはっきりしていませんから、この問題については白紙ということを言い続けておりますけれども、この2年間の筋道を立てた姿勢というものを貫き通していくことが、この問題を考えるときに極めて重要であると思っております。

 また、昨年は災害対応についてさまざまな展開をしてきましたが、これは県民の安全・安心を守るという観点からも極めて重要なテーマであります。教育委員会においては、計画どおり、いざというときの拠点になり得る学校の耐震化を前倒しでスピーディーに、そして確実に進めていただくことが重要でありますし、特に津波の到来が予想される地域においては、命を守るためにどうするべきなのかという観点で公共事業を考えていく必要があります。市町との連携によりまして、今年度末でとりあえずの緊急の緊急の避難道路につきましては、数百箇所全ての作業が終えようとする段階を迎えます。いわば何かあったときに、ともかくその緊急の避難路を使って逃げる。そのことが命だけは少なくとも守ることにつながるということで、整備を進めてきているところでありますが、非常にこれはスピーディーに市町連携のもとに進められてきたのではないかと思います。

 一方で大きな課題も残っております。高速道路のミッシングリンクの解消の問題。そしてまた大洲・八幡浜自動車道に代表されるような避難路。そしてまた地域の活性化にもつながるであろう道路の完成の推進への問題。こうした愛媛県の長年にわたって取り組んできている課題についても、大いに向き合っていく必要があるのではないかと思います。

 こうしたことを総合的に進めていくためには、やはり常に組織がしっかりしていなければなりません。行政改革はゴールなき課題でありますけれども、特に市町との連携が重要であるということを申し続けてまいりました。上下関係ではなく役割分担の上に全ての作業が進んでいく。そのことによって二重行政という言葉に代表されるような無駄を廃していく。さらには協力体制を追求していくことによって、1足す1を2から3につなげていくような取り組みも可能であると思っております。これは全て将来を切り開いていくための作業でありますし、こうしたことを前向きに行うために来年度は第2回目の行革甲子園も実施する予定になっておりますので、20市町との連携も各部署で共通課題として受け止めておいていただきたいと思います。

 また、公営企業では県立病院。これは災害があったときの拠点にもなりますし、いわば基幹病院、県民の命を守っていく場所であります。その整備、第一段階は昨年終えましたけれども、最終形態まで、まだまだ課題もあると思いますので、施設を造るだけではなくその拠点をどう生かしていくのかということについて、しっかりとした対応をしていただきたいと思いますし、総合的に考えますと、国の研修医制度に端を発した地方の医師不足、これは本当に深刻であります。このことについては、県内の病院、また医師会、全ての連携をもって、愛媛らしいやり方でこの問題に向き合っていく必要があると思います。

 そして、教育委員会につきましては、子どもたちは将来を担っていく宝でありますから、どう育てていくのか。これは学校現場だけの問題ではなく、家庭と地域と学校がどう連携をしながらお互いの良さというものを持ち寄って、子どもたちの健全な成長につなげていくかが大きなテーマになっていると思いますので、そのためにも常に開かれた学校を目指していただきたいと心からお願いを申し上げます。

事程左様に、さまざまな課題がありますが、この3年間県庁で仕事をさせていただきまして、繰り返し申し上げますけれども、ほかの経験があるが故に、比較論で申し上げますと、県庁職員さんのマンパワー、これは非常に高いものがあることをつくづく感じています。要はその高いマンパワーをどう生かしていくかは、組織でありますので、そのためにも同じような根本理念を共有しながら、そしてまた明確な目標を共有しながら進んでいくことが大事になってまいります。

 そこで今日は最後に新採職員に言っていることを2点ばかりお話して終わりたいと思いますけれども、一つは仕事がある喜びをかみしめていただきたいということです。かつて私はそういった組織で長くやってきたわけではありませんから、途中段階、約5年間は今日何をすればいいのかという日々を過ごしたことがあります。朝起きて、何をしたらいいのかということを考えざるを得ない日々のつらさをそのとき痛感いたしました。その経験があればこそ、今はいかなるトラブル、いかなる問題、いかなる難題が目の前にあろうとも、朝起きてやることがないよりはよっぽど幸せだということを感じるようになりました。いわば皆さんの仕事でも、決して全てが物事うまくいくとは限らないと思います。いろんな難題に向き合うこともあると思います。しかしそのときに思い出していただきたい。難題といえどもやることがあるのです。難題があればこそやることができるのです。それはやることがないよりよっぽど幸せなことだということをぜひ思い起こして、こうした課題に向き合っていただきたいことが一つです。

 そして、もう一つは最初に明るくやっていこうということを申し上げましたけれども、これもまた大事なテーマであります。仕事は大まかに言えばやらなければならないと思っている仕事と、やってみたいなと思える仕事と、二つに分かれていくと思います。もちろん楽しく前向きにやるためには、やってみたいなと思える仕事が多ければ多いほどその空気は拡大していくものでありますけれども、しかしここで考えていただきたいのは、物事は見方によって大幅に変わるということであります。昨日まではやらなければいけない仕事と思っていたテーマも、角度を変えてここをこうしたらどうなるのだろう、ここをちょっと工夫したらどんな変化が訪れるのだろう。こんなふうに向き合っていくと、やらなければならないなと思っていた仕事をものの見方によって、やってみたい仕事に変えていくことはできると思います。常に自分もそういう感覚で物事を見ているのですが、こうした自分自身の工夫によって、自らの力で、やりたいなと思える仕事を増やしていくということ、これをぜひ皆さん一回考えてみていただきたいと思います。その比率が高まっていけば、本当に前向きな仕事というものの空気が醸成されていくと思いますので、そこから明るさも生まれてくると思います。

 こうしたようなことを今日はあえて申し上げましたが、この1年間、県民の期待も大きいと思います。しっかりとした考え方に基づいて、そしてやることがあるという幸せをかみしめて、そしてやりたいなという仕事を増やしていくという心構えを持って、あらゆる課題にチャレンジをしていきたいと思いますので、1年間チームワークよろしく一緒にがんばりましょう。

 今年もどうぞよろしくお願い申し上げまして、年頭に当たっての挨拶とさせていただきます。


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