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県政発足150周年記念式典知事式辞
日時:令和5年2月20日(月曜日)13時00分
場所:愛媛県県民文化会館
本日、愛媛県政発足150年記念式典を挙行いたしましたところ、御多用にもかかわらず、このように多くの方々に御臨席を賜り、心から感謝を申し上げます。
御案内のとおり、愛媛県は、明治4年の廃藩置県により設置された伊予八県が松山県、宇和島県となり、それぞれ石鐵県、神山県に改称された後、両県が明治6年2月20日に合併したことをもって誕生し、本日で150年を迎えました。
この間、あらゆる分野で近代化が進められた明治時代に始まり、2度の世界大戦や戦後復興、高度経済成長、更には、バブル経済の崩壊とその後の低成長期など、いくつもの歴史的な転機があり、社会経済情勢はめまぐるしく変化して参りました。
こうした中、本県が今日に至るまで発展を続けることができましたのは、地域に誇りと愛着を持ち、よりよい社会を築くため、数々の困難を乗り越えながら、未来を切り開いてきた先人の不断の御努力のたまものであり、今を生きる私たちは、このことを深く胸に刻み、ふるさと愛媛の輝かしい歴史と伝統を次の世代にしっかりと引き継いでいかなければなりません。
本県が誕生した明治期を舞台とした司馬遼太郎氏の小説「坂の上の雲」では、愛媛出身の秋山好古・真之兄弟、正岡子規の3人の人生をたどりながら、激動の時代において、先の見えない状況にあっても、高い志をいだき、まっすぐに夢と理想を追い求める若者たちの生き様がえがかれております。
現在、我が国は、3年余りにわたるコロナ禍に加え、ロシアのウクライナ侵略にともなう国際情勢の不安定化や物価の高騰、急速に進む人口減少など、複数の大きな変動要因に直面し、先行きが見通しにくい大変難しい時代を迎えておりますが、このたびの県政発足150年という記念すべき節目に当たり、これからも「坂の上の雲」の主人公たちのように、坂の上の「一朶(いちだ)の雲」をつかむという気概を胸に、難局に立ち向かい、県民の皆様とともに「愛顔(えがお)あふれる愛媛県」の実現にまい進する決意を新たにしているところです。
また、本日、長きにわたって県行政に多大な御貢献をいただきました方々を表彰申し上げますことは、誠に意義深く、喜びにたえません。
受賞者の皆様方におかれましては、日々のたゆまぬ御努力により、教育文化をはじめ、地方自治や社会福祉など、さまざまな分野で優れた業績を上げられ、県勢の伸展に寄与されますとともに、本県の歴史に大きな足跡を残されました。
ここに、県民を代表し、皆様の御功績と御労苦に対しまして、深く敬意と感謝の意を表します。皆様方には、今後とも、長年つちかってこられた知識と経験を生かし、ふるさと愛媛の発展にお力添えをいただきますようお願い申し上げます。
終わりに、これまで県勢の伸展に御尽力を賜りましたすべての方々に、改めて心から感謝いたしますとともに、御出席の皆様方のますますの御健勝と御多幸を祈念申し上げまして、式辞といたします。