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令和5年仕事始め式知事あいさつ

ページID:0010900 更新日:2023年1月10日 印刷ページ表示

日時:令和5年1月4日(水曜日) 10時30分

場所:愛媛県庁本館3階 知事会議室

 

 皆さん、明けましておめでとうございます。

 三が日も、非常に天気の良い日が続きまして、ウィズコロナで人出も多かったようですが、コロナ対応は休日待ったなしで続いており、医療関係者の皆さんは、年末年始も含め、連日の対応に追われています。そのことを忘れないように、われわれもしっかりとバックアップをしなければという強い思いを共有していただきたいと思います。

 12月1日から、「新ステージ」とあえて銘打ちまして、新たな県政をスタートさせていただきました。先月から実施している課長級昇任試験の面接で、いろいろとやり取りがあったのですが、もう少し「新ステージ」の意味を共有していただけたらというのが、率直な思いであります。まさに、同じ意識を持って進んでいくということが、チーム力を発揮するには欠かせないと考えておりますので、その点、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。

 いろいろな課題がありますけれども、特に、公約でも触れさせていただきましたが、コロナの影響は、今後あらゆる場面に広がってくると思います。

 また、ロシア・ウクライナ情勢のもたらす影響、さらには、上半期に気を付けなければいけないこととして、中国の経済情勢が非常に大きな課題になってくると感じておりますので、このあたりも十分情報をキャッチしながら対応していく必要があります。

 そして、デジタル進化、人口減少と、課題は目白押しでございますが、まずコロナについて、先ほど申し上げましたように、いまだに第8波、その渦中にあって、今日からさらに感染の人数が増えていく可能性は十分にあると思っています。

 また、ウイルスの特性が随分と変容してきましたので、対応の仕方も変わってきていますが、病床使用率も8割を超える状況になっておりますし、ご高齢の方、基礎疾患のある方は、残念ながら、尊い命を失われるということも、全国的にも続いている状況であり、決して油断ができない日々が今後ともしばらく続くことを覚悟しなければなりません。

 そういった中で、コロナだけにとどまらず、あらゆることに目配りをしていかなければなりませんが、特にコロナで打撃を受けた経済情勢、今後どう盛り返していくか、これにはさまざまな手法があると思いますけれども、先ほど申し上げた変動要因がそれぞれ影響を与えていきますので、これらを一つ一つ分析しながら、的確かつタイムリーなきめ細かい政策を打つ必要性が出てきております。この点も十分に考えていく必要があろうかと思います。

 また、前回の第3ステージで最大の課題として掲げた西日本豪雨災害からの創造的復興につきましては、被災した県管理道路全200カ所以上の復旧工事が完了し、農地・農業用施設の復旧についても9割方が完成、そして時間を要するかんきつ園地の再編復旧工事も全ての地区でスタートをするという状況になりましたが、まだ、終わったわけではありません。6戸の方々が仮設住宅での生活を余儀なくされておりますし、肱川の河川整備等も重要な課題として残っており、こうしたことにしっかりと対応を続けていく必要がございます。しかし、4年間で本当に大きな山は越えたと思いますので、関係した全ての職員の労をねぎらいたいと思います。

 そして、4点目は海外戦略を本格的にスタートさせなければならないということであります。日本の総人口が減るということは、国内のマーケットが縮小する。それを打開するためには、新たなマーケットの開拓が必要不可欠です。ちょうど先般、昨年のベトナム訪問で実現したチャーター便が双方行き交いましたけれども、台湾にも年末行ったことによって、チャーター便のさらなる増便というようなこともこれから課題になってまいります。また、1月には、状況が許せば韓国およびインドネシアを訪問して、次なる手を打っていきたいと思いますし、来年度からは、インドという世界最大市場のきっかけを作るということにも取り組んでいきたいと考えています。この海外戦略というのは、当然のことながら、観光面だけではなく、ビジネスチャンスの創出を通じて、県内の中小企業、あるいは生産者のバックアップをするということも、大きな課題であります。中国市場の越境ECについても、順調な実績でスタートを切っておりますが、これからそれをさらに物にしていくための大事な時期に入ってまいりますので、ぜひ、担当部局にがんばっていただきたいと思います。

 さらに、大きな宿題である三つのミッシングリンク、社会基盤の問題でありますが、いよいよ、宿毛と愛南を結ぶ新規事業が始まってまいります。宇和島までの延伸が完了し、その先の愛南町が視野に入ってきますので、今から、開通したときの準備も含めて、愛南町と連携しながら進めていく必要があるかと思います。また、大洲・八幡浜自動車道につきましては、八幡浜道路の開通が目前に迫ってまいりました。引き続き、夜昼道路、大洲西道路、この全線開通に向けて、準備をしっかりと進めていかなければなりません。今治小松自動車道も然りであります。そして、もう一つがJR松山駅付近の高架事業でありますけれども、国と県がしっかりと連携して完成に向かって前進をしていくという、大事な時期を迎えています。まだ、松山市のまちづくりのプランが分かりませんけれども、陸の玄関口として、愛媛県の将来の鍵を握る事業になるのではないかと思いますので、しっかりと県の責任は果たしていきたいと考えています。

 また、人口減少につきましては、これは全国的な課題でありますけれども、本当に担当部局ががんばってくれました。そして、市町との連携が強みを発揮していると思います。昨年度の移住者数は4900人となりました。今年度も、上半期で3200人と、前期を上回るペースで推移しておりますので、コロナ禍での人々の意識の変化を考えますと、首都圏から地方への移住を進めるチャンスが来ているということだけは間違いない。この点は、今回の公約でも、大阪圏を攻めるということを示しておりますので、しっかりとその先、さらなる飛躍を目指してがんばっていきたいと思います。もちろん人口減少対策は移住だけではありません。出生率のアップ、さらには流出の抑止、この3方向からしっかりとプラニングをして、愛媛県の人口減少対策、本腰を入れて動かしていきたいと考えています。

 そして、次にデジタル化の推進でございます。このことにつきましては、皆さんご存じのとおり、すさまじいスピードで進んでいます。5年前に5Gの端緒が見えたときに、県では、いち早く手を打ちましたけれども、ちょっとでも油断すれば、すぐに追い付き、追い抜かれていく状況であります。県庁の第二別館の建て替えも含めて、最先端の県庁を築き上げるという壮大な目標に向かって進めていきたいと思います。行政のDXは、県民の利便性を向上させるということを目標にし、暮らしのDXにおいては、県民の生活の質の向上に結び付けていく、そして、産業のDXについては、県内の企業の競争力を高めるということにつなげていく、それぞれアプローチの手法は違いますけれども、デジタル化の推進が今後の県政の飛躍の鍵を握っていることだけは間違いないと感じておりますので、全庁を挙げて取り組んでまいります。

 そのほかにも、県立学校の再編問題等も含めて、さまざまな課題があります。また、事務職だけでなく、技術職も本当に頑張ってくれており、ここ数年でも、それぞれが競い合うように新しい品種の開発を進めてくれています。「さくらひめ」然り、「愛媛あかね和牛」然り、さらには、「ひめの凜」然り、そして、かんきつにおいては「紅プリンセス」ももうすぐ誕生するという段階を迎えていますけれども、全ての職員が、愛媛県の未来を担っているんだという強い使命感を持って、今年新たにスタートを切りたいと思います。

 「新ステージ」という、「新」の文字を使った意味を、この年初に当たって、しっかりと共有していただき、結果を残していきたいと考えておりますので、この一年、どうぞよろしくお願いします。頑張りましょう。


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