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中小企業の価格転嫁支援に関する記者発表の要旨について
日時:令和6年12月26日(木曜日)11時17分~11時25分
場所:知事会議室
(愛媛新聞(幹事社))
続いて、中小企業の価格転嫁支援についてですが、会見終了後、記者室で担当課によるレクがありますので、詳細な質問はそちらでお願いします。それでは知事、お願いします。
(知事)
はい。まず、一つ目のスライドを見ながらですけれども、原材料価格等の高騰の影響によりまして、県内企業では依然として厳しい経営環境が続いているのはご案内のとおりです。そういう中で、企業の競争力強化と経営基盤の安定を図る必要があると考え、県では、国の方での新たな総合経済対策に即応した12月追加補正予算が成立しました。
これによって、エネルギー価格高騰への影響緩和策を始め、業務効率化や省力化に資する設備投資への支援など、企業の持続的発展に欠かせない生産性向上や、賃上げの促進につながる本県独自の対策にも取り組むこととしております。国の制度から漏れたところへのフォロー、例えばLPガスの高騰対策であるとか、こうしたものがメニューに入っていませんから、そういったところをきめ細かく対応するということでございます。
次に、企業の収益力の維持・向上には、エネルギー価格や原材料費、労務費等の上昇に伴うコストの増加分、これを商品やサービスに適切に価格転嫁をすることが、企業が継続するためには不可欠でございます。しかしながら、県の調査では、物価高騰への対策として販売価格を引き上げた企業は6割以上に上っている一方で、価格転嫁率が50パーセント未満にとどまっている企業も5割を超えておりまして、十分な価格転嫁が、なかなかビジネス、シビアですから実現していない状況が明らかになっております。これについて、価格転嫁に向けた価格交渉では、原材料等の価格推移を客観的に示すこと、これすごく大事な視点だと思います。しかし、適正な価格転嫁が進まない要因の一つとして、受注者と発注者の双方が、適正価格や物価高騰に関するエビデンス、データですね、これを十分に把握できていないケースもあるのではなかろうかと思います。
そこで、県内企業の価格交渉力を高めて、適正な、あくまでも適正な価格転嫁を進めるための仕組みをデータ提供によって整備いたします。実はこれ、埼玉県のご協力をいただいてます。埼玉県が開発、そして提供している「価格交渉支援ツール」というのがあったんですけれども、実はこれ、今年の8月の全国知事会のときに、直接大野知事に、愛媛で活用させていただきたいということをお願いいたしました。その場で、もうすぐに担当同士で話してもいいですよというご返事をいただき、今回無償で埼玉県からこのツールの活用の許可をいただいたところでございます。そこで、これを本県のホームページからも利用できるようにいたしました。
このツールでは、鉄鋼や木材、小麦粉などの原材料価格、輸送費や広告費といったサービス価格など1420項目と人件費の値動きの状況、客観的なデータですね、これをパソコン上で把握することができるようになっています。また、業種や業態に応じて、必要な原材料などの項目を選択するだけで、それらの価格推移をグラフ化した資料を簡単に作成することも可能な仕組みとなっています。このデータ、国が公表する全国で使えるデータを掲載しておりまして、データの信頼性も担保をされております。
加えて、これに本県独自の改良を施しまして、造船や紙・パルプ、繊維など県内主要産業ごとに、関連する原材料や人件費の価格推移をあらかじめグラフで示したテンプレートを作成いたしました。このテンプレートはスマートフォンからも確認することができますので、埼玉県が開発したツールを、県のちょっとテコ入れをした上で、県内企業の皆さんがより利用しやすい形で提供したいと思います。これらのツールやテンプレートは、県のホームページのほか、本年1月、県とともに「円滑な価格適正化の実現に向けた共同宣言」を行った県内の経済団体および労働団体においても、本日から運用を開始したいと思います。受注者側、発注者側を問わず、県内企業の皆さんには、どうぞご活用いただきたいと思います。以上です。
(愛媛新聞(幹事社))
ただ今の発表事項に関しまして、質問のある社はお願いします。
(愛媛新聞)
愛媛新聞社です。先ほど支援ツールのお話がありましたけれども、企業がですね、価格転嫁が十分にできない要因というものは知事はどうお考えで、この支援ツールを導入するとこれが解消されるというお考えなのでしょうか。
(知事)
いや、それは分かりません。あくまでも民民のビジネスの話ですから。ただ、そういった交渉事を進めていくにおいて、やっぱりこういう客観データというものがなかなかどこに行ったらあるのだろうか、あってもバラバラに入手しないといけないというところが、現実に照らし合わせた交渉を進めるにあたって障害になっていた可能性は否定できないので、それをサポートするということでございますので、これを活用して、あくまでもこれは民民の交渉事になるので、そこからどういう結果につながるかというのは、ちょっとこの段階では予測ができません。
(愛媛新聞)
ありがとうございます。
(知事)
ただあの、事前にこんなことを考えているということを経済団体等にお話しましたら、もうぜひやってもらいたいという声が届いていますので、これはすぐにやりたいなというふうなことで、今日発表となりました。
(愛媛新聞(幹事社))
各社さん他によろしいでしょうか。
(知事)
だからあの、ここに、これは本当に埼玉県が作ったものですから、愛媛で見てもここに埼玉県というのは残したいというふうに思います。
(南海放送)
すみません。南海放送です。今、埼玉県から無償でということだったんですけれども、埼玉県では何かしらの効果が出たりしているのでしょうか。
(知事)
いや、それはちょっと直接には聞いていませんけれども、非常に経済界としては歓迎の声が上がっているというふうには聞いています。
(愛媛新聞(幹事社))
他によろしいでしょうか。
(知事)
それと、先ほどのデータは埼玉県の方で適宜、変化があった場合は更新をされていきます。だから、そこはもう本当にありがたいことに、大野知事に感謝をしております。
※議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。