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愛媛県海洋プラスチックごみ総合調査の令和2年度の結果をお知らせします
愛媛県では、海洋プラスチックごみの効果的な削減につなげていくため、令和2年度、新たに県内7地点におけるマイクロプラスチックを含む漂着ごみと漂流ごみの調査や、肱川を対象に、河川から海域へのプラスチックごみの流出状況等の調査を行った結果をとりまとめました。
調査結果の概要
愛媛県海洋プラスチックごみ実態把握調査
1.調査地点(7箇所)
地域 |
漂着ごみ調査 |
漂流ごみ調査 |
---|---|---|
東予 |
大三島大見地区海岸(今治市) | 斎灘(安芸灘) |
東予 |
河原津海岸(西条市) | 燧灘 |
中予 |
新川海岸(松前町) | 伊予灘北部 |
中予 |
高野川海岸(伊予市) | |
南予 |
伊方越鯛ノ浦(伊方町) | 伊予灘南部 |
南予 |
三浦半島下波大池地区海岸(宇和島市) | 宇和海北部 |
南予 |
船越海岸(愛南町) | 宇和海中部 |
南予 |
宇和海南部 |
2.漂着ごみ調査結果
ア 漂着ごみの量
ごみの量は、全地点とも「プラスチック」が最も多く、東中予と比べ南予が2~5倍程度多い。また、南予では「発泡スチロール」の割合が高い。
イ プラスチックの分類ごとの割合
個数では、河原津海岸(西条市)を除く6地点で「漁具」の割合が最も高い。
重量では、南予の3地点では漁具の割合が約半数を占めている。
漁具については、ほとんどの地点の個数で「カキ養殖資材」が高いが、三浦半島(宇和島市)では「発泡スチロール破片」の割合が最も高い。東予と南予で漁網やロープ類の割合も高い。
3.漂流ごみ調査結果
人工物の個数は、燧灘が最も多く、次いで宇和海中部、安芸灘、伊予灘南部・北部の順となっている。
安芸灘、宇和海中部では、「発泡スチロール」が最も多く、漁業経営体数と相関関係がある。
4.マイクロプラスチック調査結果
海岸部では、南予の宇和海側は、他の5地点と比べ、約9倍である。多かった材質はポリスチレン(主な用途は発泡スチロール等)及びポリエチレンテレフタレート(主な用途はペットボトル等)である。
沿岸部では、燧灘と伊予灘南部の2地点が、他の5地点と比べ、5倍以上多い。
マイクロビーズや人工芝はいずれの地点からも検出されていない。
プラスチックごみ漂流モニタリング調査
実施河川等
実施河川 肱川(大洲市)
肱川(大洲市)、鹿野川ダム直下~肱川河口
流下動向
模擬ごみが鹿野川ダムから河口までの流下に要する日数は、108~212日。
模擬ごみは、植生等に滞留し、継続して流下することは少なく、ダムの放流や降雨による水量の増加等により再流下することが多い。