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事業系食品ロス削減課題検証事業報告書について

ページID:0009759 更新日:2022年4月1日 印刷ページ表示

 県では、循環型社会づくりと脱炭素社会づくりの実現のため、令和3年3月に策定した「県食品ロス削減推進計画に基づき、「もったいない」と「おもいやりの心」をもった県民運動として、オール愛媛による食品ロス削減運動を展開しています。
 この度、事業系食品ロス削減を図るため、一般社団法人愛媛県中小企業診断士協会に委託し、県内食品製造事業者における事業系食品ロスの課題及び解決策を検証しましたので、本検証結果をご活用ください。(詳細については、以下の報告書をご参照ください)

アンケート調査結果に基づく課題分析

  • 愛媛県の「水産食料品製造業」、「清涼飲料製造業」、「酒類製造業」、「パン・菓子製造業」、「調味料製造業」、「野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業」、「その他食料品製造業」の計104事業者にアンケート調査を実施し、61事業者から回答。
  • 食品ロス発生工程は、「製造・加工」が32件と最も多く、次いで「原材料下処理」が9件を占めた。
  • 「製造ロス削減」に取り組む事業者が半数以上を占める中、「発注時期・数量・ロットの適正化」、「需要予測の精度向上」、「不良品発生要因の解析と対策」、「製造ロスの削減」が今後の課題と認識されている。
  • 「需要予測の精度向上」、「不良品発生要因の解析と対策」が食品ロス削減につながりやすいと分析される。
  • 全体の半数以上が食品ロスの再生利用に取り組んでいる一方、3分の1の事業者では再生利用の取組みが進んでいない。
  • 子ども食堂・フードバンク等への寄付提供を行っている事業者は、1割に満たない状況であり、事業系未利用食品を有効活用するため、フードバンク活動団体等への寄付提供を促進することが必要である。

ヒアリング結果に基づく課題分析

  • アンケート調査の結果、ヒアリング調査に協力可能な事業者16社を対象として、詳細なヒアリング調査を実施。
  • 業種共通の発生理由として、「原材料保管での品質低下」、「仕入れ都合による原材料余剰」、「受注ロットと生産ロットのギャップ」、作業員のスキル教育が要因の「作業ミス」、「加工ミス」、「人為的作業ミス」、賞味期限に関連する発生理由が挙げられる。
  • パン・菓子製造業では、賞味期限前でも返品対応を求められるなど賞味期限に関する商習慣が発生理由に挙げられる。

食品製造事業者における食品ロス削減に向けた取組み

<現状・今後の取組み>

  • 製造工程の見直し、改善
  • 需要予測の精緻化
  • IT活用した取組み(「製造・販売データ管理」、「IT活用した需要予測向上」)
  • 作業者のスキル教育
  • 賞味期限延長の取組み
  • 取引条件の見直し

<現時点で取り組めていない内容>

  • 食品ロス、残さの再生利用(肥料・飼料化、新商品開発)
  • フードバンク、子ども食堂への提供
  • 原材料、製造加工特性による改善困難な要因への対策
  • 食品ロス量の把握(事業者で対応にばらつき)
  • 現状の事業利益から見合わない対策(投資コストが大きい)

食品製造事業者における課題の解決策

 食品製造事業者は、食品ロスを削減するため、「新商品開発」、「需要予測の精度向上」、「新設備導入による製造工程見直し、改善」、「AI等技術活用による不良品発生要因の解析・対策」に取り組むことが必要。

  • 新商品開発
    • 長期保存を目的とした新商品開発
    • 食品ロス・残さの活用した新商品開発
    • 産学連携に向けた支援の強化
    • 「異なる市場に向けた製品開発」、「事業者間連携」、「産学連携」が重要な取り組み
  • 需要予測の精度向上
    • 需要予測の精度向上には、IT活用、システム導入が不可欠
    • サブスクリプション型サービスの活用、補助事業等の公的支援策の活用による円滑なシステム導入
  • 新設備導入による製造工程見直し、改善
    • 歩留まり向上、省人化といったコスト削減効果に加え、商品価値の向上、新商品の提案
    • ものづくり補助金等の支援制度の活用
  • AI等技術活用による不良品発生要因の解析・対策
    • 製造・加工工程の自動化
    • 属人化の排除、作業工程の改善
    • 作業の正確性・安定性・迅速性の向上
    • データ蓄積により更に改善(好循環)

報告書

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