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令和5年度9月補正予算案(釜山線新規就航関係分)の追加に関する記者発表の要旨について
日時:令和5年9月13日(水曜日)13時45分~14時00分
場所:知事会議室
【記者配布資料】
- 松山-釜山線の新規就航について[PDFファイル/77KB]
- 松山空港国際線による経済効果について[PDFファイル/84KB]
- 令和5年度9月補正予算(案)の概要(釜山線新規就航関係追加予算)[PDFファイル/822KB]
- 令和5年度9月補正予算(案)個別事業説明書【PR版】(釜山線新規就航関係追加予算)
- 令和5年度9月補正予算(案)の部局別事業一覧(釜山線新規就航関係追加予算)[PDFファイル/178KB]
- 令和5年度会計別予算の規模・9月補正予算款別一覧表(釜山線新規就航関係追加分)[PDFファイル/68KB]
- 令和5年度会計別予算の規模・9月補正予算款別一覧表(釜山線新規就航関係追加後)[PDFファイル/68KB]
(南海放送(幹事社))
それでは松山空港国際線に関する臨時記者発表を始めます。それでは知事、よろしくお願いいたします。
(知事)
先日、ソウル線の初めてのデーリー化を発表させていただきました。その決定に続きまして、昨日、韓国のLCCエアプサンから、本県と釜山を結ぶ新規路線の就航を決定したということの連絡をいただきましたのでお知らせいたします。
就航日は11月10日金曜日からになります。水曜日、金曜日、日曜日の週3便での運航を予定しておりまして、ダイヤ等の詳細は配布資料のとおりでございます。
なお、松山空港における国際線の新規の就航は4年ぶりとなります。特に釜山との定期便は、中四国の空港では唯一となる路線でございます。また、今回の就航により、デーリー化するソウル線と合わせまして、松山空港では過去最多となる週10便の国際線が運航されることになります。
釜山は、これまでもお話させていただきましたが、韓国第2の都市で、周辺都市を含む商圏人口はだいたい約800万人となっております。近年では、2030年の国際博覧会、万博の誘致を目指して、新たな国際空港の建設計画も進められています。また、世界有数の貿易港を有しておりまして、従来より本県との海運関係でのつながりが深いことから、県では、韓国からのインバウンド需要の更なる取り込みに向け、ソウルに続く新たな市場として、早くから注目してまいりました。今年、私もあちらに伺いまして、韓国で人気のゴルフ旅行をフックに本県の魅力等をPRしてきたところであります。
こうしたことを受けまして、本年7月から8月にかけて、当面、地元の旅行会社、それからエアプサンによるチャーター便の運航が決定したことはご案内のとおりであります。これを定期便就航への好機と捉えまして、エアプサン本社にもまいりまして、また、あちらのゴルフ場、観光協会にも行ってまいりました。そこでトップセールスを実施させていただき、誘致活動を続けてまいりました。
その結果、国の松山空港事務所やCIQの機関、グラハン事業者などの関係機関のご協力等も得られまして、今回の就航決定につなげることができましたんで、本当に関係者に感謝を申し上げたいと思います。
定期便就航後、県では、インバウンド利用の促進に向けまして、現地の旅行会社と連携し、松山近郊だけでは、リピーター確保にはつながりませんので、県全体の観光コンテンツの認知度向上を図って、リピーターの増加につなげるとともに、冬でも温暖な気候を生かしたスポーツ合宿の誘致にもチャレンジするなど、新たなアプローチによる誘客にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。
また、安定運航には、アウトバウンド利用の促進も欠かせないことから、県内の旅行会社と連携しまして、釜山市内の観光スポットはもとより、近郊にある韓国最大の仏教建築の「仏国寺」など、世界遺産が集積するエリアを積極的にPRするほか、デーリー化するソウル線と組み合わせた旅行商品の造成等も考えられますので、取り組んでいきたいと思います。さらに、アジア最大級のK-POPコンサートや、韓国ドラマ・映画のロケ地として人気の広安大橋の夜景など、若者に人気の観光コンテンツをSNS等で発信し、若年層の利用促進にもつなげていきたいと思います。
合わせて、釜山線の新規就航に伴う経済効果につきましては、民間シンクタンクの試算によりますと、お手元の資料のとおり、県内に年間、約15億7千万円の経済効果をもたらし、これに、先日発表させていただきましたソウル線のデーリー化に伴う効果、約32億7千万円を合わせますと、2路線の合計でだいたい、約48億円と試算されております。
県民の皆さんには、松山から、釜山はより近い場所ですから、わずか1時間で行くことのできる海外、釜山へぜひお出かけいただき、ソウルと合わせて、韓国の魅力に触れていただきたいと思います。
次に、お手元の横長資料の1ページをご覧いただきたいと思います。今回の補正予算の事業を説明させていただきます。まず、新規就航に合わせて、旅行商品の造成支援や航空会社と連携したプロモーション等を展開し、インバウンド・アウトバウンド双方で利用促進や路線の認知度向上を図るとともに、空港での地上支援業務であるグランドハンドリングに必要な経費を支援しまして、路線の安定就航を図ってまいります。
また、松山空港ビル株式会社が国際線航空会社に対して行います空港施設利用料や着陸料等への助成相当額を支援し、松山空港国際定期航空路線の維持を図っていきたいと思います。
最後に、2ページをご覧いただきたいと思います。この結果、今回の追加の補正予算は、一般会計で1億2076万円となっております。なお、今回の追加補正予算案については、今定例会中に追加提案させていただく方向で議会と調整を進めているところでございます。
以上です。
(南海放送(幹事社))
ただ今の発表事項につきまして、質問のある社はお願いします。
(南海放送)
南海放送です。国際線に関して、県政の攻めの姿勢を感じるんですけれども、改めて、県政にとって国際線の位置付けについて、どのように感じてらっしゃいますでしょうか。
(知事)
そうですね。もちろん、これは経済効果ということが第一でありますけれども、それだけにとどまることなく、特に若い世代、これから国際化はますます進んでいきますし、早い段階で異文化、異言語、異国、その空気に触れるということが視野を広げることにもつながりますんで、そうした、まあなんというんですかね、人材育成にも大きく寄与することにもなるんではなかろうかというふうに思っています。
また、観光交流、観光の経済効果だけではなくて、先ほど申し上げましたように、海運、造船の関係もありますから、ビジネス利用等にも結び付くことができればというふうに思っております。今回、釜山については、本当に、県の職員も粘り強く交渉に臨んでもらいましたし、それから、ゴルフの、なんていうんですかね、戦略的な展開というのが、一つの切り口になって、功を奏しましたんで、また、色んなことを考えて、他も含めてですね、アプローチを続けていきたいと思ってます。
(愛媛新聞)
愛媛新聞です。7月でしたか、エアプサン本社を訪れて社長と会談をされたと聞きましたけれども、そのときの手応えというところをもう一度お聞かせいただければと思います。
(知事)
そうですね。やはり、ゴルフのアプローチからスタートしたんですけれども、地理的な条件が非常に良いということには着目をしていただきました。また、そのときに、先ほど申し上げたように釜山の観光協会にも行きまして、こうした環境であれば、非常に人気が出る可能性があるなというような話をして、それを受けて、とりあえず10便のチャーターを飛ばすということになりました。1700席くらいだったと思いますけれども、非常に売れ行きが好調で、ここを基盤にすれば他の観光も含めて、ソウル便の搭乗率も考えますと、十分にいけるんじゃないかという判断をしていただいたんではなかろうかと思っています。
その当時からぜひ、とりあえず10便はチャーターだけでも、そのあとの定期便というのも視野に入れていただきたいということは、交渉の中でお話させていただいていました。
(愛媛新聞)
つまり、韓国路線はソウルとの2路線になるわけですけれども、それでも十分にやっていけるということでしょうか。
(知事)
そうですね。全く商圏が違いますんで、しかも、先ほど触れたように、800万人ぐらいの商圏人口を釜山は抱えていますから、日本で言ったら大阪圏域くらいの市場と思っていただいたらいいんではないかと思います。それとやはり分析の結果、日本の人口の半分ぐらいですけれども、ゴルフ人口に限って見れば、日本の560万人に比較して、韓国は564万人ぐらいゴルフ人口がいると。しかも非常に今、料金が高騰してですね、海外でやろうという市場が生まれているという背景もありますんで、タイミングとしては良かったんじゃないかなというふうに思います。
(NHK)
すいません、NHKの秋山です。補正予算も組んで、チャーター便は向こうから来ていただくわけですけれども、定期便だとこちらから行くというのも、どうしても必然的に対策を求められると思います。逆に、さらに、向こうの現地からの協力も得られたと、知事、仰っていましたけれども、さらにこちら、県内側のどういった協力、県民の方のどういった理解を今後求めていきたいというふうに感じてらっしゃいますか。
(知事)
理解というか、まず知っていただくという、非常に簡単に海外旅行が楽しめるというアクセスの良さ、それからLCCですから、ソウル便も含めて、非常に手頃な料金で行けるという、これが浸透すれば旅行かたがたっていうことも増えていくんだろうと思いますし、先日、韓国観光公社の主催をいただきまして、フェスタを行ったんですけれども、正直言って、最初1500人くらい(の参加者を)想定して、県民文化会館メインの1階だけでやるつもりだったのが、とても間に合わなくなって、急きょ、当日に2階席も開けるという、うれしい悲鳴を上げました。来ていた方の7割くらいは女性だったと思うんですけれども、韓国の歌手の方も来られたり、ショーもあったりですね、改めて、韓流ファンがかなりいらっしゃるんだなということも感じましたんで、今言ったような、便宜性や料金のことが浸透すれば自然的にお客さんは増えていくだろうと思います。
もう1点気になるのは、これは日本全体のことなんですけれども、本当にパスポート取得率が低い。10パーセントから12パーセントぐらいなんですね。特に気になっているのが、若者の内向き志向で、やはりさっき申し上げたように、次の時代はますます国際化が進んで、アジアとのやり取り、世界とのやり取り、また競い合い、ほんとそういう時代がどんどん進んでいくと思うんです。ですから、本当に外に向けて、アジアの若者たち、どんどん外に出てきてますから、ぜひ愛媛の若者もこうしたものを利用してですね、見聞を広げる、また、成長の糧にする、そんな視点で利用してもらいたいなというふうに思っています。これについては、大学当局にも働き掛けをしてますんで、ぜひそういったPRに、大学当局の力も借りたいと思っています。
(テレビ愛媛)
ちょっと話は変わるんですが、今日行われる内閣改造に関して、布陣についての受け止めと、果たすべき役割、期待感などありましたらお願いできますか。
(知事)
ちょっと全部は細かくまだ見てないんで何とも言えないんですけど、主要なところはほとんどが留任されていたんで、そう大きな変化はないのかなというふうに思います。
ただ、今、目の前にある問題っていうのは、本当に速やかに手を打たなければ、本当に問題が大きくなる一方だと思いますんで、特に物価高騰については、どこが必要なのかというのをしっかりと見極めていただき、また賃金の上昇等も並行していかないと、国際社会との乖離(かいり)が非常に大きくなってくる。理想論で言えば、緩やかなインフレ、賃金上昇が伴って生活も何とか回っていくってのが理想なんで、そこの着地点をどう見出していくのかってのはもう国に早急に議論をしていただいて政策展開をしていただきたいなというふうに思います。
それからもう一点は、人口減少については、人口減少対策もさることながら、これは前から申し上げてるんですけども、この人口の逆ピラミッド構造が続くと日本の社会保障制度は瓦解(がかい)しますよね。だから早く手をつけていただきたいというふうに思います。
※議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。