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令和5年度当初予算案及び令和4年度2月補正予算案等に関する記者発表の要旨について

ページID:0008778 更新日:2023年2月18日 印刷ページ表示

日時:令和5年2月15日(水曜日)11時11分~11時50分

場所:知事会議室

 

 

(テレビ愛媛(幹事社))

 それでは続きまして、令和5年度当初予算案および令和4年度2月補正予算案について、会見終了後レクがありますので、詳細の確認はそちらでお願いします。知事お願いします。

(知事)

 2月定例県議会に提案予定の令和5年度当初予算案等について発表させていただきたいと思います。お手元の横長資料をご覧いただけたらと思います。

 長引くコロナ禍、そして国際情勢の不安定な状況を始め、想定を上回る人口減少やデジタル技術の進化など本県を取り巻く環境は不透明さを増しております。これまでの取り組みの延長線上で物事を捉えていては、乗り越えることはできませんし、また、待ちの姿勢での政策展開では対応できないと、いわば、状況変化をしっかりと地方自治体が自ら受け止めて考えて政策立案をやっていかなかったら、将来への責任が持てないというふうなことから、昨年の選挙に臨むに当たりまして、これだけの変動要因に対応していくためには、公約の段階を新ステージにする必要があるということで臨ませていただきました。その負託を受けましたので、今回の予算は、県民の皆さんに、その時にお約束をした公約を具体化していくスタートの予算となります。

 このため5年度の当初予算案は、新ステージの挑戦と位置付けまして、公約もですね、抽象的ではない、それでは意味がありませんから、かなり具体的な公約を掲げさせていただいています。また数値目標もしっかり入れて、責任ある対応をとっていくというお約束もいたしましたので、その時に掲げた公約は92項目ございました。芽出しも含めて、今回、87項目、92項目中87項目、比率にすれば95%を予算化したことになります。公約の実現に向けて、お約束どおりスタートとしては、良いスタートを、議決いただいたならば、切れるのではないかと考えております。

 まず1ページの1ですけれども、本県を取り巻く大きな変動要因をしっかりと捉えまして、県政の新たなステージにおける諸課題に的確に対応する予算として編成を行い、その結果、公約に掲げた政策3本柱に、アフターコロナを含めた新型コロナウイルス対策とデジタル技術の活用という二つの基軸を追加しまして、新ステージの公約の実現に挑戦する積極型の予算に仕上げております。新規件数もかなり多くなっております。重点を置いた施策はページ中ほどの2のとおりでありまして、一つ目は喫緊の課題である人口減少対策です。自然減、社会減の双方に歯止めをかけるため出生率の向上や県外流出の抑制、移住の拡大といった三つの方向性から地域のあらゆる主体とともにオール愛媛体制で積極的に取り組んでいきたいと思います。

 二つ目ですけれども県政の飛躍の鍵となるDXの推進でありますが、行政、暮らし、産業のDXを、これらを支えるデジタル人材の育成確保を図りながら、力強く推し進めていくほか、3点目は豪雨災害からの復興を始め、南海トラフ地震等に備えた防災減災対策、そして四つ目には実需の創出に向けた営業活動や、国内市場の縮小を見据えた海外展開など地域経済の活性化に取り組みます。

 そして五つ目が新型コロナウイルスに関することですが、5類への引き下げが決定されたことを受けまして、国の動向を踏まえて、医療提供体制の確保など現時点で想定される当面の所要経費を計上するほか、コロナ禍の影響を受けた中小企業への支援を含むアフターコロナを見据えた対応にも取り組んでまいります。

 このほかにも、10月のねんりんピック開催に万全を期すとともに、医療や福祉の充実を始め、教育やスポーツ文化の振興、カーボンニュートラルへの対応等にも着実に取り組んでまいります。

 なお、今回の予算編成に当たりましては、スクラップ・アンド・ビルドや施策の重点化を図ることは当然ですが、公約実現に向けましてこれまで以上に、これも実は公約だったんですけども、成果重視の姿勢で臨んでおります。政策立案や予算編成の段階から、結果を追い求めていく姿勢を職員と共有し、職員の意識改革を図るとともに、県民の皆さんに事業目標を分かりやすく示すため成果指標であるKPIを用いて、成果の見える化を進めております。執行・評価などあらゆるプロセスでKPIを常に意識した取り組みを徹底し、近代的な行政体へ成長していく予算というふうなことで対応しております。予算編成等の業務のプロセスの改革をアクセルを踏んで推進していきたいと思います。

 続いて2ページでございますが、当初予算額は一般会計で7,069億3千万円となります。私が知事に就任して以降では最大の規模でございますが、県の役割の縮小に伴う新型コロナウイルス関連経費の大幅な減額はあるんですけれども、その一方で、人口減少対策やDXの推進など重要課題への対応に向けた予算は大きく伸ばすなど、メリハリをつけて施策の重点化を図っております。

 また、職員が新たな発想で創出した新規事業は今回151項目に上っておりまして、これは例年を大きく上回る規模でございます。スクラップ・アンド・ビルドも徹底しながら、新ステージの公約の実現に挑戦する積極型予算として編成をさせていただきました。

 続いて3ページでございます。ここからは五つの重点施策ごとに主要事業を説明させていただきます。第一に、まず人口減少対策でございます。これはちょっと重要な柱なので、先日、臨時の会見で柱となる新規の2事業の概要を発表させていただいたところでございます。

 まず、結婚・出産・子育て支援の拡充でございますが、市町が地域の実情に応じて実施する子育て関連施策等を強力にバックアップする県独自の先般説明させていただきました新たな支援制度、「えひめ人口減少対策総合交付金」を創設しまして、「出会い・結婚支援」、「妊娠・出産支援」、「子育て支援」の3分野・12事業をメニュー化した総合的な人口減少対策を現場重視の視点で、県・市町連携事業として思い切って展開したいと思います。

 なお、このことにつきましては繰り返しになりますが、既存のやっている事業の財源の振り替えに使うということは例外とさせていただきます。そこから新しいものが生まれてこなくなりますので、あくまでもチャレンジ政策立案、メニューも参考にしていただきながら独自のものもOKという柔軟性のある制度にしておりますので、我々も含めて市町にも政策立案力の向上に結び付くことを期待をしているところでございます。

 次に仕事と育児の両立支援でございますが、若年女性の転出超過が顕著に進んでいる現状でございますので、女性から選ばれる魅力ある職場環境づくりや、男性の育休取得の促進など、企業や事業所自らによる変革・成長に向けた積極的な取り組みを強力に後押しするために、これも説明させていただいたとおり、新たに「ひめボス宣言事業所認証制度」を創設いたします。そして女性活躍や仕事と育児の両立支援に取り組む企業等を認証して、取り組み実績に応じた奨励金を初めて支給するなど、官民一体となり、県全体で働きやすい職場づくりを進めていきたいと思います。これからの時代を考えますと、やはり良い職場環境を作らなければ人材確保ができないという時代に入ってくると思いますので、そうした民間の取り組みを、もちろん我々もしっかり頑張りますけども、民間の取り組みを後押しするという趣旨でございます。

 次に、若年者の地元就職・定着の促進でありますが、職場体験学習等を通じ、中学生に地域産業や企業、地元で働くことの魅力を知る機会を提供する事業として、「えひめジョブチャレンジU-15」を全県下で県事業として行ってまいりましたが、これについても今般、小学校6年生を初めて対象とする「プレジョブチャレ」を新たにスタートさせていただきます。そして、もう一つが公約に掲げました県立高校等の生徒を対象に地域課題の解決に向けた体験的な活動機会を提供する課題解決型の経験ですね、新プロジェクト「ソーシャルチャレンジ for High School」を創設いたします。

 次に、移住施策のさらなる推進として、これまで首都圏へのPRを中心に行ってまいりましたが、新たに大阪圏への重点的なアプローチを始めることとし、移住コンシェルジュ、東京に置いておりましたが、今回新たに大阪にも移住コンシェルジュを新設しまして、移住フェアの開催等に積極的に取り組んでいくことといたします。

 また、南予移住マネージャーを核に、南予の5市町と連携して、子育て世帯等をターゲットとした南予への移住促進策を強化いたします。また、企業合宿型のワーケーションの誘致や定着、さらに取り組みを進めていきたいと思います。

 続いて4ページでございます。第2の柱、DXの推進でございます。

 まず、県民本位の「行政のDX」でございます。県民の利便性向上を図るため、スマートフォン等に対応した電子申請システム等の対象手続きを拡充するとともに、市町の子育てや介護等に係る手続きの効率化に向けて5市町に先行導入している標準化システム、既に実証してきましたが、これを全市町・20市町に拡大するほか、庁内の業務改革を推進し、職員がシステム開発ツール等を積極的に活用できるような環境整備を庁内で図ってまいります。

 次に二つ目の視点、生活を豊かにする「暮らしのDX」でございます。新たに病院間で患者情報の迅速な共有を図り、急性期治療に取り組む救急医療体制を全県的に構築をするほか、健診や医療等のビッグデータを活用しまして、地域特性に応じた疾病予防や健康づくりをきめ細かく構築するほか、スマホアプリを活用して健康意識の向上や生活習慣の改善を図るなど、健康寿命の延伸に取り組みたいと思います。

 次に、産業競争力を強化する「産業のDX」でございますが、本県事業の稼ぐ力の強化に向けまして、第1段階では庁内に研究・勉強機関を作ったり、いろんな芽出しの予算を行ってまいりまして、既に第2段階の実装の試験に入っております。このデジタル技術の現場実装をさらに加速をして、新しいビジネスにもつながるようなきっかけを作っていきたいと思います。また、中小企業のDX推進に向けた環境整備を支援して、先行モデルを創出し、引き続き県下への波及を図るほか、農業の省力化・効率化に向けスマート農機を活用した実証を進めまして、現場での早期実装を図っていきたいと思います。

 次に、それらを支える、幅広くDXを支えるデジタル人材の育成でございます。新たにDXを実践するため、自社でDX人材の育成に取り組む中小企業を支援するとともに、デジタル人材の裾野拡大に向けまして、大学生等を対象に実践的スキル習得のためのプログラミング講座を開催するほか、えひめ農業未来カレッジ、これは将来の本県農業を支えて、新たなことに果敢にチャレンジしていく人材を養成したいとの思いを込めて付けた県立農業大学校のサブネームとなります。県立大学校のサブネームでございます。ここで農業DXの活用やスマート農業の実習など、最先端技術の教育体制を強化して、高度農業人材の育成を図ってまいりたいと思います。

 また、副業や兼業、フリーランスとして稼ぐ人材の育成に向け、新たに次世代のインターネット技術であるWeb3.0等の技術が習得できる講座の開催や、女性のデジタルスキルの向上にも取り組みを進めていきたいと思います。

 なお、昨年12月に県内4大学と覚書を締結したデジタル人材の育成確保に向けた取り組みにつきましては、スピード感を持って協議・検討し、協議が整ったものから順次、年度中においても具体的な予算化も図っていきたいと考えております。

 続いて5ページでございます。第3に防災・減災対策でございます。

 まず、西日本豪雨災害からの復興でございますが、肱川水系河川整備計画に基づく堤防整備を緊急かつ集中的に実施するとともに、被災したかんきつ園地の再編復旧につきましては、4カ所のうち既に3カ所は動いておりますが、残る宇和島市立間地区での工事に着手をしたいと思います。

 次に南海トラフ地震等への備えでございますが、避難道路や河川堤防施設等の整備など、県単独で防災・減災対策を積極的に推進するとともに、ため池の耐震対策工事を計画的に実施してまいります。

 次に、地域防災力の向上でございますが、防災士の登録者数、現在、東京都に次いで愛媛県は第2位でございますが、全国第1位に向け、養成にさらに取り組むとともに、宇和海沿岸5市町の津波対策、特に夜間等の避難対策の強化に向け、新たに市町による避難路等の環境整備を支援していきたいと思います。

 次に6ページでございますが、第4に、地域経済の活性化策であります。

 まず実需の創出に向けた営業展開でございますが、販売額が順調に推移しておりますECサイト「愛媛百貨店」における県産品のさらなる販売促進に取り組むとともに、世界最大のEC市場である中国をターゲットに、歌をテーマとしたデジタルプロモーションを展開し、県内事業者の販路拡大に結び付けていきたいと思います。

 また昨年締結したベトナム・ベンチェ省との覚書を軸に、新たにビジネスモデルの事業化や現地を実証フィールドとしたプロジェクトの形成を支援するとともに、経済団体と連携した経済交流ミッションを通じ、アジア地域での県内ものづくり企業の販路開拓を支援するほか、新たに世界最大市場となるインドにおいてビジネス機会の創出にチャレンジをしたいと思います。

 さらに欧州向け、河内晩柑の本格的なプロモーションを展開するなど、県産の農林水産物の輸出を促進してまいります。

 次に新事業の創出や産業振興でございますが、創業を支援する愛媛グローカル・フロンティア・プログラム、EGFプログラムを発展させまして、地域課題解決型のビジネスプランを専門家の伴走支援により創業につなげる育成プログラムや、創業者のビジネス展開の支援に取り組むとともに、県内での新事業の創出に向け、新たに県内企業と首都圏等のスタートアップ企業とのマッチングをはじめ、プロジェクトの組成や事業化を支援していきたいと思います。先般、秀吉会との連携もこうした背景のもとに行っております。また若手IT起業家を創出するため、プログラミング技術等が習得できる短期集中合宿講座を開催するとともに、創業や創業間もない事業者の事業展開を後押しするため資金繰りを支援したいと思います。

 次に、国内外からの誘客促進でございます。「疲れたら、愛媛」のキャッチフレーズの下、コロナ禍での旅行者の意識変化を十分に踏まえまして、本県の4大アクティビティ、石鎚の鎖を使った登山、しまなみのサイクリング、とべ動物園とこどもの城を結ぶジップライン、そして松野町滑床のキャニオニングと、4大アクティビティと位置づけておりますが、こうした体験型コンテンツを活用した周遊促進に取り組むとともに、先ほどのとべもりジップラインにつきましては、利便向上に向けまして、入口乗り場までがかなり急になってますので、ここをクリアするとまた幅広い年齢層の利用にも繋がるので、自動運転電動カートを整備しまして、利用者のさらなる拡大を図っていきます。

 またインバウンド誘客の促進に向けまして、多言語観光ホームページでの情報発信を強化しながら、新たにメタバース、インターネット上の3次元の仮想空間でございますけれども、メタバースなどデジタル技術を活用したプロモーションを展開するとともに、観光事業者等によるインバウンド受入環境の整備を支援し、欧米豪の富裕層等の誘客促進に集中的に取り組んでいきたいと思います。

 続いて7ページでございます。五つ目、新型コロナウイルス関連でございます。

 まず、医療検査体制等の安定的確保として病床を拠出いただく医療機関等への協力金や医療従事者等への応援手当金の支給、宿泊療養施設の確保を始め、陽性者登録センターの運営や診療検査医療機関における抗原検査費用の負担軽減、ワクチン接種体制の確保等については、まだ5類に移行してませんから、現行制度を前提に現時点で想定される当面の所要経費を暫定的に計上しております。国の分類見直しや移行期間の詳細など、まだ全体像が本当に明らかになっておりません。こうしたことが明らかになってくると思いますので、その方針を踏まえ、県としての新たな対応をその時点でタイムリーに検討していきたいと思います。

 次に社会福祉施設等の感染対策でございますが、介護事業所や障がい・児童福祉施設等のサービス提供体制の確保に向け、感染対策のための環境整備を支援したいと思います。

 次にアフターコロナを見据えた対応ですが、無利子・無担保融資の返済の本格化や原材料価格の高騰などにより、厳しい経営環境にある中小企業の収益力の改善に向けた資金繰りを支援するとともに、県の総合経営支援拠点である「CONNECTえひめ」、これを核にしてDXやカーボンニュートラルへの対応、またポストコロナを見据えた新事業展開など中小企業が抱えるさまざまな経営課題の解決を支援するほか、コロナ禍に伴う都市部企業のオフィス分散化の流れがありますので、これを捉えましてサテライトオフィスの誘致に積極的に取り組みたいと思います。

 また、国際線ですけれども、松山空港ソウル線については、既に報告させていただいた通り、今月初めに韓国を訪問してまいりまして、チェジュ航空の社長と面談し、直接その場で運航再開を要請し、3月26日から運行再開が定期便として決定をいたしました。週3便ということで、利用状況によっては週5便へと早期にというお話もいただいております。ちなみに松山から直接行きますと今回は松山、羽田、ソウルと行ったんですが4時間以上かかりますけど、直行便になりますと2時間弱になりますし、料金も、席が埋まっていくたびに上がっていきますけども、一番安い空いてる時、早めの時だったら5、6千円でソウルまで片道で行けますので、本当に気軽に行けるような定期便の再開ということになろうかと思います。

 また台北線も12月の訪台時に社長と直接お話してできるだけ早くというお願いをしておりますが、とりあえず先般飛びました松山、松山(しょうざん)、同じ空港名を結ぶチャーター便、双方ともにほぼ満席でございましたけれども、それに引き続いて3月、それから4月に合計8便のチャーター便が飛ぶことが予定されております。これを積み重ねて、できるだけ早く定期便の再就航へと結び付けていきたいというふうに思います。

 また上海便については国同士のいろいろなやり取りもございますので、まだ本格的な再開には至っておりませんが、再開が来たときに、速やかに立ち上がれるよう航空会社等々関係者とは、協議は継続して準備をしているところでございます。

 さらにこうしたことを受けまして松山空港の機能拡張を行ってまいりますが、駐機スポットの増設など受け入れ環境の整備も予算化して順調に推移しておりまして、これに合わせて各路線の早期再開と再開後の安定就航に向け、インバウンド・アウトバウンド両面での対策を推進してまいります。

 以上が一般会計の重点政策の概要でございます。

 続いて8ページをご覧いただきたいと思います。特別会計と企業会計でございます。まず特別会計は2,508億1,999万円、企業会計は689億7,409万円でありまして、このうち企業会計では、公約で掲げました県立今治病院の圏域の中核病院としての機能強化に向け、そのあり方の検討も含めた計画策定に取り組む経費を計上させていただきました。この結果、一般会計の7,069億3,000万円を含めた令和5年度当初予算総額は、約1兆267億円となります。

 以上が当初予算案の概要でございますが、行政改革に率先して取り組む姿勢を引き続き示していくため、来年度も継続して私の10%給与カットを始め、特別職の給与カットを引き続き実施することといたしております。

 続いて9ページをご覧願いたいと思います。令和4年度2月補正予算案でございます。

 2月補正予算の主なものとしては感染第8波が想定を上回ったことに伴う関連経費の増額や電気料金の高騰などにより収支が悪化した県有施設の指定管理委託料の増額のほか、海岸漂着ゴミの回収処理をさらに加速するための経費を計上させていただきました。また、執行段階での経費節減等により捻出した財源を活用して、県有施設の老朽化対策のための基金等を積み増して、将来増加する財政負担の軽減や平準化を図るとともに、国庫支出金の変動等に伴う補正を行うこととした結果、令和4年度2月補正予算額は、一般会計で18億3,637万円のこちらは減額となっております。

 以上が補正予算案の概要でありますが、続いて10ページをご覧いただきたいと思います。令和5年度当初予算の主な事業、政策課題でございます。このページ以降が公約でお約束した通り、行政の近代化を図っていくために予算編成の仕方、がらっと変えてきております。KPI重視の施策展開に入ってますので、説明資料も大幅に変更になっております。このページ以降は、新ステージの公約の政策課題ごとに当初予算を整理させていただいたもの、初めての資料となりますが、ぜひこうしたことでこれからやっていきますので、もちろん改善するところは、また改善していきますけれども、その思いを受け止めていただけたらと思います。このほか、条例等の議案については、犯罪被害者等を支援するための条例の制定などを提案する予定でございます。以上です。

(テレビ愛媛(幹事社))

 ただ、今の発表事項に関して質問のある社はお願いします。

(南海放送)

 すいません、南海放送です。人口減少だとか、デジタル化とかといった、ともすれば成果が見えづらいところに、多くの予算を充てることになると思うんですけれども、その分、県民の期待とともに、結果や覚悟が問われると思っております。その辺りで知事の思いを教えていただけたら。

(知事)

 そうですね、先ほど申し上げましたように、もう変動要因があまりにも大きいので、これまで通りのことをやっているだけではとてもじゃないけど、乗り越えられない時代が来ていると思います。ともすればですね、1番楽なのはですね、ばらまき型の予算を作ること。

 目に見えますし、その瞬間の結果が見える。でも、それが将来に結び付くかというのは全く別問題で、そうした政策アプローチでは、もうこれ中期的に見たら乗り越えられない時代に入っていると思いますので、今ご指摘のようになかなか見えにくいかもしれませんが、早く手を付けなければ、それだけ遅れてしまうという分野、人口減少にしろ、またDXにしろ、そういうものだと思います。ですから、われわれも思い付きでやってる訳ではなくて、いろんな関係者との意見、また自分なりの咀嚼(そしゃく)、いろんなステップを踏みながらの今やるべき課題を抽出して、予算・事業化したところでございまして、初めての挑戦が多いわけなんですね。ですから、数値目標についても、先般、一昨日もご指摘あったんですけども、これまでとは違った捉え方をしてます。これまでは本当に達成しなかったら叩かれるんじゃないかっていうことが優先してしまって、その結果、行政の数値目標というのは、低めに出す傾向が本当にあったんですね。そうじゃなくて、数値目標というのは、低すぎたらすぐに達成できてしまうと、そこが1番逃げ道になると思う。でも、そういうものでは意味がないと。高すぎたら夢物語になってしまう。これも意味がないと。だから、よく考えて、一生懸命トライすれば届くかもしれない。届かないかもしれません。届くかもしれないというギリギリのとこに設定するという、こういう数値目標というものが、これからの時代は絶対に必要なんだということを、職員とも議論しながら、KPIの設定を進めてきましたので、精一杯頑張るということしか、今のこの段階ではお約束できないです。

(テレビ愛媛)

 すいません、テレビ愛媛ですが、海外市場への展開に関して、インドには以前から注目もされておりましたが、今回予算化もされるということで、今後どのような展開をお考えでしょうか。

(知事)

 はい、まずインドは私、商社マン時代にビジネスの経験はあるんですけども、うまくいったビジネスではありませんでした。非常に商習慣も難しいところですし、またなんていうんですかね、価値観が違いますから、ビジネスということを考えていく場合、インドでのビジネスを考えていく場合、日本の常識で入っていくと、多分、やけどする可能性が非常に高いと思います。手強い市場ではあるんだけれども、既に中国の人口を上回る規模になり、若々しい、世界最大市場になる国になりますので、当然のことながら人口減少で国内市場が縮小する日本の企業、愛媛の企業にとっても無視はできないと。だとするならば、やはりできるだけリスクを回避する手立てを打ちながら、入っていくということが必要になると思ってます。やっぱりインドのビジネス経験者の知恵が絶対に必要だと思いますので、今そうした人材の協力を得られそうになりましたので、今準備に入ってます。すぐにというわけじゃないんですけど、どういう入り方をすればいいのか、これはビジネス経験者とそれから行政の立場と、両方をミックスさせながらですね、戦略を組み立てて、来年の1月ぐらいを目途にですね、準備を進めていきたいな、というふうに思ってます。経済界の方にも投げ掛けておりまして、やはり非常に関心があると。ただ、どう入っていったらいいか分からないという意見がほとんどでございましたので、経済界ともしっかり連携を取りながらですね、着々と進めていきたいというふうに思ってます。

(テレビ愛媛)

 来年の1月っていうは、知事自ら、経済ミッションのような形で。

(知事)

 まだ決定ではないですよ。そんな感覚でやれたらいいなというふうに思ってます。

(愛媛朝日テレビ)

 すいません、愛媛朝日テレビです。今回の予算に関連してですね、基金を111億円ほど取り崩されていたかと思います。これまで知事は災害等の備えでですね、基金については、かなり慎重的なお考えを持たれていたかと思いますが、今回取り崩してまでですね、積極的にこう予算を編成された意味というのを教えていただければと思います。

(知事)

 取り崩しもあるんですけども、期末にまた積み増しもありますので、そういったバランスもよく見極めながら行っています。ですから、長期的に見て財政が急激に悪化するということがないような範囲での取り崩しまでにしてますけれども、先ほど申し上げましたように、時代が変わってきていますから、打って出る政策をやらなければ、それだけ地域全体が遅れてしまうということにもつながるので、ここはその変化する時だからこそ、未来投資が必要な段階だという認識で積極策に打って出るという状況でございます。

(テレビ愛媛(幹事社))

 その他よろしいでしょうか。

(NHK)

 すいません、新型コロナ対応についてお聞きします。5類に5月に変わるというところで、先ほど知事もおっしゃってましたが、暫定的なかたちの予算編成に現状はせざるを得ないという部分で、なかなかやはり、ちょっと国の設計が見えにくいと作りにくい部分もあるとは思うんですが、新年度そういう中でも、新型コロナ対応っていう部分は、どのような姿勢で対応していかれたいですか。

(知事)

 そうですね、正直言って、本当に交付金等々も含めて、財源の問題もありますから、国の根本的な制度設計が見えてこないとですね、どう暫定的に5月8日以降、5類にした後に急激にっていうわけではないと言ってますので、どういうかたちでやっていくかって、設計図が見えてこないと手の打ちようがないんですね。どんなところが問題点になるっていうことについては、例えばワクチンの問題であり、検査の問題であり、病床の問題であり、現場視点で知事会通じて各県が思っていることを集約してぶつけています。それを受け止めて、どういう設計が出てくるのかというのは、今は見えないという段階なので、やりようがないんですね。ただ、それはもうやがて見えてくると思いますから、速やかに対応したいと思いますけども、ただ、基本的にはもう世界的な流れの中で、オミクロン株の特性というのを見極めて、当初と比べたら感染力はあるけども、毒性が非常に弱くなったという性質を受けて、ウィズコロナに入っていく、そのためには、例えばリスクの高いところに対して、例えば施設であるとか、そういったところに対しては、特別な配慮をしたメニューにするとか、いろいろ考えはすると思うんですね。ですから、それらを予算の裏付けとともに、しっかりと組み立ては行っていきたいと思います。今言ったようなこういうとこを気を付けた方がいいという現場視点という意見は、都度都度、国に対して投げ掛けていますので、それらを受けて制度設計されていくと思います。

※議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。

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