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平成28年度当初予算案及び2月補正予算案に関する記者発表の要旨について

ページID:0008746 更新日:2016年2月17日 印刷ページ表示

 

その他の資料

 

日時 28年2月17日(水曜日)11時00分から11時29分

場所 知事会議室

平成28年度当初予算案及び27年度2月補正予算案等記者発表

(知事)

 平成28年度当初予算案について説明をさせていただきます。平成28年度は、今年度中に公約の種まきを行った施策について、着実な実現に向け、加速させていく年であり、まずは、2期目の公約に掲げました「防災・減災対策」「人口減少対策」「地域経済の活性化策」に、引き続き重点的に取り組むことといたしました。また、ドクターヘリの導入準備や、「えひめいやしの南予博」を通じた南予の魅力発信、農林水産業の体質強化、いよいよ来年に迫ったえひめ国体の開催に向けた最終段階の準備など、諸課題にも的確に対応するとともに、国補正予算に即応した2月補正予算と合わせ、地域経済の活性化に配慮した切れ目のない対策を講じることといたしました。

 当初予算の重点施策としては、まず、防災・減災対策でありますが、緊急避難道路の整備や、河川・海岸・港湾・砂防施設等の改修・補強などを、引き続き県単独で推進することといたしました。また、平成29年度までの完了に向け、県立学校施設の耐震化を着実に推進いたします。数字で言いますと、就任時の耐震化率は47.6パーセントでありましたが、今年度末に92.5パーセントまで達する見込みでございます。そして、来年度末に98.3パーセント、そして29年度末に100パーセント。お約束どおり順調に耐震化率は推移しているところでございます。

 また、私立学校、私立幼稚園の耐震化促進を図るため、今年度立ち上げました耐震診断の補助制度を利用する学校が出てきましたので、診断の後は当然改修工事になりますから、新たな耐震改修のための私立学校、私立幼稚園向けの補助制度を新設するほか、西条西警察署など五つの警察署の耐震化を同時並行で進めることといたしました。

 さらに、防災通信システムや消防防災ヘリコプター・テレビ電送システムを更新するほか、大分県をはじめとする周辺県との原子力防災対策の連携強化にも取り組むことといたしております。

 次に、人口減少対策でありますが、移住を希望する働き手世帯や子育て世帯をターゲットに、全ての市町ではありませんが、大半の市町と連携して、新たに住宅改修のための補助制度を新設するほか、首都圏の移住コンシェルジュや、県内に新たに設置する地域移住相談員等を活用して、移住者の受け入れ態勢の強化を図ることといたしました。また、結婚支援センターの縁結び事業の推進や放課後児童クラブの充実など、結婚や子育て支援の強化を図ることにいたしております。

 次に、地域経済の活性化のうち商工・観光の分野では、「スゴ技」「すご味」「すごモノ」を活用したトップセールスによる営業活動をさらに強化するとともに、今治工業高校造船コース実習棟を整備するなど、産業の担い手育成に取り組むことといたしております。また、寄附を原資とする基金を設置して、オール愛媛で自転車新文化を推進することとし、新たに私立高校、国立高校等のヘルメット購入のための補助制度を立ち上げるなど、ヘルメットの着用推進にも取り組んでまいりたいと思います。

 南予では「いやしの南予博」、中予では「ゆるキャラ®グランプリ決戦大会」、東予では「しまなみ国際サイクリング大会」を開催し、県下全域での地域活性化の推進や、松山空港への路面電車延伸に向け、ルート等の詳細な検討を行うことといたしました。

 農林水産業では、TPPの大筋合意なども踏まえまして、本県の基幹産業である農林水産業の体質強化のための基金を2月補正予算で設置し、基盤整備や担い手の育成に緊急に取り組むとともに、愛媛クィーンスプラッシュ・愛媛あかね和牛・伊予の媛貴海の新ブランドの確立と販路開拓のほか、かんきつや水産物の東南アジアや中東諸国等への輸出拡大、媛すぎ・媛ひのきの高付加価値商品の中国、韓国等への輸出拡大に取り組むことといたしました。

 医療・福祉・環境の分野では、28年度末のドクターヘリ導入に向けまして、運航準備や搭乗医師・看護師の育成に取り組むことといたします。地域包括ケアシステムの構築推進やアクティブシニアを対象とした介護ボランティアを養成するほか、障害者の就労受け入れ先企業の開拓や職場見学等の実施による雇用の推進を図ることといたしました。また、COP21も踏まえ、地球温暖化防止県民運動の推進にも取り組んでまいりたいと思います。

 教育・国体・スポーツの分野では、県独自の学力診断等による学力の向上や高校生への主権者教育の推進を図るとともに、こどもの城で子ども芸術祭を開催し、芸術文化の振興に取り組むほか、リハーサル大会の開催等を通じて、えひめ国体・障スポ大会の準備を加速させることといたしました。また、東京オリンピックを視野に入れ、ジュニアアスリートの発掘と独自のプログラムによる一貫指導を行うことといたしました。今年はリハーサル大会、本当に各種目の全国大会、西日本大会等が目白押しでございまして、ぜひその分野でのトップアスリートが集結しますので、国体はあらゆる種目が一斉に開催されますけども、種目毎のプレのリハーサル大会も本当に見どころ満載だと思いますので、ぜひ皆さんにはスケジュール・開催場所等の県民へのお知らせをご協力いただけたらと思います。

 社会資本整備としては、大洲・八幡浜自動車道、山鳥坂・鹿野川ダム、JR松山駅鉄道高架事業、上島架橋岩城橋の着実な整備などに重点を置いて取り組むことといたしました。

 この結果、当初予算額は、一般会計で約6,401億円、特別会計で約1,310億円、企業会計で約616億円の合計約8,327億円となり、一般会計としては、前年度比で言いますと、プラス69億円、1.1パーセントの増となり、知事就任以来、最大規模の予算となっていますが、財政健全化にも目配りしつつ、スクラップ・アンド・ビルドの徹底による施策の重点化を図り、めりはりの利いた予算に仕上げたところでございます。

 次に、27年度2月補正予算、先般の臨時会に提出した国補正に伴う補正予算を除く一般分ですけれども、人事委員会勧告に基づく給与改定に加えまして、税収の上振れや執行段階における節減等により捻出した財源を活用しまして、新たに「農林水産業体質強化緊急対策基金」を創設、金額は25億円でございます。そのほか、公共施設の老朽化対策や国体等のための基金も積み増しを行いまして、将来の財政負担の軽減を図ることといたしました。

 また、国庫補助金の変動等による補正も行うこととした結果、2月定例会に提案する27年度2月補正予算は、一般会計で約13億8,000万円の減額となっています。

 このほか、今回の2月定例県議会においては、県民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指し、障がいを理由とする差別を解消するための措置等を定める条例制定などの議案を提出する予定としています。このうち、知事等の給与の特例に関する条例については、これまでどおり、率先して行政改革に取り組む姿勢を示すため、給与カットを継続実施することとしていますが、カット率については、他県の状況を踏まえ、2割緩和させていただきたいと思います。知事の場合は、これまでの25パーセントを20パーセントカットということで処理をさせていただければと思ってます。以上です。

 

(愛媛新聞)

 移住促進のための住宅改修支援について、全ての市町ではないというだが、最初はどういう形でスタートするのか。

 

(知事)

 それぞれの市町の施策展開の状況もそれぞれによって違いますので、県はこういう助成制度を作ったけど、どうですかねという呼び掛けをしたのですが、今年は別のことをやりたいので、来年以降考えたいとかですね、そういうところもありますので、18市町が県の補助制度に乗っかって、この制度を一緒になってやるということになりました。

 

(愛媛新聞)

 ちなみに、抜けているところはどこか。

 

(知事)

 松前町と西予市です。次年度以降に検討するということ。西予は独自で移住促進の補助制度を持っていますので、そういうところも勘案しながら、県の制度を利用するかどうかをこれから考えていくということでした。

 

(南海放送)

 県産品の販路拡大、輸出促進について、配布資料にあるカナダや中東等、新たな輸出先の開拓の狙いを聞かせてほしい。

 

(知事)

 いろいろと営業本部の方で品目等について、可能性があるのかどうか情報収集を行ってます。その可能性がありというふうなところについて、種まきを行っていこうという次なるステップに入っていきたいなと思っています。

 

(南海放送)

 東南アジアへの輸出拡大に力を入れているが、より広くということか。

 

(知事)

 物流の関係からいうと、東南アジアが一番素早く展開が可能かなと思っていましたので。ただ中東、カナダ等も十分に可能性が出てきているやに聞いていますので、これは可能性があるならば、積極的に打って出ていく必要があるんではないかというふうに思っています。

 

(南海放送)

 その際は、知事も行くということになるのか。

 

(知事)

 これも場合によってはですね。はい。

 

(あいテレビ)

 自転車ヘルメットの購入支援を、私立と国立にも拡充されたようだが、これは再来年度以降も継続的に取り組むのか。

 

(知事)

 これは一応、単年度で考えていきますけど、正直言ってこの前もお話したとおりですね、昨年は自転車に乗って事故に巻き込まれ死亡された方が17人だったかな、いらっしゃるんですね。高校生も4件ぐらい自転車の関連の事故があったんですが、高校生の場合は、ヘルメット着用によって全員が助かっています。

 ですからヘルメットがいかに命を守ることにつながるかというのが、十分に多くの方々に認識が広まりつつあるのかなと思いますので、全額というわけではないんですけども、県立高校、私立高校、国立高校等、同じ条件の補助制度を立ち上げたいなというふうに思って今回提案しました。

 当然のことながらその普及状況を見てですね、継続するか否かは決まっていくんですが、個人的には、継続していきたいなと思っております。

 

(あいテレビ)

 県立高校は去年、PTAの関係団体から補助があって無償ということになったが、来年度はどうなるのか。

 

(知事)

 来年度も、県は同じだけの補助を出しますので、それをどうするかは先方さんの話なので、そこら辺は分かりません。私立高校も大半が導入に踏み切るということなんですが、全部ではないので、広まればそれも対象に加えていきたいなと思ってます。

 

(読売新聞)

 来年度予算を名付けるとすると、知事の考えではどう名付けるのか。

 

(知事)

 そうですね。2年目ですからね。シフトアップ予算ですね。ギアチェンジを行って踏み込んでいくというところではないかなと思いますね。

 

(読売新聞)

 その心としては、公約実現に向けてシフトを加速させるという主旨か。

 

(知事)

 テーマとしては、中期、長期いろいろあるのですが、自分の中では、公約というのは4年でどこまで持っていけるかなというような形でお約束していることなので、当然、毎年毎年加速していかなければ追いついていきませんから、2年目のシフトアップということです。

 

(読売新聞)

 2年終えた段階で、半分は超えていくと。

 

(知事)

 分からないですね、物によって違いますから。もう既に達成してしまうものも出てきますし、4年たってもまだ中間点というものありますので、一概には言えないですね。

 

(愛媛新聞)

 私立高校の授業料減免に関して、昨年、国の基金が廃止されて、緊急的に県が全部持つということになり、結局、今年も継続されたが、その理由と今後の国への対応はどう考えているのか。

 

(知事)

 これは本来ですね、低所得者対策として国が実施した事業なんですけれども、昨年、もう必要ないと、国がそういう判断をしたんです。でもわれわれ、知事会も含めてですね、今の経済事情からいえば必要ないということはないのじゃないかと、継続を求めたんですが、国は必要ないという判断をしました。

 そこで、各県取り組みはそれぞれだと思いますが、愛媛県としては必要だという認識のもとに、かつ、国が本来実施すべきものであるというスタンスに立って継続を決めました。ただし、その時の条件として、学校関係者、PTA関係者に、国に対してそれぞれの立場で必要性の声を届けるということを条件にして、1年間、県で、国が取りやめた分を補助するという制度を立ち上げました。ちゃんとそれぞれの団体がその行動を起こしてくれているのですが、国に届いていません。

 今回も来られましたので、同じことを申し上げまして、引き続き、学校関係者、PTA関係者は、国に対して必要性の声を上げるということでございましたので、再度延長ということにいたしているところでございます。

 

(愛媛新聞)

 県としても、国に対して引き続き求めていくということか。

 

(知事)

 もちろん言い続けます。こういうのはよくあることなんですけれども、国が突如こういう事業を起こして、2、3年で、はい、やめました。後は、地方自治体で勝手にやってくださいと。これを見過ごしていくと、同じようなやり方が定番化してしまうおそれがあると思います。要は、先鞭だけ付けて、自分たちがやったという実績だけ残して、後は途中でいつの間にかいなくなって、はしごをはずす。で、地方への負担の転嫁を図るということが往々にして起こってきた経緯がありますので、こういうときはしっかりと声を上げなければいけないのではないかなと思っています。

 

(NHK)

 最優先で取り組むとしていた防災対策の中でも、原発関連で引き続き道路の整備であるとか、新たに大分県との連携強化の取り組みが含まれているが、そのあたりに込めた知事の思いや狙いを教えてほしい。

 

(知事)

 これについては、まずですね、原子力政策そのものをつかさどるのは国ですから、再稼働の要請が来た時の一連の交渉の中で、国がやるべきことはこれではないかということを明確に突き付けさせていただきました。それに対しての回答は、オープンな場で皆さんも見ている中で、国から回答がありました。これは誠実にやっていただかなければならないと思いますし、その関係で、補正予算において原発施設の整備等、放射線を遮断する設備ですね、そういったものについての国の予算が組まれましたので、これは約束を守っていただいているということで、先般、提案させていただいたところでございます。

 それに合わせてですね、今回さらなる対策の強化、特に、大洲・八幡浜道路の一層の展開と、それから、大分県との連携強化等についても、これも約束事でありましたから、国も対応するということでしたので、今回の予算に反映させていただきました。

 

(NHK)

 県として、同意して、再稼働が今年度にもという見通しもある中での、知事としての決意が表れているような意味合いにとれるが、知事としてはいかがか。

 

(知事)

 やはり同意に至る経緯が経緯ですので、特に安全面でのさらなる強化というのは絶対条件になってますから、ともかくそれぞれゴールはありませんけど、やれることはできるだけ早く、どんどん対策を打っていくという姿勢を今後とも貫き通していきたいと思っています。

 

(愛媛新聞)

 財政健全化の関係で、一つの指標になる財源対策用基金は取り崩し額が増えたりとかして、目標の残高からかなり遠のくイメージがあるが、経済対策や行政サービスとの兼ね合いもあると思うが、財政健全化に向けてのバランスをどのように考えているのか。

 

(知事)

 取り崩しはあるんですが、積み立ても行っていますので、そのバランスの中で考えると、充実した、狙いどおりの体力強化には結び付いてきていると思っています。特に、財政調整基金は27年度末残高が381億円なのですが、就任した時には200億円でありましたので、ほぼ倍増の体力を養うことができたのではないかと思っています。

 ただ、積み上げられるだけ積み上げるのが目的ではありませんから、常に類似団体の状況、それからいざというときの県単独の動きがスムーズにできるような体力を意識しながら、この積み立てについては考えていきたいというふうに思っています。

 もう一つは、県債の発行残高については、就任以来、臨財債は増えていますけれども、県債の方はずっと縮減傾向にありますので、その点については、国の借金も県の借金も同じではないかと言われればそれまでですが、臨財債は、とりあえず国が本当は地方に現金で渡さなければいけないものを臨財債で貸しておくという話ですから、当然のことながら国が債務を負っていますので、しっかりと後々処理していただけるものということを前提に考えていますので、県の立場としては非常に健全な状況というものを貫いているのではないかと思っています。

 

(日本農業新聞)

 TPPを見据えて、農林水産業の体質強化のための基金を創設するということだと思うが、国の方でもTPP対策事業は打ち出しているので、県単事業で、国の事業で対応しきれない部分を補っていきたいという狙いと推測するが、どういった方向性で使っていきたいのかということと、25億円という額についての考え方を教えてほしい。

 

(知事)

 TPPは、この前、影響試算を県も出しましたが、あれは本当に細かいデータがなく、しかも国の計算根拠に準じてはじいている数字なので、どこまで現実的なのかというのは分からないところがあります。何かというと、近年縮減傾向にある農業生産額とかですね、人口減少の要素であるとか、国の計算基準はそういったものを一切入れていないんですよ。でも、それ以外の指標がないので、今の段階ではそれを使うしかないので、国の計算方式に準拠した形で県もはじいて、あの数字が出ているんですね。

 ですから、やっぱり実際のところ、特に農林水産業への影響については、本当にこれが実行に移された段階でないと分からないところがあります。それは単に従事者の皆さんの生活の問題だけでなく、農林水産業の果たしている役割、例えば治水への効果であるとか、地下水への供給能力であるとか、そういったものをトータルで考えると、やっぱり1次産業は大事ですから、それなりの備えをしておくことが必要であると思っていますので、きめ細かな根拠を問われると、今の段階では、正直言って申し上げられないというのが事実です。ただ、今申し上げたような計算の根拠が明確なものがない中で予想をせざるを得ないということ、それから、TPPは大きな大きな変更が予想されますので、特にその影響が一番マイナスの面で出てくるのが1次産業だと思っていますので、これはいざというときのためにしっかりと備えておくことが必要ではないかということで、少し余裕を持った積み方をしているということでございます。

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