本文
令和4年度当初予算案及び令和3年度2月補正予算案等に関する記者発表の要旨について
- 令和4年度当初予算編成について[PDFファイル/216KB]
- 令和4年度当初予算編成のポイント[PDFファイル/2.02MB]
- 令和4年度当初予算の主要な事項について[PDFファイル/664KB]
- 令和3年度2月補正予算について[PDFファイル/426KB]
- 令和4年度会計別予算の規模・当初予算款別一覧表(一般会計)[PDFファイル/134KB]
- 令和3年度会計別予算の規模・2月補正予算款別一覧表(一般会計)[PDFファイル/104KB]
- 令和3年度会計別予算の規模・2月補正予算款別一覧表(経済対策分)(一般会計)[PDFファイル/105KB]
日時:令和4年2月15日(火曜日)11時11分から11時39分
場所:知事会議室
(南海放送(幹事社))
続いて、令和4年度当初予算案および令和3年度2月補正予算案等についてですが、会見終了後レクがありますので、詳細の確認はそちらでお願いします。それでは知事お願いします。
(知事)
それでは、(2月定例県)議会に提案予定の予算案等について説明させていただきます。横長資料の1ページをご覧いただきたいと思います。
まず、当初予算の編成に当たりましては、現下の最重要課題である新型コロナウイルスから県民の命や健康、暮らしを全力で守るため、「守り」の感染防止対策を徹底するとともに、ポストコロナを見据え、地域の社会経済活動を下支えする「攻め」の喚起策も展開していきたいと思います。中でも、西日本豪雨災害からの創造的復興にも総力を挙げて取り組むとともに、公約実現の総仕上げとして、「防災・減災対策」、「人口減少対策」、「地域経済の活性化」の3本柱に重点的に取り組むことといたしました。また、先般、「あたらしい愛媛の未来を切り拓くDX実行プラン」を発表させていただきましたが、将来の本県産業を担う、高度IT人材を含むデジタル人材の育成と、県内産業や行政の力強いDXの展開を、車の両輪として力強く取り組みたいと思います。さらに、「えひめ南予きずな博」を皮切りに、中予ではプロ野球オールスターゲーム、東予では国際サイクリング大会など、県内全域で行われる大規模イベント、もちろんコロナをにらみながらでございますが、こうしたイベントを通じて、本県の魅力のさらなるブラッシュアップを進めるとともに、農林水産業の振興や福祉・子育て環境の充実、また、教育・文化の振興等の重要課題にも着実に対応するほか、国の補正予算等に対応した2月補正予算と併せて、切れ目のない対策を講じることとしております。
この結果、当初予算額は、一般会計で約7,033億円、前年度比で見ますと1.2%増の85億円増。知事就任以降では最大規模となりまして、平成13年度以来の7千億円台の当初予算となります。コロナ対応を除いた比較では、3年度を24億円程度上回りますが、財政健全化にも十分目配りしながら、メリハリの利いた予算に仕上げたところでございます。
次の2ページでございます。当初予算の重点施策、まず一番目、コロナ対策の強化でございます。病床の確保と宿泊療養施設の運営をはじめ、自宅療養者の健康管理体制の強化に取り組むとともに、地域外来・検査センターの運営など、検査体制を強化すること。また、3回目のワクチン接種を促進するため、市町や医療機関等への支援に取り組むほか、「愛顔(えがお)の安心飲食店」の認証取得を推進してまいります。
二番目に、豪雨災害からの創造的復興でございます。仮設住宅等で生活されている被災者の見守りや相談支援に取り組むとともに、堤防等の新整備計画に基づく肱川水系の治水対策を推進してまいります。また、「えひめ南予きずな博」の開催と併せ、南レク公園の魅力向上を図ってまいります。さらに、かんきつ園地の再編復旧と生産力強化に向けた支援に取り組みたいと思います。
三つ目に、新たな未来を切り拓くデジタル施策の展開でございます。市町と協働し、高度デジタル人材の確保やデジタルデバイド対策を図るほか、スマホを使って行政手続きが行える「手のひら県庁」の実現など、「行政のDX」を推進するとともに、最新ICT機器の利用を通じた障がい者の社会参加を促進するなど、「暮らしのDX」を推進してまいります。また、本県産業の稼ぐ力の強化に向けまして、高速無線通信を活用したデジタル技術の実装に取り組むほか、産学官が連携し、産業界が求めるデジタル人材の育成等に向けた体制の構築や、先進的な実証事業に取り組むフラグシップモデル企業の創出を図るなど、「産業のDX」を推進してまいります。
防災・減災対策として、緊急避難道路の整備や河川堤防、砂防施設等の改修に加え、原子力災害に備えた避難経路の改良を行うほか、河川管理者や地域住民等が協働して取り組む流域治水対策を推進してまいります。また、災害時の防災拠点となる県庁第二別館の建て替えや県立学校施設の長寿命化改修を計画的に実施いたします。
五つ目に、人口減少対策としては、南予への移住の促進に向け、市町との連携による南予子育て移住応援パッケージを展開するとともに、釣りのメッカである南予地域の強みを生かしまして、大手釣り具メーカーと連携し、大都市圏の企業等からのワーケーション誘致を特色を持って一層推進するほか、オンライン移住フェアを通じた県内全域への移住者の受け入れ態勢の拡充などに取り組んでまいります。さらに、条例で設置しました「子どもの愛顔応援ファンド」、これを活用して、官民協力の下、愛媛オリジナルの子育て支援策を推進するほか、デジタルツールを駆使した独身男女の出会いの場の提供など、えひめ結婚支援センターの機能強化を図ってまいりたいと思います。
六つ目に、地域経済の活性化でございますが、商工・観光関係では、厳しい経営環境にある中小企業への伴走支援に向け、新規融資制度の創設と保証料の補助を行うとともに、県内のシェアオフィスを活用し、大都市圏の企業の一部拠点をサテライトオフィスとして誘致するほか、ものづくり企業のアジア地域での販路拡大に向けた経済交流ミッションや世界最大の越境EC市場である中国、もちろん政治情勢をしっかり見極めながらでございますが、中国をターゲットとした県産品の販売促進プロモーションを、(中国)市場は世界最大市場ということで展開してまいりたいと思います。また、4年ぶりとなる国際サイクリング大会を開催するほか、来島海峡大橋と欧米豪の橋との姉妹橋の協定の締結により、しまなみ海道エリアへの誘客促進を図りたいと思います。さらに、えひめこどもの城での大型遊具やとべ動物園での獣舎ライトアップ照明等の整備をはじめとする「とべもり」エリアの魅力向上等により、集客促進に取り組んでまいりたいと思います。この他、松山空港国際線の早期の運航再開と再開後の安定運航に向けたイン・アウト両面での需要回復の促進を図りたいと思います。農林水産業関係では大都市圏の飲食店への旬の食材サンプルの提供を通じた生産者の販路拡大を支援するとともに、JAと連携した農業の担い手確保対策を進めるほか、「ひめの凜」の生産体制の強化とブランド力の向上を図りたいと思います。
七番目に、医療・福祉等の充実でございますが、医師不足の解消に向けまして、プラチナドクターバンク等による医師確保対策を推進するとともに、増加する児童・思春期患者の心のケアの強化に向けまして、子ども療育センターでの専用病棟の整備に着手をしたいと思います。また、介護現場へのAIやICT機器の導入を通じた業務の効率化等により、介護人材の確保を図りたいと思います。また、市町と連携した電気自動車の普及拡大のほか、急速充電設備の設置促進にも取り組みます。
八つ目には、教育・文化・スポーツの振興でございます。県立学校で「えひめ版STEAM教育」、耳慣れない言葉かもしれませんが、STEAM教育とは、Scienceの科学のS、Technology技術のT、Engineering工学のE、Arts芸術のA、Mathematics数学のM、この頭文字を取った言葉で、文科省が推奨している言葉でございますが、えひめ版でこれに取り組んでいきたいと思います。また、不登校児童生徒への支援に向け、市町と連携した校内サポートルームの拡充等を図ります。さらに、愛顔感動ものがたりや、2年ぶりとなる「えひめ愛顔の子ども芸術祭」を開催するとともに、「愛・野球博」事業の総仕上げとしてプロ野球オールスターゲームの全県を挙げた盛り上げにより、交流人口の拡大に結び付けたいと思います。また、四国4県で開催される令和4年度全国高校総体の本県実施8競技、これの円滑な運営に取り組んでいきます。
九つ目の社会資本整備でございますが、大洲・八幡浜自動車道、山鳥坂ダム、JR松山駅鉄道高架事業、こうした事業の着実な整備などに重点を置いて取り組みます。
次の3ページから5ページは、新型コロナ関連、西日本豪雨災害関連、デジタル施策関連を取りまとめたものでございます。
次に7ページをご覧いただきたいと思います。特別会計は2,497億8千万円、企業会計は711億6千万円であり、一般会計の7,033億円を含めた予算総額は1兆242億円となります。
次に、年末に成立した国の経済対策に伴う補正予算についてでありますが、感染防止対策や社会経済活動の回復に向けた需要喚起のほか、防災・減災対策などが盛り込まれており、2月議会に提出する予算案のうち、経済対策分については迅速な執行を図っていく必要がありますので、議会に対しては先議をお願いする考えでございます。
その主な内容は、一つ目は変異株への対応強化と生活維持への支援として、保健所に患者搬送用車両を追加配備するとともに、高齢者福祉施設でのオンライン面会等の環境を整備するほか、中小企業の業務継続計画、いわゆるBCPの点検や見直し支援等に取り組んでまいります。
二つ目は、将来を見据えた事業展開と先行投資として、中小企業がDXを推進するために必要な設備投資等を支援するとともに、ポストコロナを見据えた経営強化等に取り組む事業者を後押しするため、専門コンサルティング会社と県内金融機関、支援機関等が連携して、戦略的かつ総合的に経営相談等に応じる体制を整備いたします。また、市町の行政手続きのオンライン化と並行しまして、県主導でAI等の技術を活用した業務の標準化モデルを構築し、県内市町の一層の業務効率化につなげるとともに、県立学校への電子黒板の整備などに取り組んでまいります。
三つ目の社会経済活動の回復に向けた需要喚起。文化鑑賞券の追加発行に加えまして、新たにスポーツ観戦に係る割引クーポンを発行するとともに、感染状況を見極めながら、県内宿泊旅行代金の割引等を引き続き実施したいと思います。
四つ目に、防災・減災対策と県民の安全対策ですが、国の防災・減災、「国土強靭化のための5か年加速化対策」を活用し、肱川水系の治水対策や道路、河川、港湾、砂防施設等の改良のほか、農業基盤の整備等に取り組むとともに、昨年、千葉県内の通学路で起きた児童の交通死亡事故を受け、通学路等の交通事故防止緊急対策を講じるほか、県有施設における外壁全面打診調査に必要な経費を計上したいと思います。
五つ目に、その他として、鳥インフルエンザ発生農家等への支援や畜産業の生産基盤の強化にも取り組みます。
この結果、経済対策分の予算額は、一般会計で409億9千万円、企業会計で3億5千万円、合計で413億4千万円となっております。
次に、令和3年度2月補正予算、通常分でございます。8ページをご覧いただきたいと思いますが、経済対策分を除いた通常のものとしては、一般会計ではデジタル技術を活用した地域課題の解決やデジタル人材の育成等に長期的に取り組むため、新たにデジタル社会形成推進基金を創設し、130億円を積み立てるほか、国庫支出金の変動等に伴う補正を行うこととした結果、予算額は約229億3百万円となっています。このほか、企業会計では、長年議論を重ねてきた今治市への今治地区工業用水道事業の譲渡に係る資産の処分を行うこととし、これが約28億4千万円の増などとなっております。
この他、条例等の議案については、先ほどのデジタル社会形成推進基金の創設に係る条例の制定などを提案する予定でございます。また、知事等の給与の特例に関する条例につきましては、これまでどおり率先して行政改革に取り組む姿勢を示すため、給与カットは継続実施することといたします。
なお、先週発表した第4弾「えひめ版応援金」、これについてはできるだけ早く行いたいと思いますが、現在、金額等の最終の精査を行っておりますので、予算案については一両日中、後日お知らせしたいと思います。以上です。
(南海放送(幹事社))
ただ今の発表事項に関しまして、質問のある社はお願いします。
(愛媛新聞)
愛媛新聞です。知事にとって3期目の任期の締めくくりとなる当初予算になると思います。そういった意味で、あらためてどういった編成になったと受け止めていますでしょうか。
(知事)
まず、第一には、コロナでいろんな変動要因が生じていますので、公約のチェックと進捗状況の確認に基づく公約実現のための後押しをするということが一点。それから二つ目は、コロナ対応ということをしっかりと行うという点。そして、基本的な政策課題である人口減少対策、地域の経済活性化、西日本豪雨災害からの復興ということについて、しっかりと気配りを行うと。こういった点で編成させていただきました。
(あいテレビ)
あいテレビです。関連するんですけども、今回の予算編成でですね、特に最終年として力を入れたとかですね、目玉となるような位置付けとして掲げたのはどちらでしょうか。
(知事)
これはやっぱり、公約にそこまで明示していたわけではないのですが、コロナ禍によってですね、人々の考え方、暮らし方、働き方、大きく変貌を遂げようとしています。それからIT技術の推進によってデジタル社会が本格化しようとしています。となると、この時点から戦略をしっかり描いて、しっかりとした方向性を官民協力の下に追い求めていく必要性が生じたと考えます。そこで先般、トータルプランとしてのデジタル戦略を発表させていただきましたが、いわば今後のコロナ後、アフターコロナにおける愛媛県の産業力の強化、そしてまた新しい産業の創出、それを支える人材の育成、こういった観点で種まきをし、結果に結び付けていくスタートを切ると。これは非常に新しい、準備はしてきたつもりなんですけども、こうしたプランニングして基金までつくって打ち出すという方向性を打ち出せたということは、新たな挑戦と位置付けられるのではないかと思っています。
(読売新聞)
読売新聞です。今の質問とも重なるんですけど、先日もDXの政策、目標を掲げられまして、2030年度までに1万人のデジタル人材であったりだとか、県民所得を300万円にというお話がありましたけれども、一方で、来年度が知事3期目の最終年度となる中で、あえて今の任期残り1年を切った中で出されたというのはどのような意気込みといいますか、なるんでしょうか。
(知事)
あんまりそういう任期とか関係ないですね。事態は刻一刻と動いています。その変化の要因というもの、もちろん公約というものの実現というのにこだわるというのがすごく大事だと思っていますが、その過程において社会の変動要因等というのはいつでも起こり得る。そこに臨機応変に対応して、その流れを読み切って、新たなる挑戦を行うというのは任期とは関係なくやらなければいけない使命だと思っていますので、そういった自然の流れの中で打ち出しているに過ぎません。
(読売新聞)
分かりました。ということは、自分自身として4期目にやりたいということではまた。
(知事)
全く考えてないですね。もう本当に、3期をどう仕上げていくかということが今の自分の全てです。
(愛媛新聞)
すいません、先ほどのデジタルの話の中であった基金についてなんですけども、130億円という結構大規模なものになるかと思います。どう捻出されて、どのように活用していきたいとお考えでしょうか。
(知事)
これは、実はもう既に当初予算でもかなり予算のスタートは切っていくんですけども、今後の展開もプランニングする中で、こういう投資も必要になってくるだろうというのはいろいろありますから、その先取り分を基金に積んでおくことと、それからいろんなところで関連する事業を精査して、スクラップアンドビルドもあれば経費の節減もあれば、そういったところをこちらの方に基金で積んでおくというふうなことでございます。もう一つは、やはりそれだけの本格的な取り組みを愛媛県全体としてやるんだということを基金というかたちで示すことが、県内だけではなく県外の関連する民間企業にも大きなメッセージになるというふうに思っています。そのメッセージというものが愛媛県と何かやってみようか、愛媛県に協力してみようか、あるいはそこが進出ということにつながれば一番ベストなんですけども、そういったきっかけに結び付くものと思っておりますので、そういう意味で、基金というのは非常に大きな意味を持つんではなかろうかと思っています。
(南海放送(幹事社))
他にありますでしょうか。