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平成14年度再評価(第2回) 議事録
平成14年度愛媛県再評価委員会(第2回)議事録〔要旨〕
1開会
2委員紹介
3議事
市町村審議付託の適否
再評価対象事業の審議
(再評価対象事業の説明)
1「統合二級河川整備事業(三崎大川)」~6「今治港改修(重要)事業」
審議
佐伯委員:
費用対効果の社会的割引率を4%としているが、現在の低金利化の中、これでいいのか検討願いたい。
No.3について、事業の進捗が、費用面は14.3%、供用延長は52.7%と差があるが、なぜか。
No.4について、費用対効果が出ていないが、No.5ではイベントの満足度の効果が考慮されている。マニュアルがないから費用対効果を算出しないというのではなく、努力していただきたい。
広島側の進捗はどうか。
道路建設課:
No.3について、現在までに供用された区間は、現道拡幅部分であり、比較的少ない投資で大きな供用が可能であった。今後は橋梁2箇所、トンネルを含むバイパス工事となる。
道路維持課:
No.4について、費用対効果の算出については、国とも協議して検討していきたい。
広島側については、計画延長80.4kmのうち、供用延長45.7kmであり、56%の進捗と聞いている。
柏谷委員長:
社会的割引率については、金利が下がっているので4%から下げてもいいという感じはするが、便益は完成してから発生し、費用は完成するまでに発生するため、割引率を下げると費用対効果は上がるので、今のところ安全側ではないかと思われる。また、これは金利とは全く一致せず、将来の需要に左右されることを考慮すれば、4%も妥当ではなかろうかと思っている。また、国の方でも4%としている。
天野委員:
No.3について、子供たちが日常的に登下校で使用しており、安全への配慮は大きい便益であると思うが、これら生活の安全性や快適性について、便益への反映が低いと思われるため、このあたりの視点をきちっと考慮してほしい。これは、ひいては公共事業についての肯定的な見方につながっていくのではないか。
No.6について、海の環境への配慮が大きなテーマとなっている中、構造物が海中に作られることについて、海への影響をどう評価しているのか。
今治市:
この計画は埋め立て前面にあり水深も深く近くに海岸(砂浜)はない。
佐藤委員:
No.2について、資料に記載されている計画交通量は、当初計画年度(平成5年度)に推計したものか。
現在の交通量はどの程度か。
道路建設課:
計画交通量については、平成11年の道路交通センサスにより、20年後の平成32年の交通量を推定している。
平成11年の交通量は、国道319号で4,825台、国道440号で1,241台である。
関委員:
No.4について、観光産業の支援を目的とするとうたわれているが、自転車歩行者数は完成後どの程度想定しているのか。資料に掲載されている平成13年11月14日のイベントでは2,000台程度が利用しているが、その程度と考えているのか。
道路維持課:
将来の見通しはつかない状況であるが、市町村も含めてイベント等による集客を検討している。
青野副委員長:
全体の話として、本委員会の資料である費用対効果算定については、我々が判断できるような資料を提出していただきたい。
柏谷委員長:
費用対効果については、具体的に、細かく記述していただきたい。
以前の委員会においても、全国一律のデータを使用した算出結果について、現状に合致していないため、県において修正をお願いしたこともあるため、根拠の数字を見せてほしい。
No.3について、平成5年から平成13年で進捗率14.3%だが、本当に平成19年度に完了出来るのか。
No.6について、平成15年度以降の見込み事業費が、平成14年の倍あるが、予算確保は大丈夫なのか。
全体では、公共事業については、完了目標は延びることはあるが、それに伴い公共事業としての効率性は低下していくので、予算確保は計画的にお願いし、それを踏まえた事業計画としてもらいたい。
道路建設課:
No.3については、県内の国道全体で事業計画を策定し、その中で計画的に進捗させていくこととしている。また、バイパス区間に小村ダムがあり、工事に関する調整が必要であったが、現在は調整も整っている。
今治市:
No.6については、平成14年度は実績であり、平成15年度については国への要求額である。
柏谷委員長:
資料番号7番から14番まで説明をお願いする。
(再評価対象事業の説明)
7「公共下水道事業 内子処理区」~14「街路事業 大坪通土橋線」
審議
佐伯委員:
公園事業について、費用のうち維持管理費は、どのような費用を、何年間想定しているのか、具体的に示してほしい。
都市整備課:
既設の部分供用している施設の維持管理費実績を基に、完成後50年間の維持管理費を社会的割引率4%を考慮して算定している。例えば小松では、樹木の維持及び施設の修繕等である。
青野副委員長:
公園の便益を算出するのは困難であろうが、便益の中の「火災延焼の防止遅延」の便益費用が、3つの公園で著しく異なるのはなぜか。
便益について、直接及び間接利用価値に分けて計算しているが、鬼北については、間接利用価値が直接利用価値を大幅に上回っており、間接のうちでも「火災延焼」の便益がほとんどを占めているが、詳しく説明してほしい。
都市整備課:
公園がなかった場合の土地の利用形態により判断している。3つの公園ではそれぞれ、東予市では宅地化が進む土地周辺での火災遅延を考慮し、小松の場合は農用地に位置し特に配慮していない。
鬼北の場合は山地からの火災遅延を考慮し、便益についてはマニュアルにより算出している。
青野副委員長:
結果として、鬼北は山地からの火災遅延の効果が、直接利用価値を上回る効果であると判断していると言うことか。
柏谷委員長:
マニュアルが対象としているのは都市部ではないのか。常識的に見て鬼北の周辺で都市化が進むとは思えない。東予市についても、元々調整区域であり、地図から見ても延焼は考えられないのではないか。
青野副委員長:
マニュアルはマニュアルとして、現実を見て、常識的にどうかと思われるものについては、他の事例等を参考にするなど、再度考えてみてはどうか。
都市整備課:
マニュアルについては、定量化しやすいものが考慮されている状況であるが、国において、非利用的価値を考慮するなど、見直しを検討しているとのことである。今回は、現在のマニュアルに従い算出している。
佐伯委員:
小松について、施設に管理人はいるのか。
小松町:
管理人は1名として、維持管理費から委託して常駐しており、その他作業の必要な場合も同様に委託している。町の職員はいない。オアシス館は町の職員がいるが、今回の維持管理費には考慮していない。
柏谷委員長:
PFIだと人件費まで考慮するが、ここに大きな違いがありますが、役所の人件費だから考慮しないのですね。
関委員:
No.13について、進捗が低い理由を財政難としているが、当箇所の事業の目的は、家屋密集地の防災対策とされており、このような住民の安全に関わるものの優先度は高いのではないか。
都市整備課:
川之江市では、平成5年のし尿処理場建設、平成7年の斎場建設など、大きな事業が平行して実施されていたが、今後は当箇所への重点投資が可能である状況となっており、平成18年度には確実に完了予定である。また、県としても、優先的に対応したいと考えている。
柏谷委員長:
資料番号15番から18番まで説明をお願いする。なお、ここで休憩を挟みたい。
再開
(再評価対象事業の説明)
15「一般農道整備事業(県営)(大久保3期地区)」~18「漁業集落環境整備事業(田之浦地区)」
審議
柏谷委員長:
林道について、森林整備促進便益の公益的機能が増進されるとは、具体的にどういったことか。
林業政策課:
林道が整備されることで、間伐等が行われ、健全な森林の持つ水源かん養機能や土砂流出防止効果が増進されることである。
柏谷委員長:
No.17の走行時間短縮便益の60台/日の根拠は。
林業政策課:
集落と集落を結ぶことから、あくまでも集落の戸数から推定したものである。
柏谷委員長:
道路と同様の考え方が必要ではないのか。便益の半分以上をこの交通量で考慮するのはどうかと思う。また、森林の公益的機能も分かりづらい。林業生産の便益が林道建設により増加する考え方が本筋ではないか。
関委員:
林道の幅員が2つの事業で異なるのはなぜか。
林業政策課:
3mは支線的な位置づけであり、4mは集落を結ぶなど幹線的な位置づけである。
佐藤委員:
No.18について、費用は維持管理を含めているのか。
便益のうち時間短縮労働軽減とは何か。
漁港課:
維持管理を含めている。
本地区は一部を除きくみ取り式であり、作業中は家に1人はいなければならないが、施設整備により待機時間が軽減される事を考慮している。
佐藤委員:
広場があるが、都市公園事業と同様の考え方をするべきではないのか。省庁が異なるため、考え方も異なるというのも理解できるが、公園事業と同様の項目を取り上げてはどうか。
柏谷委員長:
他に意見はないか。特に意見がないようであれば、今回の18件の事業について、委員会の意見をとりまとめたいと思う。今後予算確保に十分努力する必要のある事業もあったが、18件の事業については、事業継続と言うことで委員会の意見をまとめてよろしいか。それでは、みなさんの了解を得たので、18件の事業すべて事業継続と言うことにさせていただく。以上を持って、本日の付議案件の審議を終了する。
なお、今回委員会で指摘のあった事項については、担当部局でさらに検討していただきたい。特に、常識的な目を大事にしていただきたい。
マニュアルどおりにやるというのでは、技術者の良心が泣く。誇りを持って、国民、県民に説明をしていくというのが再評価の一番大きな目的である。
公共事業は、どうしてもやらねばならないものがあるが、やみくもにマニュアルを適用して便益をたくさん出るようにとは考えず、みなさん方によく分かるように説明するため、説明責任として費用対効果分析が使用されていると言うことを十分認識し、さらに検討を続けていただきたい。
4閉会挨拶
5閉会
~終了~