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愛媛県ものづくり産業・サービス産業振興指針の策定に関する記者発表の要旨について

ページID:0081536 更新日:2024年7月25日 印刷ページ表示
日時:令和6年7月18日(木曜日)11時05分~11時20分
場所:知事会議室

(時事通信社(幹事社))
 本日は、発表事項が3件あると聞いています。まず、愛媛県ものづくり産業・サービス産業振興指針の策定についてですが、会見終了後、記者室でレクがありますので、詳細はそちらでお願いします。それでは知事、お願いします。

(知事)
 まず、このたび、愛媛県ものづくり産業・サービス産業振興指針を策定しましたので、発表させていただきたいと思います。
本県は、こちらに出しております表のとおりですね、令和3年度です。ちょっとこれ、数値の集計からずっとずれるような全国の統計になりますので、これは令和3年度でございます。この数値が出ましたが、四国最下位からは脱出したものの、全国との比較が可能な令和2年度の一人当たり県民所得においては依然としてまだ全国下位に低迷をしております。その背景としては本県産業が構造的に抱える稼ぐ力の面での課題もございます。例えば、他の産業と比べると労働生産性の低い農林水産業などの第一次産業の就業者の割合が高いということ。また、製造業も盛んではありますが、それは四国の製造品出荷額等の約4割を占めておりますので、高い数値にはなります。全国でもこちらは25位、47都道府県中25位と中位にはあるのですが、付加価値率では44位と低迷をしております。これはもう産業構造の問題になってまいります。また、相対的に付加価値率の高いとされている情報通信業においても、県内総生産の伸びが全国と比較してまだ低いという状況にございます。
 本指針は、少子化・人口減少に打ち克つ産業構造への変革を図って、低迷している一人当たり県民所得の回復とさらなる向上を実現するためのアクションプランとして策定をさせていただきました。
 数値目標は、DX実行プランと同様に整合性がございますので、令和12年度における一人当たり県民所得300万円と設定をしております。左の図は、県内経済の変化をイメージしたものでありまして、元々、A足すBの円形だった県内総生産から、人口減少等により、Aの三日月部分が剥落してBの楕円部分のみになっているのが現状でございます。右の表は、この剥落を示す統計数値でございますけれども、コロナ禍が本格化する前の令和元年度では、比較が可能な平成23年度から県内総生産が約1800億円減少をしております。ここから、右向きの矢印で示す、1から3を3本柱とする取り組み、こちらによって、このCの三日月部分を獲得する、剥落したこちらをカバーするために、こちらを獲得するというふうなことを目指して取り組みを進めていくと、これが基本的な考えとなります。
 上の図になりますが、一人当たりの県民所得の算出式となります。本指針では、少子化・人口減少に打ち克つため、「1.産業人材減少の最小化」に加えまして、量的な拡大と利益率の向上を図るための「2.既存産業を伸ばす観点」、そして「3.新たな活力を創出する観点」の三つの方策を大きな柱とさせていただきました。一番、二番、三番、これが三つの柱となります。
 加えて、今回の指針では、県外を主たる販売市場とする域外市場産業の振興により、県外から流入する資金を拡大し、その波及効果により、県内経済全体の活性化を図る好循環の実現に力点を置いております。
 次の表になりますが、こちらは具体的な取り組みの体系を示すものでございます。一つ目の柱、愛媛の未来を支える産業人材の育成・確保の推進は、全産業の維持・発展の原動力となるのは産業人材でありますが、この減少の最小化を図って、県内経済の持続的発展、ひいては一人当たり県民所得の向上につなげるもので、主な取り組みを列挙させていただいております。
 地方政府とMOUを締結した国からの外国人材の受け入れ拡大に注力し、特にベトナムからは、連携協定を結んでいるベトナムのベンチェ省、いろいろと水面下でいろんなやり取りをしております。ベンチェ省から1000人を目標に人材を獲得する目標を掲げて取り組むほか、ひめボス宣言事業所のさらなる裾野の拡大により、男女問わず選択される魅力的な企業への変革・成長を促進して、併せて認証企業の魅力を強力にPRして、就職の学生の側から見たら、魅力度を上げていくということにしていきたいと思います。
 また、U I Jターン就職を含む若者の県内就職、そして定着の促進について、特に転出超過の大きい若年女性に重点を置いて施策を展開するとともに、コロナ禍を経てニーズが高まっているデジタル人材の育成・確保、大学との連携等も行ってまいりましたが、産学官連携でさらに取り組みを進めてまいりたいと思います。
 次に、二つ目の柱、県内産業の稼ぐ力の向上と持続的発展への支援になります。観光サービス産業も含めて、県内企業の産出額や利益率の向上を図って、一人当たりの県民所得の向上につなげるものでございます。主な取り組みでございますが、拡大する脱炭素市場、これもビジネスとしての市場として発展をしておりますが、例えば、これを展望して今治市の造船業や舶用機械製造業、新居浜市、西条市を中心とする金属加工業などの県内ものづくり企業による洋上風力発電市場への参入を、コンソーシアムを組んで強力に後押しをしたいというふうに思っております。また、限られた人員で経済活動を継続するための生産性向上に向けまして、こちらも既に手を打っておりますが、トライアングルエヒメによるデジタル実装を推進して、産業Dxをさらに加速していきたいと思います。また、これは営業本部の活動になりますが、トップセールスの実施も含めて県関与成約額300億円に向けた営業活動の展開、また、経済交流ミッションを通じた海外展開の推進により、国内外に向けた販路開拓の支援、営業の補助エンジンとしての役割を強化していきたいと思います。また、CONNECTえひめを核として、産学金官が連携したオール愛媛体制で中小企業の新たなチャレンジ、取り組みを支援していきたいと思います。
 次に、三つ目の柱になります。戦略的な企業誘致と新産業創出の推進でございます。稼ぐ力の高い企業の誘致、また、付加価値の高いスタートアップの創出などを推進し、新たな産出額を増加させ、一人当たり県民所得の向上につなげるものでございます。主な取り組みとして、市場の拡大が見込まれる半導体関連等の先端成長産業をはじめとする大型製造業を誘致するため、愛媛県の地域特性もありますが、弱点でもあります用地でございます。合計50ヘクタールを目標に、市町と連携して大規模産業用地の確保を推進するとともに、必要となる技術人材の育成にも教育機関と連携して取り組むほか、産学金官連携によるスタートアップ支援、また、ドラゴン研修による若手IT起業家の創出に取り組んで、高い成長性が期待できる新産業の創出を図りたいと思います。
 指針に掲げる取り組み、これはしっかりと数値目標も掲げておりますが、主な成果指標でございます。本年4月に策定した成果重視政策マネジメント推進プランに基づきまして、これは簡単に到達できる数字では全てありません。できないこともあるかもしれません。ただ、大事なのは、頑張れば達成できるかもしれない、その可能性のある高いレベルのKPIを設定しておりますので、この達成に向けて、職員一人一人がこれまで以上に成果にこだわった施策を体系的に展開する必要がございますので、その総合力で一人当たりの最終的には県民所得の向上へと結び付けていきたいというふうに思います。以上です。

(時事通信社(幹事社))
 ただいまの発表事項に関しまして、質問のある社はお願いします。
 すいません。幹事社の時事通信です。半導体産業についてお話がありました。愛媛県は、半導体産業はまだ大きな工場の進出というのは、その、他県と比べてないかと思いますけども、現時点で半導体関係者から愛媛県はどういうふうに見られているか、もし知事の手応えがありましたら教えてください。

(知事)
 四国という地理的なハンディがあるということもあるので、なかなかこれは難しい課題ではあるんですけれども、ゼロではなくて、こちらから情報をキャッチしてアタックした経緯もあったりですね、何とかこう、俎上(そじょう)に上るようなところはありました。ただやっぱり、物流の関係とかいろんな要素が出てきますので、そこのやっぱりハンディをどう乗り越えていくかというのは大きな課題であろうかと思います。
そんな中、例えば、今年に入って、これも戦略的にはやっているつもりなんですが、東予と中予と南予の産業構造の違いがある。それぞれに見合った産業の誘致というのが、戦略的に必要であるということで、例えば、東温市は半導体に限りなく近いNITTOKUさんの工場誘致が今年、実現をいたしました。これはもう本当に、電気自動車に使うモーターのコイル生産のシステム工場ですから、非常に先端的な工場になろうかと思います。それから、その後に松山市でベトナムの人材育成の企業誘致、これも正式に決まりました。それから、先般発表した南予、これは食品加工ということで、マルコメさんのあおさ、陸上あおさの養殖、こういった地域特性に応じた企業誘致というものは少しずつ芽を開いてきていますけども、半導体に関して言えば、工場、まず何よりも立地すべき産業用地の構えが必要ですし、それから、愛媛県内においての物流の環境、これは陸路だけでなく船も海も含めてですね。それから半導体装置では水を大量に必要としますので、こうしたところの優位性、こういったことの総合力というのを分かりやすく、やっぱり取りまとめていくことが誘致につながると思ってます。その結果、市町と協力して50ヘクタールの用地確保が必要と判断したということでございます。

(愛媛新聞)
 愛媛新聞です。産業用地の確保に関して、これまで愛媛県内でもなかなか、動いてきたんだけれども、確保はできなかったという経緯があるかと思うんですけれども、このたび、新たにその50ヘクタールという広い土地の確保に向けて、もう少し具体的にどういった取り組みを進めていかれるお考えでしょうか。

(知事)
 そうですね。この主体になるのは、やっぱり各市町になるんですけど、例えば、最近、東温市でですね、スマートインターチェンジの開設というポイントもあったんですけども、これを拠点に災害対応の利用だけでなく、企業誘致に取り掛かるということで、結構、東温市さん、産業用地の整備を進めてましたので、それが花開いて、立て続けにレンゴーから、先ほどのNITTOKUから続いてますので、構えれば可能性あるんだというふうな一つの事例が全県に広がり始めているいいタイミングなんじゃないかなというふうに思いますので、各市町の取り組みも、やっても無理なんじゃないかというような発想ではなくて、やれば可能性があるという発想で取り組みが進められ始めたんではないかなと思ってますので、大いに県も一緒になって頑張りますので、期待をしております。


※議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。
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