本文
宇和島地区広域熱回収施設等整備事業
手続状況
終了
対象事業の区分
ごみ処理施設の設置の事業
事業名称
宇和島地区広域熱回収施設等整備事業
事業規模
処理能力120t/日
事業実施区域
宇和島市祝森
関係地域
宇和島市
事業者
都市計画決定権者 宇和島市
公告・縦覧日
- 方法書公告・縦覧 平成23年8月5日から9月5日まで
- 準備書公告・縦覧 平成25年12月3日から平成26年1月6日
- 評価書公告・縦覧 平成26年8月12日から9月11日
- 事後調査報告書公告・縦覧 令和元年7月19日~8月19日
知事意見
方法書
平成23年7月21日付けで送付のあった標記方法書について、愛媛県環境影響評価条例(平成11年条例第1号)第10条第1項の規定に基づき、別紙のとおり意見を提出します。環境影響評価の実施に当たっては、本意見を十分に勘案してください。
なお、愛媛県環境影響評価審査会から事業全般に関する提言のあった下記意見についてもご配慮願います。
記
- 周囲の景観と融合するような施設が21世紀のごみ処理施設のあり方であることを念頭に入れ、豊かな自然の中に設置する新しいモデル(宇和島モデル)として、周辺住民に喜ばれる施設となるよう検討すること。
- 環境影響評価法の一部を改正する法律(23.4公布)において、早期段階からの住民理解促進のため、方法書段階における説明会が義務化されたことを踏まえ、本件は条例対象事業であるが、住民の関心度が極めて高いこと等から、周辺住民へ事業計画の周知に努めること。
別紙
1 事業計画
(1)施設の内容、焼却方式及び環境負荷の諸元など具体的な施設計画が明らかにされていないことから、準備書では当該計画の決定に至るまでの経緯を含めこれらを明確にするとともに、計画の内容等に応じ、方法書で選定している評価項目、調査及び予測の手法について見直しを行うこと。
(2)施設稼動予定年度の処理対象量に基づき新ごみ処理施設の規模が算定されているが、処理対象量の算定根拠とされた将来人口及び排出原単位等の経年推計値が不明であるため、準備書ではこれを明らかにし、必要に応じ施設規模の縮減を図ること。
2 大気質
(1)上層気象は、計画地から離れた現センターで調査することとされているが、施設稼動による大気質や悪臭の適切な予測評価のためには、計画地内で調査すること。
(2)施設供用時における廃棄物収集運搬車両について、低排ガス車を使用するなど、道路交通による排ガスの影響を軽減するよう努めること。
3 騒音・振動
施設供用後は、広域処理化に伴い廃棄物の効率的な輸送を行うこととされているが、準備書において、その具体的な方策を明らかにしたうえで、必要に応じて廃棄物収集運搬車両走行による騒音、振動等の調査地点を追加する等の見直しを行うこと。
4 地下水
地中深く掘削するごみピット建設により地下水の流れに影響を及ぼすことが想定されるため、施工前に最大掘削深度までの帯水層の有無を確認し、必要に応じて、土地改変による地下水を調査項目として選定すること。
5 地形・地質
現時点の造成計画では、地盤が3層構造の上に新施設が建設される箇所が存在しうるため、軟弱な地盤に立地しないよう、施設の安全性を確保するため、事業実施区域の地質や地盤について十分に調査・評価を行うこと。
6 動物・生態系
(1)猛禽類については、一般的な鳥類の調査方法では適切に把握できないため、一般鳥類とは別に項目立てし、専門家に委託して調査を実施すること。
(2)猛禽類調査に当たっては、計画地周辺が丘陵地であり、サシバが好む生息環境である点を考慮して、繁殖前期に集中実施するなど、調査時期に留意するとともに、計画地周辺に日常的に発破していると想定される砕石場が存在する点を考慮して調査すること。
7 人と自然との触れ合い活動の場
(1)計画地周辺の遍路道については、史跡候補地として報告され、保存に向けた取組がなされていることなどから、施設との両立を図ること。
(2)具体的には、計画地に隣接する遍路道について、道そのものだけではなく、その周辺についてもそのまま残す又は緑化等の保全措置を講じるとともに、計画地を横切る遍路道については、景観上特に配慮し、将来にわたって、歴史的景観を継承するよう努めること。
8 温室効果ガス
施設稼動に伴う温室効果ガスは予測評価の対象とされているが、工事車両の走行及び建設機械の稼動、並びに供用時における廃棄物収集運搬車両の走行等に伴い発生する温室効果ガスについても予測評価を行うこと。
準備書
平成25年11月15日付けで送付のあった標記準備書について、愛媛県環境影響評価条例(平成11年条例第1号)第20条第1項の規定により、別紙のとおり意見を提出します。
なお、愛媛県環境影響評価審査会から事業全般に関する提言のあった下記意見についても御配慮願います。
記
- 本準備書に対する意見書数からして住民の関心度が極めて高いこと等から、事業計画の内容について、引き続き、適宜適切に周辺住民にきめ細やかに説明を行うなど、コミュニケーションを充分に図ることが不可欠である。
- ごみ処理の一連の流れが体験学習できる環境教育又は環境啓発の場として活用するなどして、人々が身近に感じて気軽に足を運んでもらえる施設となるよう努めること。
別紙
1 事業計画
環境影響評価書(以下「評価書」という。)においては、次の資料について具体的に示すこと。
(1)事業実施区域を示す拡大図面
(2)熱回収施設やリサイクルセンターにおける主要設備の配置例を示す平面図及び立面図
(3)南予地域における微小粒子状物質(PM2.5)の測定結果
(4)遍路道の改変箇所に係る整備方法
(5)遍路道の利用者等のための休憩所の位置、大きさ及び外観等の一例を示す図面
2 大気質
施設稼働に伴う大気質の評価項目として、硫黄酸化物、窒素酸化物及び浮遊粒子状物質等は予測評価されているが、これに加え、中国からの越境汚染等により社会問題化している微小粒子状物質(PM2.5)について、焼却施設からの影響も懸念されることから、必要に応じて、項目選定し、定性的にでも予測評価したうえで、その結果について評価書に記載すること。
3 植物
改変区域内に生息する希少種(タウコギ)の保全措置として移植する計画であるが、移植の時期や場所など移植方法については、専門家に意見聴取したうえで、可能な限り、複数の時期に、その時期に適した方法で移植するなどして、移植の成功率を向上させるよう努めること。
4 人と自然との触れ合い活動の場
世界遺産登録を目指す四国遍路道にとって、遍路道の保全は極めて重要であることから、やむを得ず改変せざるを得ないこととされている遍路道の整備に当たっては、利用者目線に立って、既設の遍路道と違和感のない快適な道とするよう配慮すること。
5 景観
大規模な施設の立地により近景の眺望変化は小さくないとともに、その立地場所が遍路道に近接した場所であることに十分留意し、施設の意匠、施設の敷地境界からの距離、敷地境界周辺の植栽及び柵等について、可能な限り、景観への影響が低減されるよう総合的に対策を講じ、自然豊かな周辺環境に溶け込む施設となるよう努めること。
備考