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西予ウインドシステム発電事業

ページID:0007990 更新日:2018年10月2日 印刷ページ表示

手続状況

 配慮書

対象事業の区分

 風力発電所の設置の工事

事業名称

 西予ウィンドシステム発電事業

事業規模

 総出力 40,000kw(14基又は20基)

事業実施想定区域

 西予市三瓶町から明浜町

関係地域

 西予市

事業者

 シグマパワージャネックス株式会社

公告・縦覧日

  • 配慮書公告・縦覧 平成26年6月17日から平成26年7月16日まで
  • 方法書公告・縦覧
  • 準備書公告・縦覧
  • 評価書公告・縦覧

知事意見

配慮書

 愛媛県は、西予ウィンドシステム発電事業に係る計画段階環境配慮書について、発電所主務省令及び愛媛県環境影響評価条例に基づき、シグマパワージャネックス株式会社に対し、平成26年8月18日付けで知事意見を提出した。

知事意見

 「発電所の設置又は変更の工事の事業に係る計画段階配慮事項の選定並びに当該計画段階配慮事項に係る調査、予測及び評価の手法に関する指針、環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針並びに環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令(平成10年6月12日通商産業省令第54号)」第14条第3項及び「愛媛県環境影響評価条例(平成11年3月19日条例第1号)」第44条第1項の規定により、別紙のとおり標記配慮書に対する意見を提出します。

別紙

1 総括事項

 事業実施想定区域周辺では、別の風力発電事業計画が存在しており、工事中又は供用後に騒音・超低周波音、風車の影、動植物及び景観等への影響が複合的なものになるおそれがあることから、必要に応じて、周辺における風力発電事業計画を踏まえた環境影響評価が実施されるよう、調査、予測及び評価の手法について、専門家の意見を聴取しつつ、検討し、その結果を環境影響評価方法書(以下「方法書」という。)に記載すること。

 また、発電機の配置及び機種等の検討に当たっては、これらの複合的な影響を可能な限り回避、低減できるよう配慮し、方法書においては、それらの決定過程における検討経緯及びその内容について、可能な限り明らかにすること。

2 個別事項

 (1) 騒音・超低周波音

 ア 発電機の基数及び単機出力並びに配置によっては、施設稼働に伴う騒音・超低周波音による周辺民家等への影響が異なる可能性があることから、この影響を可能な限り回避、低減できるよう配慮すること。

 イ 事業実施想定区域の東側に位置する仁土地区については、本事業と隣接して存在する別の風力発電事業との間に挟まれる場所にあり、施設稼働に伴う騒音・超低周波音の複合影響が特に懸念されることから、方法書においては、騒音・超低周波音の調査地点として、発電機との直近民家のみならず、この地区を選定すること。

 また、発電機の建設予定地周辺における農作業者への影響が懸念されるため、方法書においては、この点にも配慮し、適切に地点選定を行うこと。

(2) 地形・地質

 地形・地質については、平成11年~12年の古い既存資料により、事業実施想定区域に重要な地形・地質等が存在していないとして項目選定されていないが、西予市全域に広がる貴重な地質や地形などが評価され、平成25年9月に「四国西予ジオパーク」が日本ジオパークとして認定されたところである。

 このため、方法書において、事業実施想定区域及びその周辺における重要な地形及び地質について、専門家から意見聴取したうえで、必要に応じて項目選定し、現地調査によりその存否を把握する方法とすること。

(3) 動物(鳥類)

 事業実施想定区域及びその周辺は、専門家の意見にあるとおり、サシバやハチクマなどの渡りのルートに含まれている可能性があるため、鳥類、特に猛禽類について、重点的に調査を行うとともに、既存資料や専門家からの意見聴取等をもとに、調査、予測及び評価の手法を適切に選定し、その結果を方法書に記載すること。

(4) 景観

 ア 主要な眺望点の一つである魚霊塔からの風力発電機の見え方は、最大垂直角度が約7度と圧迫感を受ける可能性があるため、発電機の配置及び機種等の検討に当たり、可能な限り当該角度を低減できるよう、配慮すること。

 イ 四国西予ジオパークのジオポイントは、狩浜の段々畑など、その特徴的な地形や地質が視認できる場所として挙げられた地点であるため、方法書においては、それらの地点について主要な眺望点又は主要な景観資源として設定したうえで、景観への影響について、専門家からの意見聴取等をもとに、調査、予測及び評価の手法を適切に選定し、その結果を方法書に記載すること。

(5) その他(文化財)

 発電機の建設予定地は、周知の埋蔵文化財包蔵地には該当しないが、近年の調査で四国西南部では丘陵頂部に多く遺跡が営まれることが分かってきているため、施工中に遺構又は遺物が発見される可能性があり、この場合には工事計画への多大な影響が考えられる。

 このような影響を最小限にとどめるため、方法書においては、遺構又は遺物の存否について、西予市教育委員会と協議を行い、必要に応じて踏査や試掘調査等による確認方法とすること。

環境大臣意見

配慮書

 環境省は、8月1日、愛媛県で計画されている「西予ウインドシステム発電事業に係る計画段階環境配慮書」(シグマパワージャネックス株式会社)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 本事業は、愛媛県西予市において、総出力40,000kWの風力発電設備を設置するものである。
 環境大臣意見では、稜線部を新たに改変することから森林の改変が最小限となるよう配慮すること、騒音や鳥類に係る他事業者の風力発電所との累積的な影響に配慮すること等を求めている。

環境大臣意見

 本事業は、シグマパワージャネックス株式会社が、愛媛県西予市において、総出力40,000kWの風力発電所を設置するものである。
 本事業の実施が企図される愛媛県西予市は、まちづくりの一環として、再生可能エネルギーの推進に取り組んでいる。また、本事業は、既に系統連携への接続が確保されており、かつ、地球温暖化対策及びエネルギー自給率の向上に寄与することを目的としていることから、再生可能エネルギーの普及の観点からも望ましいものである。
 一方、本事業の事業実施想定区域及びその周辺においては、サシバやハチクマ等の猛禽類の渡り・生息が確認されている。また、本事業の実施区域と考えられる山地の稜線部は、これまで改変が行われたことはなく、風力発電所の設置の際に活用できる既存道路等が無い。このため、取付道路等の敷設等により山地の稜線部を新たに改変する計画であり、発生土による影響、水環境や動植物の生息・生育環境等への影響が懸念される。さらに、本事業の事業実施想定区域の周辺においては、他事業者による風力発電所が環境影響評価手続中であることから、累積的な環境影響が懸念される。
 これらを踏まえ、本事業計画のさらなる検討に当たっては、本配慮書で検討した計画段階配慮事項に加えて、以下の措置を適切に講ずることが必要である。

1.騒音の影響
 本事業の事業実施想定区域の周辺には、住居地域が存在しており、また、他事業者による風力発電所が環境影響評価手続中であることから、工事中及び供用時の騒音に係る累積的な環境影響が懸念される。
 このため、騒音に関する重大な環境影響を回避するため、本事業の風力発電設備及び取付道路等の付帯設備(以下「風力発電設備等」という。)の構造・配置又は位置・規模(以下「配置等」という。)の検討に当たっては、住居地域への影響を回避、低減するよう配慮すること。

2.風車の影の影響
 本事業の事業実施想定区域の周辺には、住居地域が存在していることから、供用時の風車の影に係る環境影響が懸念される。
 このため、風車の影に関する重大な環境影響を回避するため、本事業の風力発電設備等の配置等の検討に当たっては、住居地域への影響を回避、低減するよう配慮すること。
 また、環境保全措置の検討に当たっては、回避、低減、代償の順で検討すること。

3.鳥類に対する影響
 本事業の事業実施想定区域及びその周辺には、既存文献において、サシバやハチクマ等の猛禽類の渡りや生息が確認されている。さらに、本事業の事業実施想定区域の周辺においては、他事業者による風力発電所が環境影響評価手続中であることから、累積的な環境影響が懸念される。
 このため、重要な鳥類に対しての重大な環境影響を回避するため、本事業の風力発電設備等の配置等の検討に当たっては、重要な鳥類に関する調査・予測を行い、専門家等からの助言を踏まえ、環境影響を評価し、反映すること。その際には、近傍の他事業者による環境影響評価手続中の風力発電所と本事業との累積的な環境影響の予測及び評価を行い、評価の結果、重大な影響が認められる場合には、本事業の風力発電設備等の配置等を含めて再検討すること。

4.水生生物に対する影響
 本事業の実施により、渓流等への土砂や濁水の流出に伴う重要な水生生物への影響が懸念される。
 このため、本事業の風力発電設備等の配置等の検討に当たっては、可能な限り沢から距離を確保するとともに、土砂や濁水の流出等を回避するよう配慮すること。

5.生態系に対する影響
 一般的に尾根筋において森林部を伐開し風力発電設備等を設置すると、新たに生じた林縁部分が、乾燥や強風等による影響を受けやすいことから、当該箇所より森林の劣化が生じるおそれがある。
 このため、できる限り既存道路を活用するなどにより、新たな尾根部の森林の伐開を避け、新たに生じる林縁部分が最小限となるよう、複数の工事計画案を検討した上で、本事業の風力発電設備等の配置等を検討すること。
 また、山地稜線部を新たに改変することによる動植物の生育・生息環境及び生態系への影響が懸念されることから、森林の改変を最小限とするよう配慮すること。

6.発生土の影響
 本事業は、山地の稜線部を新たに改変する計画であり、発生土による自然環境への影響が懸念される。このため、できる限り既存道路を活用するなどにより、発生土の発生量を抑制するよう、本事業の風力発電設備等の配置等を検討すること。
 また、土捨場の配置等の検討に当たっては、動植物の重要な生息地・生育地や土砂の流出があった場合に近傍河川の汚濁のおそれがある区域等を回避するよう配慮すること。さらに、主要な眺望点や住民の生活の場から見えない場所を選定するよう配慮すること。

経済産業大臣意見

配慮書

本日(平成26年9月12日)、環境影響評価法第3条の6の規定に基づき、「西予ウインドシス発電事業計画段階環境配慮書」について、シグマパワージャネックス株式会社に対し、環境の保全の見地からの意見を述べた。
意見内容は別紙のとおり。

別紙

1.騒音の影響
本事業の事業実施想定区域の周辺には、住居地域が存在しており、また、他事業者による風力発電所が環境影響評価手続中であることから、工事中及び供用時の騒音に係る累積的な環境影響が懸念される。
このため、騒音に関する重大な環境影響を回避するため、本事業の風力発電設備及び取付道路等の付帯設備(以下「風力発電設備等」という。)の構造・配置又は位置・規模(以下「配置等」という。)の検討に当たっては、住居地域への影響を回避、低減するよう配慮すること。

2.風車の影の影響
本事業の事業実施想定区域の周辺には、住居地域が存在していることから、供用時の風車の影に係る環境影響が懸念される。
このため、風車の影に関する重大な環境影響を回避するため、本事業の風力発電設備等の配置等の検討に当たっては、住居地域への影響を回避、低減するよう配慮すること。
また、環境保全措置の検討に当たっては、回避、低減、代償の順で検討すること。

3.鳥類に対する影響
本事業の事業実施想定区域及びその周辺には、既存文献において、サシバやハチクマ等の猛禽類の渡りや生息が確認されている。さらに、本事業の事業実施想定区域の周辺においては、他事業者による風力発電所が環境影響評価手続中であることから、累積的な環境影響が懸念される。
このため、重要な鳥類に対しての重大な環境影響を回避するため、本事業の風力発電設備等の配置等の検討に当たっては、重要な鳥類に関する調査・予測を行い、専門家等からの助言を踏まえ、環境影響を評価し、反映すること。その際には、近傍の他事業者による環境影響評価手続中の風力発電所と本事業との累積的な環境影響の予測及び評価を行い、評価の結果、重大な影響が認められる場合には、本事業の風力発電設備等の配置等を含めて再検討すること。

4.水生生物に対する影響
本事業の実施により、渓流等への土砂や濁水の流出に伴う重要な水生生物への影響が懸念される。
このため、本事業の風力発電設備等の配置等の検討に当たっては、可能な限り沢から距離を確保するとともに、土砂や濁水の流出等を回避するよう配慮すること。

5.生態系に対する影響
一般的に尾根筋において森林部を伐開し風力発電設備等を設置すると、新たに生じた林縁部分が、乾燥や強風等による影響を受けやすいことから、当該箇所より森林の劣化が生じるおそれがある。
このため、できる限り既存道路を活用するなどにより、新たな尾根部の森林の伐開を避け、新たに生じる林縁部分が最小限となるよう、複数の工事計画案を検討した上で、本事業の風力発電設備等の配置等を検討すること。
また、山地稜線部を新たに改変することによる動植物の生育・生息環境及び生態系への影響が懸念されることから、森林の改変を最小限とするよう配慮すること。

6.発生土の影響
本事業は、山地の稜線部を新たに改変する計画であり、発生土による自然環境への影響が懸念される。このため、できる限り既存道路を活用するなどにより、発生土の発生量を抑制するよう、本事業の風力発電設備等の配置等を検討すること。
また、土捨場の配置等の検討に当たっては、動植物の重要な生息地・生育地や土砂の流出があった場合に近傍河川の汚濁のおそれがある区域等を回避するよう配慮すること。さらに、主要な眺望点や住民の生活の場から見えない場所を選定するよう配慮すること。

備考

 西予ウィンドシステム発電事業については、事業が廃止され、本年9月29日付け愛媛県報[PDFファイル/353KB]にその旨掲載しました。

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