本文
オオノ開發株式会社東温処分場廃棄物焼却施設整備事業
手続状況
方法書
対象事業の区分
- 産業廃棄物焼却施設の設置の事業
- ごみ焼却施設の設置の事業
事業名称
オオノ開發株式会社東温処分場廃棄物焼却施設整備事業
事業規模
処理能力120t/日 2基
事業実施区域
東温市河之内字北引岩乙843-14 外
(オオノ開發株式会社東温処分場内)
関係地域
東温市、西条市
事業者
オオノ開發株式会社
公告・縦覧日
- 方法書公告・縦覧 令和3年6月22日~7月21日
- 準備書公告・縦覧
- 評価書公告・縦覧
- 事後調査報告書公告・縦覧
知事意見
方法書
令和3年6月14日付けで送付のあった標記方法書について、愛媛県環境影響評価条例(平成11年条例第1号)第10条第1項の規定により、別紙のとおり意見を通知します。
別紙
第1 総括事項
1 環境影響評価の適切な実施のため、環境影響評価準備書の作成に当たっては、事業計画及び工事計画をできる限り明らかにするとともに、事業及び工事の実施に伴う環境影響について、より一層の環境負荷の回避又は低減に努めるとともに、関係する諸計画及び法令との整合を図ること。
2 事業計画については、焼却方式、煙突高さ及び排出ガス量等を具体的に定めるとともに、施設規模の算定について、既存施設の処理実績量も併せて示すなど、同準備書で明らかにすること。
3 事業の目的として、熱回収としての発電や低温排熱の余熱利用についても、掲げていることから、事業計画の具体化に伴い、発電効率や余熱利用の方法など具体的な計画について同準備書で明らかにすること。
4 本環境影響評価については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)」に基づく生活環境影響調査を兼ねることから、愛媛県環境影響評価技術指針に加えて、廃棄物処理施設生活環境影響調査指針の内容も考慮して、適切に調査、予測及び評価を実施すること。
第2 個別事項
1 地元との相互理解及び情報公開
(1) ホームページ等による積極的なデータ開示を行うとともに、客観性のあるデータを用いて分かりやすく丁寧な説明を行い、地域住民との相互理解の醸成に努めること。また、地元自治体や地域住民等からの意見、要望及び苦情等に対しては誠意を持って対応し、これら意見等を事業計画に十分に反映させること。なお、東温市長及び西条市長から地域住民からの意見への配慮及び真摯な対応を求める要望が提出されていることから、誠実かつ確実に対応すること。
(2) 環境影響評価図書については、地域住民との円滑な情報交流の拡充を図るため、できる限り縦覧期間が終了した後も自社ホームページ又は事業所等において、公開に努めること。なお、自社ホームページで公開する場合は、無断複製等の著作権に関する問題が生じないよう配慮するとともに、各種OSやブラウザでの動作確認を十分に行い、利用者の利便性の向上を図ること。
(3) 同準備書の作成においては、作成時点で最新の資料を用いるほか、図表を適切に活用し、できる限り専門用語や略記の使用を控え、縦覧図書として県民にも配慮した分かり易い内容となるよう努めること。
2 大気質
(1) 排出ガスの諸元値を概ね基準値以下としているが、できる限り環境への負荷を低減した諸元値を同準備書において明らかにすること。
(2) 対象事業実施区域及びその周辺は、複雑な地形を有していることから、地理的条件及び気象状況を十分に考慮した予測及び評価手法を選定すること。
(3) 水俣条約の発効を踏まえ、平成30年4月から、改正大気汚染防止法に基づき水銀大気排出規制が実施されている。ついては、排出基準を遵守することはもとより、できる限り水銀の排出抑制に努めること。
3 騒音及び振動
国道11号において、工事車両や供用時の廃棄物運搬車両の走行による騒音及び振動の状況の悪化を低減するため、できる限り搬入時期及び時間の分散化などの対策に努めること。
4 水環境
(1) 地下水
施設の基礎及び廃棄物保管施設等の設置に伴い、地中深く掘削する場合は、地下水の流れに影響を及ぼすことが懸念されるため、過去の地質調査結果の活用を含め適切な調査により帯水層の状況を確認し、必要に応じて、環境影響評価の項目に地下水を追加すること。
(2) 水の汚れ・水の濁り
- 計画施設から排出されるプラント系排水は放流せず、ろ過処理後、施設内で減温水として利用する計画としている。同準備書において、具体的な水処理の流れを明らかにすること。
- 生活系排水について、浄化槽の設置位置を明らかにするとともに、処理水の放流先を同準備書において明らかにすること。
- 造成計画について検討を進め、沈砂池の設置位置を明らかにするとともに、濁水の処理水の放流先を同準備書において明らかにすること。
5 地形・地質
対象事業実施区域について、造成工事により大規模な土地改変が行われた場合、水みちの変化や森林機能の低下による土砂流出及び濁水の発生等による生活環境や動植物等への影響が強く懸念される。併せて、平成30年7月豪雨等、近年の豪雨災害の激甚化・頻発化を踏まえ、環境影響評価の項目に土地の安定性を追加し、適切に調査、予測及び評価を実施し、その結果を同準備書で明らかにすること。
6 動植物及び生態系
(1) 対象事業実施区域及びその周辺は、草刈等により管理され農薬が使用されておらず、希少な里山の生き物が残っている可能性がある。必要に応じて、専門家の意見を聴取して、土地改変等による動植物及び生態系への影響を適切に調査、予測及び評価を行い、確実に回避又は低減すること。
(2) 希少種及び絶滅危惧種等の保全及び影響の回避又は低減はもとより、廃棄物の搬入に伴って侵入する恐れのある侵略的外来種についても留意し、できる限り対応を検討すること。
7 文化財
事業実施区域は、周知の埋蔵文化財包蔵地等に該当しないが、当該地域は、松山平野と東予地域とを繋ぐ非常に重要な地域であり、石造物等が確認される可能性も考えられる。事業計画を検討する際には、事業実施中に新たな遺構や遺物を発見された場合の対応についても考慮すること。
8 廃棄物等
(1) 廃棄物の保管は、性状に応じて雨水等による流出、悪臭の漏えいを防止するための措置を十分に講じること。
(2) 十分な廃棄物の展開場所を設け、搬入された廃棄物の選別を徹底し、事故を防止し安定的な稼働を行う計画とすること。
(3) 燃え殻について、燃え殻の一部をセメント原料としてリサイクルを行う計画としているが、新技術の導入等により、できる限りリサイクルに努めること。
(4) ばいじんについて、廃棄物から移行すると考えられる水銀については、溶出量だけではなく、必要に応じて含有量も確認するなど、適切に管理すること。
(5) 残土について、工事計画を十分に整理することにより、工事に伴い発生する土量を適切に予測し、可能な限り発生量の削減に努めるとともに適切に処理すること。
(6) 事業実施区域において、伐採される樹木について、適切に調査、予測及び評価を行い、可能な限り再利用を行い環境負荷の低減に努めること。
(7) 災害廃棄物の保管においては、特に火災等の発生を防止する措置を十分に検討すること。
9 温室効果ガス
施設稼働に伴う温室効果ガスは、環境影響評価の項目としているが、廃棄物の搬入計画を踏まえ、必要に応じて、供用時における運搬車両の走行等に伴い発生する温室効果ガスについても予測及び評価を行うこと。
10 その他
環境影響評価を行う過程において、項目、地点及び手法等に係る事項に新たな事情が生じた場合は、必要な検討を行うとともに、必要に応じて追加的に調査、予測及び評価を行うなど適切に対応すること。