本文
株式会社松山バーク廃棄物焼却施設整備事業
手続状況
評価書
対象事業の区分
- 産業廃棄物焼却施設の設置の事業
- ごみ焼却施設の設置の事業
事業名称
株式会社松山バーク廃棄物焼却施設整備事業
事業規模
処理能力 120t/日
事業実施区域
松山市西垣生町2892番地
関係地域
松山市、松前町
事業者
株式会社松山バーク
公告・縦覧日
- 方法書公告・縦覧 平成28年6月28日から平成28年7月27日
- 準備書公告・縦覧 平成30年11月6日から平成30年12月5日
- 評価書公告・縦覧 令和元年7月12日から令和元年8月13日
知事意見
方法書
平成28年6月28日付で送付のあった標記方法書について、愛媛県環境影響評価条例(平成11年条例第1号)第10条第1項の規定により、別紙のとおり意見を提出します。
別紙
第1 総括事項
1 事業計画において、既存施設から約3倍に増強する処理能力の必要性、想定する処理対象物の種類・量及び新施設の諸元等が不明確であることから、環境影響評価準備書ではこれらを明確に示すこと。
2 新施設整備後の既存施設の廃止やその取扱い等が不明確であることから、環境影響評価準備書ではこれらを明確にすること。なお、本事業と合わせて既存施設の撤去を実施する場合には、撤去工事を影響要因に追加すること。
第2 個別事項
1 大気質
(1) 大気汚染防止法の改正に伴う水銀排出規制が予定されていること等を踏まえ、可能な限り排出抑制に努めるとともに、既存施設からの排出状況を含め適切に調査、予測・評価を行うこと。
(2) 一般環境の大気質への影響に係る調査、予測・評価に当たっては、事業計画地の気象や地理的条件を考慮し、適切な予測範囲を設定して実施すること。
2 騒音及び振動
事業予定地が民家から約1km離れていることを理由として、供用後の騒音及び振動を評価項目として選定していないが、周辺には複数の事業場が存在すること、また施設規模が増強されること等を踏まえ、評価項目に追加されたい。
3 景観
(1) 景観について、住民から要望のあった「重信川河口」等を調査地点として追加すること。
(2) 緑化について、計画地内の平面での対応以外に、現在、建屋への壁面緑化についても他事例が多くあることから、これらを踏まえ検討されたい。
4 その他
事業計画地は、重信川河口部の瀬戸内海に面する埋立地であり、今後、発生が見込まれる南海トラフ巨大地震等による津波や液状化の影響が想定される。一方で、本事業計画では、処理対象物に災害廃棄物が含まれており、被災後の施設操業の可否について懸念されるところである。このため、新施設の整備計画の立案に際しては、これらの内容について十分留意すること。
準備書
平成30年7月17日付で送付のあった標記準備書について、愛媛県環境影響評価条例(平成11年条例第1号)第20条第1項の規定により、別紙のとおり意見を提出します。
別紙
第1 総括事項
1 環境影響評価手続きを進めるに当たっては、説明会やホームページ等により積極的なデータ開示を行うとともに、客観性のあるデータを用いた分かりやすく丁寧な説明に努め、地元自治体や地域住民等の十分な理解を得ること。また、地域住民からの要望や苦情等に対しては誠意を持って対応し、住民不安の解消に努めること。
2 設置を計画している縦型ストーカ炉は一般的なストーカ炉と異なる構造であるため、評価書では、燃焼方式や構造、強度等について図面等を用いて具体的に説明するとともに、排ガス処理設備の処理方式や使用薬剤、汚染物質の除去効率等を明らかにすること。
第2 個別事項
1 大気質
(1) 技術上可能な範囲で自主規制値を設定するとともに、施設の適切な維持管理に努め、平成30年度に規制が開始された水銀、その他有害物質の排出抑制対策を徹底すること。
(2) 施設の稼働に伴う排ガスに係る事後調査は、煙突出口における1回の測定では不十分であるため、一般環境大気の通年(四季毎)調査及び同期間中における排ガス測定により実施すること。
2 騒音・振動
(1) 資材等及び廃棄物の運搬車両の主要走行ルート沿いには多数の住宅が存在することから、搬入時間の調整により車両の集中を避ける等して沿道周辺の環境保全対策を十分講じるとともに、安全面にも配慮した運行計画を検討し、その結果を評価書に記載すること。
(2) 同走行ルートのうち県道22号線の古城橋以南は、幅員が狭く、住宅が密集していることから、県道筒井徳丸線を経て県道326号線又は国道56号線を迂回路とすること。
(3) 計画施設供用後の機械等の稼働に伴う騒音について、予測結果は環境保全目標を満足しているものの、現況騒音より8~10dBの上昇が予測されていることから、事後調査項目に選定すること。
3 水質
(1) 土地造成に係る工事計画の立案に当たっては、沈砂池容量の更なる拡大を検討する等して、濁水の発生を可能な限り回避・低減すること。
(2) 建設工事中に実施する沈砂池放流口における浮遊粒子状物質濃度に異常が認められた場合は、工事を中断し、原因究明及びその対策を十分講じるとともに、必要に応じて海生動物に対する影響を調査すること。
(3) 計画施設で使用するプラント用水(冷却水、洗浄水等)は放流しないとしているが、評価書において、その根拠を明らかにすること。
4 景観
(1) 緑化について、既存施設撤去後のスペースも含めて可能な限りの植栽を検討し、その結果を評価書に記載すること。
(2) 準備書では主要な眺望点からの景観のみを評価しているが、住居地域が広がる東側からの視認性が高いことから、評価書ではこれら周辺住居地域付近を調査地点に追加し、フォトモンタージュを用いた評価を行うこと。
5 その他
(1) 事業計画地は、重信川河口部の瀬戸内海に面する埋立地であり、今後発生が見込まれる南海トラフ巨大地震等による津波や液状化、台風による高潮等の影響が想定される。
このため、これらに対応できる工事計画とし、具体的な工法及びその妥当性を評価書に記載するとともに、災害発生時の対応マニュアルを整備し、日頃から従業員に対する周知及び教育等の徹底を図ること。
(2) 既存施設の解体・撤去の際に講じる環境保全措置について、評価書において詳細な説明を行うこと。