本文
大王製紙三島工場リサイクル発電設備設置事業
手続状況
方法書
対象事業の区分
- 産業廃棄物焼却施設の設置の事業
事業名称
大王製紙三島工場リサイクル発電設備設置事業
事業規模
処理能力 約3,460t/日 1基
約2,210t/日 1基
事業実施区域
四国中央市三島紙屋町5番1号 ほか
(大王製紙株式会社 三島工場内)
関係地域
四国中央市
事業者
大王製紙株式会社
公告・縦覧日
- 方法書公告・縦覧 令和3年6月22日~7月21日
- 準備書公告・縦覧
- 評価書公告・縦覧
- 事後調査報告書公告・縦覧
知事意見
方法書
令和3年6月15日付けで送付のあった標記方法書について、愛媛県環境影響評価条例(平成11年条例第1号)第10条第1項の規定により、別紙のとおり意見を通知します。
別紙
第1 総括事項
1 環境影響評価の適切な実施のため、環境影響評価準備書の作成に当たっては、事業計画及び工事計画をできる限り明らかにするとともに、事業及び工事の実施に伴う環境影響について、より一層の環境負荷の回避又は低減に努めるとともに、関係する諸計画及び法令との整合を図ること。
2 事業計画は、廃棄物及び廃棄物由来の燃料を大量に収集し、焼却する計画としている。同準備書の作成においては、施設規模の算定の根拠を示すとともに、具体的な廃棄物等の収集計画を明らかにすること。
3 本環境影響評価については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)」に基づく生活環境影響調査を兼ねることから、愛媛県環境影響評価技術指針に加えて、廃棄物処理施設生活環境影響調査指針の内容も考慮して、適切に調査、予測及び評価を実施すること。
第2 個別事項
1 地元との相互理解及び情報公開
(1) ホームページ等による積極的なデータ開示を行うとともに、客観性のあるデータを用いて分かりやすく丁寧な説明を行い、地域住民との相互理解の醸成に努めること。また、地元自治体や地域住民等からの意見、要望及び苦情等に対しては誠意を持って対応し、これら意見等を事業計画に十分に反映させること。なお、四国中央市長から地域住民の十分な理解を得るよう要望が提出されていることから、誠実かつ確実に対応すること。
(2) 環境影響評価図書については、地域住民との円滑な情報交流の拡充を図るため、できる限り縦覧期間が終了した後も自社ホームページ又は事業所等において、公開に努めること。なお、自社ホームページで公開する場合は、無断複製等の著作権に関する問題が生じないよう配慮するとともに、各種OSやブラウザでの動作確認を十分に行い、利用者の利便性の向上を図ること。
(3) 同準備書の作成においては、作成時点で最新の資料を用いるほか、図表を適切に活用し、できる限り専門用語や略記の使用を控え、縦覧図書として県民にも配慮した分かり易い内容となるよう努めること。
2 大気質
(1) 排出ガスの諸元値を概ね基準値以下としているが、できる限り環境への負荷を低減した諸元値を同準備書において明らかにすること。
(2) 大気質への影響に係る調査、予測及び評価に当たっては、事業計画地の気象や地理的条件を考慮し、適切な予測範囲を設定して実施すること。
(3) 水俣条約の発効を踏まえ、平成30年4月から、改正大気汚染防止法に基づき水銀大気排出規制が実施されている。ついては、排出基準を遵守することはもとより、可能な限り水銀の排出抑制に努めること。
3 騒音及び振動
国道11号において、工事車両や供用時の廃棄物及び廃棄物由来の燃料運搬車両の走行による騒音及び振動の状況の悪化を低減するため、できる限り搬入時期及び時間の分散化などの対策に努めること。
4 水環境
(1) 地下水
施設の基礎及び燃料保管施設等の設置に伴い、地中深く掘削する場合は、地下水の流れに影響を及ぼすことが懸念されるため、過去の地質調査結果の活用を含め適切な調査により帯水層の状況を確認し、必要に応じて、環境影響評価の項目に地下水を追加すること。
(2) 水の濁り
工事計画の検討を進め、沈砂池の設置位置を明らかにするとともに、濁水の処理工程について詳細を同準備書において明らかにすること。
5 動植物及び生態系
廃棄物及び廃棄物由来の燃料の搬入に伴って侵入する恐れのある侵略的外来種についても留意し、できる限り対応を検討すること。また、事業所内の植栽においても、侵略的外来種の発生源とならないよう、植物の選定について、必要に応じて専門家等に相談の上検討すること。
6 文化財
対象事業実施区域内には、四国中央市指定史跡「河上但馬守安勝の墓」が含まれるので、事業計画を検討する際には、四国中央市教育委員会と協議の上、文化財の適切な保護に配慮した計画とすること。
7 廃棄物等
(1) 廃棄物の保管は、性状に応じて雨水等による流出、悪臭の漏えいを防止するための措置を十分に講じること。
(2) 廃棄物及び廃棄物由来の燃料については、搬入の管理を十分に行い、事故を防止し安定的な稼働を行う計画とすること。
(3) 燃え殻及びばいじんについて、セメント原料や造粒固化処理を経て再利用する計画としているが、新技術の導入等により、できる限りリサイクルに努めること。
(4) ばいじんについて、廃棄物から移行すると考えられる水銀については、溶出量だけではなく、必要に応じて含有量も確認するなど、適切に管理すること。
8 温室効果ガス
(1) 事業の目的として、カーボンニュートラルの実現を目標としていることを踏まえ、事業実施に伴い削減できる温室効果ガス量を定量的に把握し、同準備書において明らかにすること。
(2) 施設稼働に伴う温室効果ガスは、環境影響評価の項目としているが、廃棄物及び廃棄物由来の燃料の搬入計画を踏まえ、必要に応じて、供用時における運搬車両の走行等に伴い発生する温室効果ガスについても予測及び評価を行うこと。
9 その他
(1) 環境影響評価を行う過程において、項目、地点及び手法等に係る事項に新たな事情が生じた場合は、必要な検討を行うとともに、必要に応じて追加的に調査、予測及び評価を行うなど適切に対応すること。
(2) 事業計画地は、瀬戸内海に面する埋立地であり、今後、発生が見込まれる南海トラフ地震等による津波や液状化の影響が想定される。このため、施設の整備計画の立案に際しては、これらの内容について十分留意すること。
(3) 施設設置予定地に存在する既存施設の解体及び撤去において、ダイオキシン類、重金属及びアスベスト等の飛散及び流出防止対策を適切に講ずること。
備考