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「石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律」の施行について
石綿の飛散等による人の健康又は生活環境にかかる被害を防止するため、「石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律」が公布され、大気汚染防止法、建築基準法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などの改正が平成18年10月1日から施行されます。
1 大気汚染防止法の一部改正<外部リンク>
大気汚染防止法に基づき、特定建築材料が使用されている「建築物」を解体、改造又は補修する作業が特定粉じん排出等作業として規制対象とされていましたが、今回の法改正により「建築物」が「建築物その他の工作物」とされたことに伴い、特定粉じん排出等作業の範囲に建築物以外の工作物に係る解体等作業が含まれることとなるとともに、工作物に係る作業基準については建築物に係る作業基準の内容と同等の措置を講じなければなりません。
なお、石綿の含有の考え方については、従来は石綿の質量が建築材料の質量の1%を超えるものでしたが、他法令の改正に併せ0.1%を超えるものに変更されました。
※特定粉じん排出等作業実施届出書の改正の様式[PDFファイル/14KB]
2 建築基準法の一部改正<外部リンク>
建築物その他の工作物(以下「建築物等」といいます。)は、建築材料に石綿を添加してはいけません。また、石綿をあらかじめ添加した建築材料を使用してはいけません。なお、平成18年10月1日に現に存する建築物等又は現に建築、修繕若しくは模様替えの工事中の建築物等については適用されませんが、現に存する建築物等のうち、平成18年10月1日から次のことを行う場合は措置を行う必要があります。
(1)増築又は改築に係る部分の床面積の合計が工事前の延べ面積の1月2日を超える場合、増築又は改築に係る部分に新たに石綿を使用することはできません。また、既存部分に石綿、又は石綿をあらかじめ添加した建築材料が使用されている場合は当該建築材料を除去しなければなりません。
(2)大規模の修繕又は大規模の模様替えに係る部分に新たに石綿を使用することはできません。
(3)増築、又は改築をする場合で、増築、又は改築に係る部分の床面積の合計が工事前の延べ面積の1月2日以下の場合、又は大規模の修繕又は大規模の模様替えを行う場合でも、既存部分の石綿、又は石綿が添加された建築材料を封じ込め又は囲い込みをしなければなりません。
石綿等をあらかじめ添加した建築材料とは、(注)吹付け石綿もしくは吹付けロックウールでその含有する石綿の重量が当該建築材料の重量の0.1%を超えるものをいいます。
(注)建築基準法上では吹付けパーライト、吹付けバーミュライト、成形品等の石綿含有建築材料は規制の対象となっておりません。
3 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正<外部リンク>
(1)特別管理産業廃棄物である「廃石綿等」の対象範囲の拡大について
特別管理産業廃棄物である「廃石綿等」の範囲について、建築物に該当しない工場のプラント及び煙突等の工作物の解対等から発生する石綿を含む廃棄物についても特別管理産業廃棄物の廃石綿等として扱う必要があるため、廃石綿等の発生源が建築物から工作物へと拡大されます。
(2)石綿含有廃棄物に係る収集、運搬、処分等の基準の改正について
(ア)石綿含有廃棄物の収集、運搬及び積替え並びに保管を行う場合については、石綿含有廃棄物を破砕しないように行うとともに、他の廃棄物と混合しないように区分して行わなければなりません。
(イ)石綿含有廃棄物の処分又は再生の方法については、収集運搬のため行う破砕や切断を除き、人の健康又は生活環境に係る被害が生じるおそれをなくする方法(溶融処理等)により行わなければなりません。
(ウ)石綿含有廃棄物の埋立てを行う場合については、一定の場所において、石綿含有廃棄物が分散しないようにし、埋立地の外へ飛散及び流出しないよう表面を土砂で覆う等必要な措置を講じなければなりません。
(3)無害化処理認定制度の創設について<外部リンク>
アスベスト含有一般廃棄物、アスベスト含有産業廃棄物、及び廃石綿等の処理に関し、高度な技術を用いて無害化する処理を行う者を個々に国が認定し、認定を受けたものについては、廃棄物処理業及び施設設置に係る許可を不要とする制度が創設されました。
(4)廃石綿等又は石綿含有産業廃棄物の溶融施設の産業廃棄物処理施設への追加等について
廃棄物処理法第15条第1項に基づく施設の設置許可の対象施設に、廃石綿等又は石綿含有産業廃棄物の溶融施設を追加するとともに、当該溶融施設に係る基準が定められます。
3の(3)については平成18年8月9日施行